ALCYONE LEGEND For エンジン異音編


搭載エンジンについて

 

アルシオーネの走行性能を支える基本がいわずと知れた水平対向エンジンでありますがアルシオーネVS、VR搭載のEA82型
エンジンはスバル1000のOHVから始まるスバル独自の優れたユニットでかのアルファもその模倣をした位レイアウトや整備性
に優れ当時からオールアルミで冷却性やパワー特性に優れたものでありました。


当初1000ccからスタートして時代の流れによりボアアップを繰り返しクランクケースのサイズ上92mmというシリンダー径寸法
を拡大出来ずに最終ストロークを67mmに延ばしてEA81というエンジン型式でABタイプのレオーネ1800GTS、GLTに搭載さ
れました。


ストロークアップによるパワー、トルク増大と引き替えに吹き上がりが1600のEA71と比べると若干悪くなりはしたもののボア径92
mm、ストローク67mmという基本寸法は変わらずに第2世代のタイミングベルト駆動のEA82とバトンタッチされることになりました。


このEA82エンジンは基本的にOHVのエンジン をベースにしてOHC化したものでありタイミングベルトのレイアウトや補器類等を上に
積み上げていかなければならない所がアルシオーネのスタイルにも少し関与しているものと思われます。


パワステのポンプ形状を変えて少しでもボンネットを低く出来るのもこのエンジンのおかげでもありますがプレリュードと比べるとそん
なに変わらないのですが1気筒当たりのヘッドの締め付けボルトが5本割り当てられ静粛性向上のため油圧を用いてバルブの隙間
を自動で調整する
ハイドロリックバルブラッシュアジャスター「通称HLA」の採用や高性能なEGIシステムのおかげでベースのキャブ
レターモデルで当時の規格で100PS、ターボ搭載で135PSと当時のライバルの三菱のコルディア1800GSRターボや多銘柄の
1800ccと比べても遜色ないものでした。


後ほど追加された2700のVXは6気筒で上記のEA82にそのまま2気筒分足した構成「こういうやり方は当時他銘柄では見受けられ
ずメルセデスベンツがW140型式のS600のV12を作るのに300E-24バルブの6気筒のヘッドを使い又BMWの750のV12もベン
ツ以前にスモールシックスの325iの2,5リッターエンジンの2丁がけみたいな合理的設計がありました。」で内部部品ピストン、コンロ
ッド、バルブ等ほとんどが共用されており合理性に優れた設計で独特のビートや走りをもたらしたのですが世間一般に受け入れるユー
ザーは少なくむしろアメリカで成功したモデルといえます。


ちなみにこちらのエンジン型式はER27といって150PSで重量も1300キロと肥大し1800モデルで感じる軽快感は薄れむしろ排気量
にまかせた高速ツーリングが得意なSVXの前身モデルといえます。


しかし、財政的にあまり良くなかった当時のスバルではよくやったと思います。


エンジンの改良やマネージメントの変更等大きく分けて前期物、後期物と大別できますがこれ以降はレガシィ搭載のEJ20やSVXのEG33
にバトンタッチされオールニューレオーネ、アルシオーネと一世代で使命を終えたEA82とER27はスバルではつなぎ的な役目「メーカーは
そういうつもりはないと思いますが結果的にね。」して開発生産されレオーネの生産終了とともに幕を降ろしました。


しかし基本的にタイミングベルト廻りのトラブル「ベルトのたるみによる異音」はありましたがエンジン本体に関する致命的な欠陥は皆無で
した。

トヨタの1G系に見られるカムシャフトホルダーの虫食いによる異音やメタル系の弱さは主力エンジンにしてはお粗末といえますがこの辺り
はオーナーのオイル管理にもよりますが多銘柄の車を修理していて感じる所であります。


エンジンを単体で見たときにそのコンパクトさやスタイルは当時のデザインされたカムカバーを持つ他銘柄のエンジンと比較しても十分に鑑
賞に耐えうるかっこよさです。


べたーとしてこれぞ水平対向だといわんばかりです。現在のレガシィのエンジンは頭でっかちな感じであまりフラット4という感じは伝わってこ
ないのですがポルシェの911のSOHCの水平対向エンジンに通ずるものが外観を通して感じ取れるそんなエンジンです。


車を所有していて出くわすトラブルの代表的な物として異音があげられます。

エンジンを構成している部品単品「ベアリングやポンプ等」からの音や内部パーツの音など、千差万別でありますが基本的に
EA82,ER27はオイルと水の管理さえきっちりと行っていればエンジン本体からのトラブルはありません。

しかし、ベルトのアイドラープーリーやウォーターポンプ等は定期的にグリスアップする箇所がないのとやチェック時の判定が
難しい所もあり、点検時や何かの整備時についでに交換していけばいいのですが経済的事情もあり、頻繁に出来るものでは
ないので音が出た場合の対処法を簡潔にまとめてみました。

尚、車によっては固有の差があり該当しない場合がありますがご容赦下さい。






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