愚行連鎖 続々々:高きゃいいってもんでは…

GB楽器博物館

その他の楽器類/ウクレレ:10

廉価ウクレレの研究:4(第二期1諭吉プロジェクト発動)

Alamoana UK260P,260,360

何が悔しいって、前回のプロジェクトでは「一諭吉」を標榜しながら、調子に乗って、なんだかんだで二諭吉近く出費してしまったこと。
一諭吉以内で「使える楽器」を何とかしないことには収まりがつかない。

で…
合板の楽器が悪いとは決して言わない。
きちんと意図を持って合板で作られた楽器は、ポリシーのない単に単板であると言うだけの楽器に劣ることはない。

が…
安物の場合、「単に材料単価を下げる」為だけに安い合板が使われることが殆ど。
だったら、安物ほど単板に拘るべきであろう。

そこで再度、中華ウクレレ“Alamoana”である。
このブランド、信じられない価格帯から単板楽器をリリースしている。
ソプラノ/スタンダードでは写真の3機種がマホガニー単板である。
そして、いずれも一諭吉でお釣り。

写真は左からお値段の安い順番。
パイナップル型と真ん中のはくびれてるかいないかだけの違い。(価格差500円)
右のは一寸デザイン違い、フレット数が多く、ボディとヘッドに白と模造貝のバインディングが入っている分高い。

Ala moana UK260P 今回は実験の意味もあり、実売が一番安いパイナップル型にしてみた。
(実は、単純にパイナップル型が欲しかった、とも言う…)

Grover Champion 3W 結論。
付属のソフトケース(と呼んで良いのか?これ)は、無いよりマシの袋、本当のオマケと思うべし。
例によってペグはかなり苦しい。我慢の限界ギリギリである。

そして、楽器木部本体は…
嘘だろ、これ、と言う位綺麗な作り。
指板周り、ブリッジなど、言うことはない。
音程もそこらの外れのハワイ製よりもまともな位。
ストックのママでは少々弦高が高いが、このまま弾けないレベルではない。
出音も悪くない。

これでネットショップなら実売6,000円程度。

充分に「楽器として使える」のであった。

もちろん、私のことであるから、既にかなり手が入ってはいるが…

当然、調整編へ To be Continued...

一諭吉ウクレレ“Alamoana UK260P”検証プロジェクト調整編

ネットショップ実売6,000円で、そのまま充分に「楽器として使える」ブツではあるが…

もちろん、私のことであるから、手を入れないと、自分が、と言うよりも愚行連鎖をお読みの皆さんが納得しないであろう。

Ala moana UK260P 当然、ペグは交換。
今回はあくまでも一諭吉精神に則り、Gotoh製でもロワークラスのUKBを装着。
但し、このUK260PもオリジナルのGroverモドキのブッシュサイズが8mmφあるので、ブッシュサイズ7.6mmφのGotoh UKBは穴詰めをしないと装着出来ない。
穴詰めが面倒な方は予算は4倍になってしまうが、より高性能なGotoh製UKAをお奨めする。
(4倍出しても後悔はしないはず…)

Ala moana UK260P


音には関係ないが…
指板末端が切りっぱなしでみっともないので、斜め落とし加工。
ボディエッジが腕に当たって痛いので面取り加工。

Ala moana UK260P


と…この辺りで充分に戦闘力が増したので止めておくつもりだったが…

Ala moana UK260P つい、また象さんを削ってナット・サドルを作ってしまった。
(一瞬、黒檀とどっちにしようか迷ったのだが…やっぱり象さん)
ナットの方だが、今回は思うところあって、1.4弦弦溝を弦1本分内側に寄せてみた。
ハワイ製のウクレレを見ると、どれも弦と指板端の距離が広いのである。
聞くところに寄ると、ハワイ人のストロークは強いので弦と指板端の余裕がないと、特に1弦が弦落ちするのだそうだ。


これは正解。
ストロークプレイで弦とフレット端が当たって出るノイズが激減。

もう一つ…

Alamoana UKC400 GB Special


一諭吉1号--UKC400、象牙ナット・サドルに交換してAquila弦に張り替えてチューニングして数日放置したら…
化けた…
楽器いじりの後は触った部分が馴染まないウチは結果が出ないモノだが…
それにしても楽器がこんなに大化けしたのは初めてだ!

これはAquila弦の特性もあるのだろうが…
(ウクレレはギターなどよりももっと如実に弦のキャラクターで音に差が出るようだ)
ナットと弦の接点を出来るだけ小さくとるような削り方をしたことが効果を及ぼしているようだ。
このUK260Pも同じように弦接点を小さくナットを作ったら、音量が増大し、音像がはっきりした。
要するに、弦の振動を出来るだけ自由にしてやればいいのだな…

良いぞぉ!
もう、5万も6万もするウクレレなんざ、要らないぞっ!(私は…)

つぅことは…このパイナップルも育つのか?

Ala moana UK260P GB Special [一諭吉2号中間報告]

本体:6,300円(税込)
Gotoh UKBペグ:1,090円(税込)
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合計:7,390円

これに“かなりちゃんとしたケース”MARUEのSTEADYソフトケース(黒:花柄やデニムはちょいと高い)を買っても2,000円前後。
もっとくっきりデカい音が欲しければAquila弦が1,000円一寸。

いかが?
一諭吉以内で充分に戦闘力のあるウクレレは買えるのであった。


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