新・闘わないプログラマ No.115

メモ帳


問「ほーむぺーじを作りたいのですが、どのソフトが一番使いやすいでしょうか。いろいろあってよくわかりません」
答「メモ帳」

というようなやり取りをよく目にしますよね(え? 目にしないですか?)
この件に関して、誰かが「こういうひねくれた回答をするのは、云々。自分はHTMLを知っているんだぞー、という優越感が、云々。だいたい、Windowsのメモ帳でHTML文書を書いているやつなんかいねーぞ、云々」などと言っているのをどこかで目にしました。
すみません、私、Windowsに付属するメモ帳でHTML文書を作っています。もちろん、この駄文もメモ帳で書いています。まあ、私の場合、ページの雛型は決まっていますから、前回のやつをコピーすればいいし、あと、自分で書くタグは「BR」「P」「A HREF=〜」「BLOCKQUOTE」くらいなもんだから、別にメモ帳でも全然不自由しなかったりします。たまに、箇条書きをしようとか、テーブルにしようとか、そんなことになると、書き方を全く憶えていないので、以前に使った時のファイルを開いて、書き方を調べたりしてします。
私の場合、一つのファイルがメモ帳で扱えないくらい大きくなることもないし、とりあえずメモ帳でも不便なことはほとんど無いですねえ。というわけで、メモ帳でHTML文書を書いている人間も世の中に一人はいるんだ、ということを主張しておきたい、と斯様に思うわけでありまして。

以前はここの文章は、メモ帳じゃなくて、これもWindowsに付いてくるワードパッドで書いていました。でも、去年ノートパソコンを買い換えて、OSがWindows95からWindows98になったら、ワードパッドの動きが変で、ワードパッドは使うのを止めちゃいました。
というのも、Windows98のワードパッドでテキストファイルを編集するときに、英数文字を入れると、何故かフォントが標準フォントじゃなくて、そこだけ勝手に「Arial」というフォントになっちゃうんですよね。そうすると、それをテキストファイルに保存するときに、必ず「テキスト形式で保存すると、書式情報はすべて失われます。保存しますか?」などと聞いてきて鬱陶しい。
そうならないような設定が、もしかしてどこかにあるのかも知れませんけど、私が設定を調べてみた限りでは見つからなかったので、「ええい、めんどくせー。メモ帳だって、HTML文書くらい書けるわい」ということで、メモ帳に乗りかえることに。
Windows95/98に付属しているメモ帳って大きなファイル(32KB以上でしたっけ?)は開けない、という制限がありますけど……NTに付属しているやつはそういう制限が無いのに、何故95/98のには制限があるんかいな? 32ビットアプリケーションだったらそんな制限を加えるような必然性はあんまり無いような気がする、そもそもNT付属のやつには制限が無いんだし。
まあ、でかいファイルは作らないので、サイズの制限はあまり気にならないのですけど、ワードパッドからメモ帳に乗り換えて一番不便なのが、「Ctrl+S」で保存が出来ない、ってことだったりします。Windowsの大体のアプリケーションって、「Ctrl+S」で保存、となっているんですけどねえ、メモ帳では、何故かこれが出来ない。
いやあ、世の中にはいるんですよね、仕事で一日掛けて、大作の文書かなんか書き上げて、夕方になって、さて保存しようか、というときにパソコンがハングして、「ぎゃー、一日分の仕事が水の泡だー」とか言って騒いでいる奴。でもって、そういう奴に限って、自分は被害者だ、と思っていたりして……あのね、それはね、パソコンなんてものを信用したあなたが悪いの。パソコンのせいにするなっての。
というわけなんで、パソコンなんて言うハードもソフトもチンケなコンピュータなど信用していない私なんかは、それはもう頻繁に保存だけはしています。たとえば、この駄文、ここまで書くだけでもう十回以上は保存をしているんじゃないかなあ。まあ、こんな駄文、大切な文書でもなんでも無いですから、無くなったところで別に何が困るわけでも無いのですけど、ここで消えちゃって、もう一度同じような文章を書け、と言われると、もう書く気力は無い、というほど下らない内容だったりするわけで。
なんか、話が盛大にずれちゃいましたけど、そういうわけで、メモ帳には「Ctrl+S」で保存する機能が無いのが残念です。いちいち、メニューから選ぶのは面倒ですから。

まあ、そこまでWindows付属のソフトにこだわる必要も無い、とも言えるのですけど、私は仕事も含めて、メモ帳はかなり使っています。もしかして、一番使っているWindowsアプリケーションかも知れません。
メモ帳のよさは、Windowsパソコンなら、どこに行ってもある、ということがあります。
私なんか、仕事だと、Windows系のOSがインストールされているコンピュータだけでも、かなり沢山触らなければいけなかったりしますし、その中には、客先にあるやつもあったりして、勝手にソフトをインストールできない、という場合も多いですし、そういう場合にちょっとしたことをやるのに重宝するわけです。
そういえば、「メモ帳なんて使い物にならない。○○というエディタ(売り物)が使いやすい」と言って、あちこちのパソコンにその○○エディタをインストールしまくっていた奴を知っていますけど(もちろん違法コピーになる)、あのさあ、客の持ち物のサーバに勝手にソフトをインストールするなよ、しかも違法コピーの、などということもあったりして。
まあメモ帳は、UNIXのシステム管理にviというエディタの使い方は一般教養の範囲だ、というのと同じようなものだし、viよりははるかにとっつきやすいと思うけどなあ、メモ帳の方が。まあ、機能はviよりずっと下だけど。
そんなわけで、私は、Windowsのシステム管理でもメモ帳は結構使っていますし、それで困るような場合には、フロッピーにフリーのWindows版viクローンを入れて、それを使っていたりします。

今回のお話は、私がもしかすると一番使っているWindowsアプリケーションなのではないか、いつもお世話になっております、という感謝の意味も込めまして、「メモ帳」についていろいろ書いてみました。
いや、本当のところは「メモ帳」のような、あまり機能も無い、地味なおまけソフトをテーマに、どこまで駄文を書き連ねて行くことが出来るか、という下らない実験だったりもするのですが。


2000.2.21追記
Windows95/98のメモ帳は、どうして大きなサイズのファイルを開けないのか、と書いたら、何人かの方から情報を頂きました。メモ帳って、結局のところ、テキストボックスのコントロールを張りつけているだけなのですね。Windows95/98の場合には、このコントロールにサイズ制限があるので、そうなってしまう、ということでした。だから、WindowsNTのメモ帳が、仮に95/98で動いたとしても、やっぱりそう言う制限は残ってしまうだろう、というお話でした。
あと、メモ帳でキーボードからファイルの保存をする方法、というのについても情報をいただきました。「Alt」→「F」→「S」です。これは、私も試してみたことがあるのですけど、今使っているノートパソコンはAltキーが小さくて、いまいち使い勝手が悪かったので止めてしまいました。

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