キャニオンランズ国立公園

アーチーズ国立公園 Arches National Park は米国の国立公園の中でも最もポピュラーなものの一つだが、同じユタ州モアブ Moab をゲート・シティーとするキャニオンランズ国立公園 Canyonlands National Park は訪れる人が少ない。　日本語のガイドブックにこの公園の記載があっても、4WDによるオフロード・ドライブなどに焦点が当たっている。　かく言う私も前回訪れることの出来なかったアーチーズのデリケート・アーチに行くついでに、キャニオンランズとはどんな所かいっぺん行ってみようといった軽い気持ちで２００３年９月に初めて訪れた。
なんと、ここはアーチーズに勝るとも劣らないすばらしい国立公園であった。　ただし車でビュー・ポイントをまわり、短いトレイルを歩いてみるだけではそのすばらしさの1％も理解できないだろう。　そのような方がこの地を訪れるのは時間の無駄と言って過言ではない。　アーチーズに集中すべきだろう。

もくじ
アイランド・イン・ザ・スカイ	ザ・メイズ
ザ・ニードルス

キャニオンランズはモアブの南西、南南西に流れるコロラド川 Colorado River と南南東に流れるグリーン・リバー Green River が合流する場所に広がる。　そしてその流れによって、モアブからアクセスの良いアイランド・イン・ザ・スカイ Island in the Sky、モンティチェッロ Monticello 近くから入るザ・ニードルス The Needles、そしてなんともアクセスの悪い西側のザ・メイズ The Maze に分断されている。　メイズはグレン・キャニオン・ナショナル・レクレーション・エリアにその西側で隣接している。
キャニオンランズは1964年に国立公園に指定された。　現在その広さは387,598エーカー、アーチーズが76,519エーカーであるので約5倍、2002年度入園者総数は366,861人とアーチーズ761,861人の約半分である。
今回はザ・ニードルスとアイランド・イン・ザ・スカイのみ訪れたが、日本語ガイド・ブックに「景観を楽しむだけならそれぞれ半日あれば十分。」との記述を信じてしまい、特にアイランド・イン・ザ・スカイについてはぜひ歩いてみるべきトレイルを歩く時間が無かった。　この２つの地域についてはそのすばらしさを理解するためにはいづれも最低丸１日は必要とするであろう。　すばらしい景観を見るためにはかなり長時間のハイキングが要求される。　それらのトレイルを歩くにはトレイルを示す石積みが頼りで、その石積みが見つけづらい場合も多い。　水や食料等の装備に気をつけると共に、一人でそれらのトレイルに入らないことが肝心だ。
丸1日使ってもアイランド・イン・ザ・スカイのハイライトであるモニュメント・ベイスン Monument Basin やニードルスの南の地域を見てみることはできない。　これらの地域を見て回る場合には園内でキャンプをする必要がある。　公園内で宿泊する場合には事前にバックカントリー・パーミッツを取っておく必要がある。　またニードルスの日帰りの四輪駆動車の乗り入れについてもパーミッツが必要である。

公園内の気候

砂漠気候であるため夏は暑さが厳しく、冬はかなり冷え込む。　サンダー・ストームは夏の終わりから秋の初めに多い。　雷は大変恐ろしい。　稲光を見たら速やかに見晴らしの良い場所から離れ、車に戻り窓を閉じる。　冬には降雪もある。

気温（摂氏）
	日中		夜間
	最高	最低	最高	最低
夏	38	27	16	10
春・秋	27	16	10	-7
冬	10	-1	-7	-18

旅のヒント

入園料は車両1台あたり＄10.00。　もちろんナショナル・パーク・パスが使える。
公園内には宿泊施設は全く無いのでモアブまたはモンティチェッロ近辺で宿泊するか、園内でのキャンプと言うことになる。
食料品を販売する施設は園内には無いので、水、食料などは必ずゲート・シティーのスーパー・マーケット等で調達しておくこと。
また公園へのアプローチはエリアごとに異なるので、各エリアのページ参照のこと。

旅行日　　　2003年9月18日午後（ザ・ニードルス）および19日午前（アイランド・イン・ザ・スカイ）