エンジン始動中ゴンゴン音がして室内にも響くような音。



エンジンを始動して室内に左助手席側の方からコンコンコンと規則的に音が聞こえる場合があります。

普段から車を使用していると耳が馴染んでしまってユーザー側からはあまり気にならないようになってし
まう音なのですが音がひどくなってくると明らかに他の車のエンジン音と比較すると怪しい?と思う頃に
はかなり症状が進んでいます。

この音の場合、エンジンのクランクシャフトのメタルを軽く焼き付かせたりした時の音と比較的、似ていま
すがほとんどの場合が下記の理由によるものです。

ボンネットを開けて、向かって右側にディストリビューター「エンジンの左後ろに付いているオレンジ色の点
火コードのついている所です。」付近から規則正しくゴンゴンゴンやコンコンコンていう感じで重い響くような
音がしている筈ですがこのEA82エンジンは点火の信号及び配電をディストリビューターによって取り出し供
給しています。

このディストリビューターの駆動が左バンクのカムシャフトにより行われ、カムシャフト自体がタイミングベル
トにより駆動されこちらのバンクのタイミングベルトはオイルポンプの駆動と合わせてかなりつらいものがあ
りベルト自体がたるみやすく音が発生します。

これはカムシャフト自体は常にスムーズに回されている分けではなくバルブスプリングの張力による作用で
コクン、コクンとこだわるような感じで回され、その時のコクンとした時の一瞬の遊びによる変動がディストリ
ビューターを駆動するギヤとの不和で規則的にゴンゴンゴンと言った音に聞こえます。

幸い、この音が出てきたらタイミングベルトが伸びてきている目安ともなり整備しなければという気にもさせて
くれると思います。

こういう音が出ている時に発信源のディストリビューターを乾いた手で触ると音と併せた振動が伝わってきま
すので確認はしやすいですね。

激注:湿った手や塗れている手で触るとミスターマリックの世界になります。

 

対処方はベルトの張りを適正にしてやれば解消しますが中古車で入手した場合は前回の交換から何キロ走
行しているか不明な場合が多く、仮に張りを調整しても弱っているベルトに無理がかかりベルトの歯が飛んだ
りするトラブルも考えられます。


あっさりとタイミングベルトを交換して定期的に張りを調整してやるのがベストだと思われます。


ちなみに右側バンクのベルトはカムシャフト駆動だけですので緩みは発生しにくいのですが少なからず緩み
は出るみたいです。


これはエンジンがアルミということもあるのですがクランクシャフトからクランクケース、シリンダヘッド、カムケ
ースとエンジン分割が3分割になりそれぞれの膨張、収縮が原因でしょう。


ちなみに6気筒モデルのVXでは4気筒モデルの反省からか左バンクのみに自動テンショナーが装着されて
ベルト幅もかなり大きくなっていますが右側バンクは従来と同じく手動による調整式です。

調整方法ですが、これは個人レベルでも可能ですが、作業手順としてタイミングベルトカバーのカムシャフト
側が左右それぞれ単独で外れるようになっていますのでカバーを外します。

真ん中側のカバーに楕円形のゴムカバーが装着してありますがこれを外して、奥にあるテンショナーの取り
付けボルトをそれぞれ緩めて、カムシャフトにトルクレンチでテンション「ベルトが張る方向」をかけて先ほど
緩めておいたテンショナーのボルトを締め付けて終わりなのですがベルトを張る方向とテンショナーボルトの
緩め具合とカムシャフトにテンションをかける特殊工具が必要なのでディーラーでの作業が最も安心です。

他の町工場でも出来ない事はないですが、かけるトルクが適正でないとベルトの寿命に関係したり、反対に
トルクをかけすぎるとベルトが空気を圧縮する変な音が出ますので注意が必要であります。

