愚行連鎖 続々:高きゃいいってもんでは…

GB楽器博物館

その他の楽器類/ウクレレ:9

廉価ウクレレの研究:3(第一期1諭吉プロジェクトひとまず完了)

お約束の紫檀突板製ピックガードも装着。

Alamoana UKC400 GB Special



Ala moana UKC400 単板の証、側板の木目と、サウンドホールの切り口。

…ではあるが、廉価版のウクレレは大抵そうなのだが、サウンドホールは切りっぱなしである。
気になるのでちゃんと丸めてみた。
もう少し手を入れて、サウンドホール廻りの表板を少し薄くしてやればもっと鳴るかも知れない。

Ala moana UKC400 多分、ブリッジはローズウッド。
カタログ写真では弦止めの部分にクラシックギターに良くある寄木風飾りが付いていたが、この楽器にはなかった。
逆に個人的にはこの方がシンプルで好ましいと思う。

…のだが、実に綺麗な仕上がりで平滑だし、磨き出しも美しい指板に比べると、かなりぞんざい。
(フレット端の処理はきちんと成されており、手を入れる必要はない。)
こっちも気になったので、クラシックギターに良くある仕上げに削り直して磨き出し。

Bellcat Guitar Tranceduser なんて事をしてたら、道具箱から…

エンドピンがごっつくて嫌だな、これ。
外締め式のエンドピンジャックが欲しくて、仕事帰りに、新宿と池袋の楽器屋を廻ったが、どこにもなかった…

HOSCOのが良さそうなんだけどなぁ…
ツーハンじゃ送料の方が高く付きそうだし。


象牙 今回は一寸高めのサドルとナット溝を敢えていじらないで、ガンガン弾いている。
気合い入った楽器にしてみたいと。
暫く鳴らして…

隠し持ったるご禁制の品…
(嘘です、ちゃんと購入証明とられてます)

象さんである。
これをプラスティック・ナット & サドルと交換してみようと言うわけである。

ナット&サドル 着手すれば1時間程度の作業なのだが…なかなか、ね。

ギターに使えそうな大型のモノはもったいないのではじいて、ウクレレに適したサイズと目を選び出す。
(そう、まだこの3倍位ストックあります)

この辺ドンピシャで使えそう。

切り出して、削り込んで、磨きを入れて…

装着。

ふむ…
気分的にはなかなか。
音は…

落ちついたような気もするが…
まぁ、こう言うのは精神衛生の観点が大きいのであって…

外締め式ジャック 次の予定は電気仕掛け。
外締め式のジャック、L.R.BAGGS純正のがお安くて良いとのことで発注したのだが、納品までに半月以上掛かりそう。

続く…



10年ほど前にも、拙サイト“愚行連鎖”で…

廉いギターは合板で鳴りが悪い (でも弾きこめばそれなりに良い音は出てくる。単板は良いに決まっているが合板だから品質が低劣とは一概に決め付けられない)以前にこのチューニングペグの悪さが大問題である。
入門用ギターを買って練習を開始した初心者が、調弦を上手く出来ないでつまづくのは、なにも耳が悪いからではなく、ペグの品質にも責任があるのではないだろうか。

と書いている。

更にギターの場合、このペグ一つで楽器の音はかなり変化する。
もちろんチューニングが決まるのは気持ちいいが、音もしっかり落ち着いてきちんと出るようになるのだ。
廉価な模造品などの精度が低いモノでは不要な共振、逆にペグのガタの為の振動の阻害が出てしまうのである。

楽器本体の価格付けにおいて、一番手っ取り早いコストダウンは「外注部品」の価格制御なのであろう。
木製生楽器の場合、つまりは、ペグと言うハードウエアと言うことになる。

こと、ウクレレに関しては、伝統的に機械機構を持たない摩擦式のペグが一般的なので、この部分でのコストダウンはかなり大きなモノとなるのであろう。

現在、ウクレレは実売千円台から、オーダー数十万円まであるが、高額なモノはともかく、廉価版のウクレレでは、このペグを交換調整するだけでも、充分に「楽器として通用するモノ」があるのだ。

それ以前に「きちんと音程が取れること」と言う条件はあるのだが…
あの、オータサンが雑誌のインタビューで
「フレットと音程さえきちんとしてれば(自分はラインで音を出すので)音色はどちらでも良い。」
と語っているのを読んだことがある。
つまり、ウクレレとはそう言うモノなのかも知れない。

ペグ各種 写真
左:左から
  30年ほど前のFamousのペグ
  1,980円ウクレレに付いていたペグ
  Grover Delux 85B
  Gotoh uka4b
  Gotoh ukb
  Grover Champion 3W(のコピー)



Aquila Nylgut Aquila Nylgutを張ってみた。
イタリア製不透明乳白色の“人造ガット”弦、NYLGUT。
楽器を選びそうだし、好みは別れるだろうが、私は嫌いではない。
この楽器には当たりだったようだ。

弦のページでも書いたが、Soprano/RegulerとConcertのセットは数百円の価格差がある。
ところが、Soprano/Regulerのセットでも弦の長さは620mm程あるのでサドル側クラシック結びで弦長380mmのConcertでもかなりの余裕を持って張ることが出来る。
テンションを稼ぐためにかなりたくさんポストに巻いてもこの程度余る。
弦長400mm程度の楽器なら高いConcert用セットを買う必要はない。
(ちなみに、Concertのパッケージには760mm程の弦がセットされている。)


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