新・闘わないプログラマ No.159

クリスマス


「あ、あのシステムの明後日の夜中の立会い、お前頼むわ」
「えー、やですよ。明後日って何の日か知ってるでしょ?」
「ん? 何だっけ? 天皇誕生日の次の日だよなあ。それがどうかしたのか?」
「とぼけないで下さいよ〜。クリスマスイブじゃないですか〜」
「それで?」
「またー」
「だから?」
「もうー」
「おお、わりーわりー。お前、彼女出来たんだっけ?」
「そうですよ!! でかい声で言わないで下さいよ」
「ふーん、じゃあ、クリスマスイブは、彼女と二人きりで甘い一夜を…」
「だから、止めてください、ってば!」
「んじゃあ、お前。そう、お前だよお前。明後日の夜中の立会い、よろしくな」
「え? 私? 私もちょっと…」
「なんだよ、お前もかよー」
「はあ…」
「んじゃあ、お前。お前は絶対大丈夫だよな」
「そんな言い切らないで下さいよー。私だっていろいろと、その…」
「『いろいろと』なんだよ」
「いろいろと予定が…」
「全くもう。あ、じゃあお前はどうだ? お前なら、まかり間違っても、クリスマスイブに予定なんか無いよな?」
「なんですか、ひどいなあ! 僕だって…」
「『僕だって』なーんだよ、見栄張るなってば。な、予定無いよな。まーったく予定なんか無いよな。ある訳無いよな、な、な!」
「そんな、強調しないで下さいよー」
「とにかく、明後日の夜、よろしくな」
「は〜い、しくしく…って、あれ? 僕は、あのシステムのこと全然知らないんですけど…」
「え゛、そーだっけ? 参ったなあ、誰か立会いできる奴はいねーのかよー」
「…」
「ほらほらほらほら、誰か立候補しろよ」
「まーったく、そんなに人がいないんだったら、自分でやりゃあいいんだよな。他人にやらせることばかり考えて…ひそひそ」
「ん? 誰か、何か言ったか?」
「…」
「おい、文句ある奴は言って見ろ」
「あのー、人がいないんだったら、立会いはご自身がやられたらいかがですか?」
「ん? オレか? オレはその…クリスマスイブの晩はだなあ、当然その、予定が入っちゃっていたりするかも知れないからダメ〜」
「またー、見栄張らなくてもいいですよー、な〜んも予定なんかないくせに〜」

っつーわけで、クリスマスイブの晩のスケジュールってのは、結構ヤバめだったりして、指名する方もされる方も、結構気を使っちゃったりなんかするわけでして…
え? 私ですか? 私は…あの、その、この週末はびっしり予定が入っていて、その証拠に、いつもにも増して、こんな駄文しか書いている暇が無かった、ということで証明できるのではないか、などと思ったりするわけでして ←と、一応、見栄を張っておきます。

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