新・闘わないプログラマ No.152

とりあえず使ってみる


などという、つまらないタイトルを付けてみたりしたのですが、例によって例のごとく、単なるヨタ話です。

先々週の駄文で、(MacOS Xの)「Public Betaは入れてみたいなあ、でもお金を出してまでベータ版を買うってのには抵抗があるなあ」などと書いたら、譲ってくださる方がいらっしゃいました。いやあ、言ってはみるものですね。どうもありがとうございました。
とりあえず、実際に譲ってくれた方(←知人です)、また、「譲ってもいいよ」とメールを下さった方にお礼も含めて、インストールして使ってみた感想を書かないといけないだろうな、などと思ったわけです。とは言うものの、もうあちこちで言及されているような気もしないでもないですし、特に目新しいことを書くわけでも無いので、詰まらない内容になってしまうかも知れません(←いつものことか?)けど、ご了承ください。

と、とりあえず逃げを打っておいて、本題に入らせていただきます。
ここまでのところ私自身、MacOS Xについては、興味はあったものの、詳しい情報は手に入れていませんでした。ですから、今回初めて現物に触って、いろいろ試している段階です。そんなわけで、とんでもない勘違いをしているところもあるかも知れません。お気づきの点がありましたら、メールで教えてください、こっそり直しておきます ←おい。

まず、なにはともあれインストールしてみました。
インストールは極めて簡単でした。私は、iMacにインストールしたのですが、このiMac、以前からいろいろ使うためにディスクのパーティションを沢山切っていましたから(←Vine Linx for PPCなんかも入っている)、その一つのパーティションにMacOS Xを入れるように指示しただけで、あとはほとんど考えるところも無くて、インストールは完了。
このインストールの容易さは、以前からのMacOS譲りで好感は持てます…けど、これってインストールできる機種が限られているし、使える周辺機器も限られているからこそ出来る芸当とも言えるわけでして、PCのOSなんかで同じような容易さでインストール出来るようにすることが可能か、と言われれば、まあ無理なんじゃないかなあ、と思います。
まあ何にせよ、インストールは簡単でした、ということは言っておきたいと思います。

で、早速MacOS Xを立ち上げて、使ってみることにしました。
最初にログインが必要なんですね。まあベースがUNIXだから、というのもあるでしょうけど、だからと言って、必ずしもログインが必要かどうか…まあユーザごとに作業環境を変えたい、という要求はあるでしょうから、それはそれで便利なのかも知れません。
いまのところよく分かっていないのですけど、複数のMacで横断的に同じ作業環境が使えるのでしょうか。 ユーザ登録を一元管理して(NIS?)、ホームディレクトリ(って言うのか?)はファイルサーバのやつを共有して(Apple ShareかNFSあたり?)、その他諸々。
まあ、UNIXなんだから、設定しさえすればそういうことも出来そうなのですけど、どんなものなんでしょうね。そう言えばWindowsNTのドメインネットワークでも似たようなことが出来ますけど、なんか中途半端なんですよね、あれ。

さて、実際のユーザインターフェースですけど…うーん、どうなんでしょう、これ。
もうすでに言い尽くされているような気もしますけど「わざわざ、こんなに操作性を変える必要があったんかいな?」というのが現在の印象です。従来のMacOSと似ているところって言うと、メニューバーが一番上にあることくらいだったりして ←いや、もちろん他にもあることはありますけどね。
Aquaのデザインは確かにきれいですけど、だからと言ってそれほどいいことがあるとも思えません。
今までのMacOSの設計の考え方(それがいいか悪いかは別にして)からすると、正反対になっちゃっているようなところもあちらこちらに見受けられて、なんかねえ…と思っちゃいました。画面のデザインにしても、1024x768でも狭く感じられましたし(今までのMacOSなら800x600でも結構広く感じたのに)。

さてさて、ユーザインターフェースの話は、私自身それほど興味が無くて(←と言う割には散々文句を言っているような気もしないでもないけど、気にしないで下さい)、それより「MacOS Xはどの程度UNIXなのか?」という方に一番興味があったりします。
MacOS X Public Betaには「Terminal」というアプリケーションが付いてきます。これを起動すると、UNIXのシェルが立ち上がって、コマンドを入力出来るようになります。Windowsで言う「DOSプロンプト」「コマンドプロンプト」みたいなものですね。
とりあえずこれを立ち上げて、いろいろ操作してみました。

    [imac:~] lepton% ps
      PID  TT  STAT      TIME COMMAND
      330 std  Rs     0:00.15  tcsh

ほうほう、ログインシェルはtcshですか。他にどんなシェルが入っているのかな?

