愚行連鎖 Recently My favorite things.


番外編:BIG BAND FESTIVAL 2005

日比谷公会堂


2005都民芸術フェスティバルの一環、BIG BAND FESTIVAL 2005
に行ってきた。
2005.2.11.於:日比谷公会堂

日比谷公会堂 BIG BANDがまだ活動している事自体が感動的ではあるが、これだけ豪華なメンバーを一堂に会し、その上、入れ物そのものが優れた楽器とも言える「日比谷公会堂」で聴けるなんて、なんと贅沢な事なのだろうか。

BIG BAND JAZZは昨今復調の兆しがあるようで、喜ばしい事である。
まぁ、この辺りが引き金になってはいるのだろうけれど…


女子高生のにわかBIG BANDも、お話としては楽しいし、映画もなかなか面白かったが、音楽そのものは多少なりとも欲求不満を残さざるを得ない物である。
もっとも、あの映画は“余り上手くない”からこそ共感を呼ぶし、お話としても面白いのだが。

日比谷公会堂 出演者は
奥田宗弘Jrブルースカイ
森寿男とブルーコーツ With 森サカエ(Vo.)
宮間利之とニューハード With 細川綾子(Vo.)
原信夫とシャープス&フラッツ With ペギー葉山(Vo.)

豪華である、形容しがたい位。
にわか仕込みのアンサンブルとは次元が違う。
それ以上に、素晴らしい音響特性のこの箱で聴けるとは…



日比谷公会堂 日比谷公会堂は通常、クラシック系以外には余り使わせないようだが、今回の催しはこの入れ物の魅力もある。
ジャズとはいえ、クラシックと違ってこのサイズの箱ではP.A.を必須とするが、流石にこのレベルのバンドだと、音響技術者の腕も良い。
通常、進行は押せ押せになりがちなのだが、もう、ほぼ時間内。
セッティングが大変なビッグバンドの入れ替わりを10分以内で済ませるのも又技術。
3時間45分にも及ぶ長丁場だったが、とにかく素晴らしいの一語に尽きるのであった。


日比谷公会堂 前述、映画“スウィングガールズ”のヒットで若年層にもスウィングジャズの面白さが伝わったようだが(事実、サントラは大変な売れ行きだったそうだ)、ご覧のように、入場者の殆どは髪の毛が不自由になってしまった年代。私辺りでは本当に場違いな子供に見えるような…非常に年齢層の高い聴衆であった。
この写真は開演20分程前であるが、開演時には殆ど空き席が見えない満員御礼状態の、昔の若者達で埋め尽くされてしまったのである。
開演直前まで聴衆が場内を右往左往していたのは、この会場が非常に傾斜がきつい階段状客席で、その斜面を登り切るのが辛い年齢層が多かったから、のようである…


一つヲタク的観点で気づいた事…
4バンドとも基本編成は、Tp.×4、Tb.×4、Sax×5にPf.、Ds.、Bassのリズム隊、ニューハードとシャープス&フラッツはこれにギターが入るというお約束通りのメンバー。
ニューハードがFender Bassを使っていたのが少々趣に欠けるが…
BIG BANDの楽器編成数、およびメンバー配置は、P.A.等という物が存在しなかった発祥当時に各楽器の音量差を解消し、聴感上のバランスをも考えた完成された物であり、今回も各バンドとも、もちろんそれに倣っている。
>参考:ジャズオーケストラの配置
面白いのは各バンドの音楽的バランスの違いなのだ。
このクラスになれば、各メンバーの力量差は殆ど差がないはずなのだが、バンド全体のバランスが全く異なるのだ。
エレキベースを使ったニューハードは別としても、シャープス&フラットの音楽的バランスがぬきんでて優れていたように、私は感じた。
セッティングの違いなのか…どうなのだろう?
もちろんテクニックの問題ではない。
音響技術は全バンド同じ人が行っていたはずなのだが…
不思議だ。
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