ベルトの調整作業自体は30分もかからずに出来る作業ですのでディーラーでのクイック作業もOKだと思い
ますので、音が気になる方は一回調整されたらいいですね。

その時にベルトカバーを一部、外しますのでベルトの劣化も判定できますのでお勧めです。


タイミングベルトとその周辺の部品を交換して後のユーザーのコメントです。

神戸在住の加藤 裕太様  AX-4 VS 3AT
 
消耗している部分の整備と、車検を代行してもらいVSがすっきりしました。
タイミングベルトの交換では、エンジンの音が変化して静かになりました。
VSはこれまで指摘があったゴンゴン音と、シュシュ音がしていました。

こんな異音をさせたまま2年も乗っていて、「これが BOXER4 か」などと思っていました。

うーん、恥ずかしい:p これで本来の音を楽しむことができます。




名古屋在住の堀 純二 様  AX-7  VR  3AT

NewVRですが,すばらしい仕上がりになってました。まずエンジンが静かになりました。
(隣の父もそう言ってました)メーターよりカシャサシャなってた音は70km/h までは消えてましたが,
それ以上になると音が鳴ります。それでも,以前に比べれば格段に静かになってますし普段乗るぶ
んには全く気にならないです。



上記の2人はXAVIの前ML立ち上げ当時、京都へ修理に来られてその時にタイミングベルトやテンショナ
ー系、オイルシールを交換いたしました。


メールの内容の一部を抜粋して掲載致しました。良きアルシオーネライフを!!


もし、ベルト調整の折りに奮起してやってしまいたい推奨交換部品です。

13160 AA010 タイミングベルト左側とコーションラベルのセット ¥5680 VS、VR
13160 AA000 タイミングベルト右側とコーションラベルのセット ¥3860 VS、VR
13070 AA001 タイミングベルトを張るテンショナー ¥2320 VS、VR
13071 AA002 タイミングベルトを張るテンショナーNO2 ¥2320 VS、VR
13073 AA000 タイミングベルトのアイドラープーリー ¥1930 VS、VR

VS、VRですと上記の部品交換は最低やっておきたい所です。
もしカムシャフト付近からオイルが滲んでいたりしたらついでにシール関係もやっておけば
不意のエンストからは10歩後退出来ます。

 

13160 AA030 タイミングベルト左側 ¥5770  VX
13160 AA020 タイミングベルト右側 ¥3810  VX
13068 AA030 タイミングベルト自動テンショナー ¥4400  VX
13070 AA010 タイミングベルトテンショナー右 ¥3960  VX
13069 AA000 タイミングベルトテンショナー左 ¥4920  VX
13073 AA040 タイミングベルトアイドラプーリーLH1 ¥4490  VX
13073 AA020 タイミングベルトアイドラプーリーLH2 ¥4170  VX

VXの場合、自動テンショナーの効果でベルトが滑ったとか切れたとかというトラブル
はVS、VRと比べるとほとんど無いですが転ばぬ先の杖でやっておいた方が心理的
にも安心です。


ポイント

筆者は部品交換を奨励していますがスバル純正パーツの回し者でも何でもありません。

鬼門となる箇所のパーツは壊れる前に交換しておけば不意の出費を押さえる結果になる
と考えています。

家族や恋人と遠方へ行って、途中で山道の峠でもしエンジンが止まるとJAFの世話やレッ
カー車のお世話になり、精神的ダメージも大きく車に対する不信感が生まれるかもしれな
ですね。

もし、車が途中で止まる事があるならそれは車が悪いのではなく管理している側のユーザ
ーに責任が大方あると思います。

車は工業製品ですので使用しなくても劣化していくものですので、トラブルを自分の方から
遠ざける努力を怠っていてはいいカーライフを送れる事はないと思います。

努力していても実際になるものはなりますが、そういう場合は仕方ないと諦めなねければ
なりませんが、車が最低動かなくなる事は未然に防ぎたいものですので、上記に掲げた
部品は最低、交換しておいていただきたく思っています。

逆にホース系や足廻りも整備しておけば万全ですが、万が一トラブルが起きてもエンジン
さえ動けば、サービス拠点への待避は出来ますのであまり神経質に考えなくてもいいの
ですが。


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