新・闘わないプログラマ No.134

2000


週末に、届いたばかりの「日経バイト」7月号の特集「Windows Meか、2000 Professionalか」をぱらぱらと見ていて思ったのですが、いつ見てもよく分からないのがこれ…(「日経バイト」2000年7月号 94ページ)

Windows 2000 Professionalは、ビジネス・ユースに向いているとわかっていても、動くハード/ソフトがまだ限られている。

さらに、これ…(同 96ページ)

NT系列には「重装備なハードウェアが必要な上に、アプリケーションも周辺機器も少ない」という言葉が付きまとい、プリインストール機がほとんど登場しなかったことが大きい。

よくある論調なのですけど、そんなに「限られて」いますか? 別にマイクロソフトの肩を持つわけじゃないですけど、仕事で使う上で、あと、私が個人的に使っている上で、9xでは動くけど、NT系では動かないソフトウェアやハードウェアって、ほとんど無いのですけど。まあ、NT 4.0まではUSBが使えなかったから、そっち方面はあるかも知れませんが、仕事の上では、まだあまりUSBは使ってませんしね。
そうそう、余談ですけど、以前にもWindows2000の話題を書いたときに、「バグがいくつあろうと、それを使うユーザが困らなければ、別に関係ないんじゃないの」という趣旨のことを書いたら、「あなたはアンチマイクロソフト派だと思っていたのに、見そこないました」というようなメールを貰っちゃいました。わはは。
余談はともかく、私の経験では、少なくとも仕事で使う上でNT系列のOSを使うのは、9x系列を使うより、ずっと利点が多いと思うし、9xより困ることってほとんど無いように思うのですけど。実際、職場で廻りを見渡しても、9xで構築するようなシステムってほとんど皆無です。

さてさて、いまさらなのですけど、私は先日Windows2000を初めてインストールして、使ってみました。本当は、いつも持ち歩いているノートPCの方に入れたかったのですけど、ディスク容量が足りず(そのうち、大容量のやつに変えるつもり…というのは先日書きましたね)、デスクトップPCのディスクのパーティションの整理をやったときに、Windows2000のパーティションを確保して、やっとのことで、念願(?)のWindows2000をインストールして使ってみることが出来ました。
うちのデスクトップPCは、ディスクが2台付いていて、それぞれ、プライマリパーティションが3つ、拡張パーティションに論理ディスクが4つ、というこれ以上無い、というくらいパーティションがあったりして、システムコマンダーで起動するOSを選んでいたりする、まあ、なんというか、よく訳のわからないものになっていたりするのですけど…本当は、常用とテスト用とを分けた方がいいんでしょうけどね。でも、なかなか…。
とりあえず、いま入っているのは、PC-DOS 6.3とWindows95とWindowsNT 4.0とVine Linux 2.0と、今度入れたWindows2000と(←ここまでが常用かな?)、あとLinuxのディストリビューションがいくつか(←これは試しに入れてみた)。

でもって、仕事でもまだWindows2000を使ったPCは使っていないので、実は使ってみたのは初めてだったりします。
インストールしたのは、個人のPCですから、もちろんWindows2000 Professionalです。
うちのデスクトップPCは、なぜかCD-ROMブートが出来ない(BIOS上には、そういう設定項目があるんだけど、どうしてもCD-ROMからブートしてくれない…CD-ROMドライブが対応してないのかなあ、秋葉原で古めのやつをうんと安い価格で買ったというドライブだからなあ)ので、やむなくフロッピーブート。
これが長いんですよねえ…フロッピーブート。確か、NT3.51の頃はフロッピーが4枚要って、NT4.0で3枚に減ったと思ったら、Windows2000でまた4枚に…。あ゛ー、CD-ROMブートが出来るようになりたい。
インストーラは、GUIになるより前の部分はNTのまんまですね。まあ、Windows2000も、結局のところNTですからね、そのまま流用したんでしょう。なもんで、NT3.5の頃から、NTのインストールを数知れずやっている私(数100回はやっているはず)にとっては、別にどうということも無く…。
と言いたいところだったのですけど、Windows2000って、ディスクに900MBくらいの空きが無いとインストールすら出来ないんですね。いや、ちょっとした都合で、OSはそれ以下のパーティションにインストールしようとして、しっかり怒られてしまいました。
しかしまあ、なんでこんなに要るのん?? 100MBもあればとりあえず最低限のインストールできたNT3.51のころが懐かしい。

