ALCYONE LEGEND For 239馬力への挑戦Vol 02


まず、ターボチャージャーの選定ですが上記画像は西ドイツのKKKというメーカーのK-27というタービンです。

日本ではBLITZ「ブリッツ」という会社が取り扱っていますが、現在市販車で使用している車種は少なく一昔前ならポルシェ、
フェラーリ、BMW等のヨーロッパのメーカーはほとんど採用していましたが現在はほとんどがIHI「石川島播磨重工業」のター
ビンを採用するメーカーが多く、スバルも昔からIHIのタービンを採用しています。

タービンといっても色々なメーカーがあり有名な所ではアメリカのギャレットが有名でニッサンが国産で初めてターボエンジン
を市販した時のタービンに採用していますが特にT3というタービンは当時、チューンナップ用のタービンとして一世を風靡しま
した。

日本ではIHI、三菱重工業、日立製作所がありますが特にIHIはホンダがF−1のターボカーに採用していた事もあり、技術的
に大きく飛躍して現在の著名なターボカーはほとんどがIHIのターボを搭載しています。

ターボのシステムは周知の通り、排気ガスでタービンホイールを回して直結されたコンプレッサーホイールで空気を圧縮して
エンジンに送り込むものですが同じメーカーのタービンでもそれこそ用途や排気量、特性に合わせて色々な種類があります。

特にA/R「エーバイアール」と呼ばれるターボの特性を決定づける有名な言葉があります。

上記画像では理解しやすいように吸気側に注釈を付けていますが本来は排気側のタービンハウングのスクロール部「排気ガ
スの流入する通路」に適用されます。

Rはシャフト中心からの距離、Aはスクロール最狭部断面積でAを小さくすると通路が狭くなるので排気ガスの流速が上がり
タービンの回転の立ち上がりが早くなります。

しかし、あまり小さくすると高速域でガスがふん詰まりになり排気の抵抗が大きくなるのでこのA/Rの設定はエンジンの特性
に合わせて概ね、0.48程度の物が多くチューニング用のタービンでは0,6に設けたりして高速域での性能を重視したものが多
くありますが市販の車に高速タイプの物を装着すると低速ではだらしなく高速域で元気バリバリのドッカンターボになってしま
いますので、この当たりの設定を使用する用途によって決めます。


隣にあるのはインプレッサのWRXのものですがK−27は2サイズ位大きなタービンです。

エンジンの排気量に合ったタービンを選択しますがパソコン上でも能力の低いCPUに重いソフトウェアを動かすと遅くて
実用にならないケースが多々ありますがターボでも同じで小さい排気量でも大きなタービンを回す事はできますが加給
されるまでのタイムラグが大きすぎて扱いにくいエンジンとなってしまいます。

このK-27タービンは主に3リッター級のエンジンに採用されている例が多く、BMWの745iというサルーンが3,2リッタ
ーの直列6気筒に採用しています。

VXの2700ccの排気量で回せるかどうかはエキゾーストマニホールドのパイプ径を工夫したりすれば可能ではと思い
ながら思案しています。


吸気側と排気側ですが排気側画像で黄色枠で囲んでいる部分はIHIのタービンの加給圧をコントロールする部分です。

一般的な市販車のタービンでは加給圧のコントロールをタービンと一体になったアクチュエーターが作動して一定の圧
に達すると排気側に設けられた蓋「スウィングバルブ」が開き流入する排気ガスの量をコントロールして加給圧を一定に
保ちます。

KKKのタービンはWRX用みたいなスウィングバルブは付いておらず、別に独立した専用の機構で加給圧をコントロール
するのですが、メンテナンスの容易さやコストの問題でほとんどのタービンはWRXみたいな一体のものが採用されてい
ます。


WRX用と比較するとKー27のタービンホイールの大きさがいかに大きく、大容量なものであるのが理解できます。

右側はKー27の弟分みたいな感じのK−24というタイプですがこちらは比較的小さなタービンで1300ccから180
0cc迄の排気量帯をカバーする容量を持っています。


K−24とWRX用の比較ですがこのKー24を使用するなら方バンクに一基づつのツウィンターボが理想的な感じなの
ですがXVの排気ポートのレイアウトを考えると?てな感じでありますが、点火順序からくる排気ガスの流れを無視すれ
ば可能とは思われます。


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