道具箱に眠っていたコンタクトピックアップ。
古いタイプで、エンドピンがごっつくて、一寸これを使うのは嫌だった。
発注していた外締め式のエンドピンジャックが届いたので早速半田付け交換。
さて、これで楽器のケツに穴を開けるわけだが…
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このAlamoanaと言うメーカーの単板楽器、単板というと本当に単板で、通常は左右対称に二枚を張り合わせ、尻の部分に継ぎ目があるのが普通だが、側板さえも、一枚板をくるっと丸めて工作してある。
なかなか綺麗な尻である。
(センターを出すのが面倒)
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木工ドリルを電動でガガっと行ってしまえば速いのだが…
様子を見ながらゆっくり手開けした方が安全なので手回し錐を買ってきた。
更に、秘密のお道具箱をごそごそすると…
こんなのが出てきた。
モノはピックアップマイク 吸盤タイプ STM10。
最近は本体にクリップ・ピックアップが付いたチューナーが増えたので、使う人が少なくなったのか、お店で目にすることが減ってしまった。
どうしても楽器に跡が付くしね。
ピックアップマイク クリップタイプ STM20の方でウクレレ・ピックアップを自作している人は結構いるらしい。
クリップタイプだと本体をちょん切ってピックアップ部分を剥き出しにしなければならないし、吸盤式の倍のお値段。(吸盤PUは実売数百円)
ちょいとこの吸盤をバラしてみた。
何年も前に買った物なので内部でユニットと吸盤を固定している両面テープが溶けてベタベタになっているが、中身は実にシンプル。
吸盤とプラスティックのガワを外してテストしてみた。
これが…
かなり行けるんだわ。出力も大きいし。
使おうと思って取っておいたBellcatの貼り付けピエゾよりも良いかも知れない。
エンドピンジャックと組み合わせても2,000円以内。
一諭吉と二諭吉、どっちにどっちを使おうか迷っていたのも作業が遅れた原因。
わざわざこんな加工(分解)をするなら、150円前後で売っているんだし、秋葉原でピエゾ振動子を買って来た方が良いと言う御意見もあった。
勿論それは考えた。
しかし、道具箱に、もう使うつもりが無いこいつがいたわけで。
秋葉へは定期がないので往復300円ちょいかかるし、行って帰ったら2時間じゃ済まないし。
その上、折角行ったのにピエゾ1個だけ買って帰ってくるとは到底思えないし。
それから、こういう「アリモノ」を使おうと思ったのは、ピエゾ素子だけを買うと言うことは一般人には難しいからである。
誰でもが出来そうなところで、と言うのも一つの方向性なのだ。
これなら、楽器屋に行ったことがある人なら誰でも買える。
実は、クリップタイプのマイクをバラして使おう、と言う書籍記事を読んで、そんな高いモノを結構面倒な分解作業までして使わなくても、同じルートでもっと安くて簡単なのがあるだろ?
と、思ったわけなのだ。
こんなページを見つけた。
そう、貼りピエゾで気になるのはハイ上がりとボディからのノイズ拾いなのだ。
ハイ上がりは、どちらにせよ、現状の使用環境ではアンプ直結は余り考えられないので補正はいくらでも効くが…
ノイズはなぁ…
これも面白い。
ピエゾ素子は安く入手しようと思うと、やはり数をまとめないと駄目なようである。
1袋(40個入)1,600円(税込)…一ヶ40円也…
でも、40個も要らねぇし…
東急ハンズ辺りで数百円、かな?1個。
ならば、チューナー用の吸盤マイクはそれほどお高くはないと言うことになる。
その気になれば、ほんの数十分の作業なのに、腰がなかなか上がらなかった、諭吉1号、2号共にケツの穴開け敢行。
前述しているが、この楽器、どちらも単板と言ったら本当に単板で、表板も裏板も全くの一枚板。
側板も普通は左右一枚ずつを対称に合わせて作ることが多いのだが、これは全くの一枚の板をくるりと丸めて作ってある。
何が面倒って、お尻に開ける穴のセンター出し。
これさえ出てしまえばあとは下穴を開けて、ゆっくりと手回しで12φの穴を開けるだけ。
結局、吸盤マイクの中身はピーキーなパイナップルに、楽器用貼り付けピエゾは落ちついた音色のコンサートに装着することに決定。
パイナップル型の方は表板、サウンドホールとブリッジの中間辺り、ギリギリ側板に寄せて装着。
コンサートの方はブリッジ中心真下。
で…
音的にはなかなか正解だったのだが…
古い貼りピエゾが、ピエゾ付近でどうもリークしているようだ。
ブーンというハムノイズが大きい。
テストの時は接着を使わず指で押しつけて場所を決めたので人体アースでノイズが出ず、異常が発見できなかったのであった。
実際に取り付けると、完全にアース不良。
ジャック部分の半田が不良なのかと、一旦バラして付け替えてみたりしたが、外れ…
サウンドホールから手を突っ込んでPU本体に触ると、あるいはエンドピンに触るとノイズが消える…
明らかにアースがおかしい。
やっぱりジャンク部品は駄目かぁ…
さて、どうしたモノか…