立ち上げて、使ってみた印象では、NT4.0と(Windows9xとも)微妙に違うところが、妙にいらいらします。
「なんだよ、このWindows98みたいな、ごてごてしたエクスプローラは」
「おーい、ディスクアドミニストレータはどこ行った?」
「そーいや、コマンドプロンプトも見つからんぞ…あ、あった、あった。『アクセサリ』の中に入れられちゃったのね、かわいそうに」
「そう言えば、コントロールパネルの『サービス』も見当たらんぞ」
なぜ変えたのか、いまいち理由の分からんものが多くて、微妙に使いづらいですね…まあ、慣れの問題もあるのでしょうけど。
あと気になった、というか、「ふーん、そうなったんだ」と思ったのが、Windows2000では、1台のディスクの複数のプライマリパーティションを見ることが出来ることですね。NT4.0をインストールしたプライマリパーティション(NTFS)もドライブとして見えちゃったので、一瞬何かと思いました。あれ? でも、DOS/Windows95をインストールしたパーティション(FAT)は見えてなかったような…何故だ??

私は今まで、家のデスクトップPCでは、WindowsNT 4.0をメインのOSとして使っていて、それで別に不満も無かったし、Windows2000の新機能も(デスクトップPCで使う上においては)さして魅力を感じなかったので、Windows2000にする意義を感じていませんでした。
が、実際に使ってみて認識を改めました。デスクトップPCのメインOSをNT4.0からWindows2000にしようと思っています。
その理由はただ一つです。Windows2000のシャットダウンには「休止状態」というのがあるんですね。これ、いわゆる「ハイバネーション」とか言っているやつで、シャットダウン時に、メモリの内容をそっくりそのままファイルに書き出して、立ち上げ時に、そのファイルからメモリの内容を復元することによって、高速に立ち上げられる、という機能です。
ノートPCあたりだと、BIOSの機能として持っている事がありますが、それをOSの機能にしてしまっている、というものですね。
これは、使ってみてかなり便利です。うちのPCはメモリが192MB入っていますけど、シャットダウンがちょっと遅め(←とは言うもののNT/2000の通常シャットダウンも結構時間がかかるから、大差ないような気もします)なのですが、立ち上げは圧倒的に早い。
これは便利、便利。私も、ノートPCでは、このハイバネーションの機能を結構使っているのですが(OSはWindows98、メモリ128MB)、それより早い。しかも、時々リブートしないと不安定になることが多いWindows98と違って、NT系のWindows2000でハイバネーションが使えれば、通常のシャットダウンやブートを行う機会がかなり減らせるように思えます ←実際、ここ10日くらい、「休止状態」以外で止めたことが無い。
ただ、この休止状態、一つだけ不満があって、シャットダウンから「休止状態」を選ぶと、問答無用に電源を落されてしまう…私のように、1台のPCで、いっっっぱいOSをインストールしていると、「Windows2000は休止状態にして、Linuxを立ち上げたいな」などということが頻繁にあるのですね。そんな場合に電源を切らないでほしいわけで、こんな機能も欲しいわけです。
「休止状態にしてリブート」(沢山OSをインストールしている人向け)


2000.7.3 補足
この回の内容について、いくつかメールを頂きました。
まず、「休止状態にしてリブート」の機能はMicrosoftは作らないだろう、何故なら、他のOSは使って欲しくないから、というような趣旨のメールを幾人かの方から頂きました。よく考えればそうですね。もともと、Microsoftは、Windows9xと、NT/2000とでも、どちらか一方を使えば十分でしょ、という考え方に見えますしね。ましてや、他のOSなんて…。
でも「休止状態にしてリブート」をなんとか実現できないか、と考えてみたのですが、要するに電源が落ちないようにすればいいんですね。電源管理のあたりでなんとかできそうな気もします…まだ試していませんけど。
あと、VMwareを使ったら? というメールも頂きました。こっちの方が案外現実的だったりするかも知れません。
それから、以前「メモ帳は、Ctrl+Sで保存が出来なくて不便」と書いたら、Windows2000のメモ帳では出来ますよー、というメールを頂きました。ホントだ、Ctrl+Sで保存が出来る。これで、メモ帳は最強のエディタだな ←私にとって。

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