    [imac:~] lepton% cat /etc/shells
    /bin/bash
    /bin/csh
    /bin/sh
    /bin/tcsh
    /bin/zsh

それなりに入っていますね。他に何をやってみようかな。

    [imac:~] lepton% uname -a
    Darwin imac 1.2 Darwin Kernel Version 1.2: Sat Sep 16 15:09:23 PDT 200
    0; root:xnu/xnu-103.1.obj~1/RELEASE_PPC  Power Macintosh powerpc
    [imac:~] lepton% echo $path
    /Users/lepton/bin/powerpc-apple-macos /Users/lepton/bin /usr/local/bin
     /usr/bin /bin /usr/local/sbin /usr/sbin /sbin
    [imac:~] lepton% pwd
    /Users/lepton

ディレクトリ構成は、ふつーのUNIXとは違っているところも結構あるようですね。ホームディレクトリは「Users」ですか…。
他にもいろいろと見てみたいところはありますけど、とりあえず置いておいて、ネットワーク関係はどうかなと思い、pingやらtelnetやらftpやら、いろいろやってみましたが、使ってみた範囲内では問題なく動きました。まあ、当たり前と言えば当たり前ですが。
では、telnetやftpのサーバ機能はどうなっているんじゃい、というわけで、他のホストから、このMacOS Xの動いているiMacに対して、telnetやftpで接続してみました。

    [lepton@server ~]$ telnet imac
    Trying 192.168.1.41...
    telnet: Unable to connect to remote host: 接続を拒否されました
    [lepton@server ~]$ ftp imac
    ftp: connect: 接続を拒否されました
    ftp>

ほーほー、telnetやftpでの接続は禁止されているようですね。んじゃあ、とMacOS Xの方に戻って、調べてみると…

    [imac:~] lepton% cat /etc/inetd.conf
                ・
                ・
    #ftp    stream  tcp     nowait  root    /usr/libexec/tcpd  ftpd -l
    #login  stream  tcp     nowait  root    /usr/libexec/tcpd  rlogind
    #nntp   stream  tcp     nowait  usenet  /usr/libexec/tcpd  nntpd
    #ntalk  dgram   udp     wait    root    /usr/libexec/tcpd  ntalkd
    #shell  stream  tcp     nowait  root    /usr/libexec/tcpd  rshd
    #telnet stream  tcp     nowait  root    /usr/libexec/tcpd  telnetd
    #uucpd  stream  tcp     nowait  root    /usr/libexec/tcpd  uucpd
                ・
                ・

はいはい、そーゆーことね。inetd.confの中で、ftpとtelnet(とその他いっぱい)がコメントアウトされているんですね。
というわけで、この2行の行頭の「#」を外して(エディタはviとemacsは使えるようです)、inetdに対して「kill -HUP」してやると…

    [lepton@server ~]$ telnet imac
    Trying 192.168.1.41...
    Connected to imac.
    Escape character is '^]'.

    Darwin/BSD (imac) (ttyp2)

    login: lepton
    Password:
    Welcome to Darwin!
    [imac:~] lepton%
                ・
                ・
    [imac:~] lepton% logout
    Connection closed by foreign host.
    [lepton@server ~]$ ftp imac
    Connected to imac.
    220 imac FTP server (Version 6.00) ready.
    Name (imac:lepton):
    331 Password required for lepton.
    Password:
    230- Welcome to Darwin!
    230 User lepton logged in.
    Remote system type is BSD.
    ftp>
                ・
                ・
    ftp> quit
    221 Goodbye.

というわけで、晴れて外部からtelnetやftpで接続が出来るようになりましたとさ。
まあ、そんなこんなで、まだ使い始めたばかりなのですけど、「MacOS XはUNIXでもある」という、当然のことが再確認された、ということで。
他にもいろいろと調べてみたいことがあるのですが、時間が無いのでまだやっていません。
あ、そうそう、「純粋 Mac OS X 批判 序説」に書いてあった、

Mac OS Xは、トラブルが起きればコマンドラインに落ちる。――これは、隠しようのない事実である。「消える魔球は水に弱い」と同じぐらいの真理である。

なのですが、実験してみました。
「ps auxで、それらしいプロセスを「kill -9」でいろいろと落としてみましたけど、コマンドラインには落ちることはありませんでした。というわけで、「消える魔球は水に弱い」というのは真理ではないようです :-)

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