セロとバス
オケコン!/オルケストラ・ド・コントラバス
Musiques de l'homme/I' Orchestre de Contrebasses
前々から気にはなっていたが、なんだか、とんでもないものを聴いてしまった…
クラシック系のコントラバス弾きの間では非常に有名なグループらしい。
- Six a' sept:6と7
- L'effet Sonore:レフェ・ソノール
- Celtic Dream:ケルトの夢
- Rom roum:ロム・ルム
- La Plume:道化師
- Le retour de Rahan:原始人の帰還
- La quete de L'autre:ひと探し
- Les raisind de la grand-mere:おばあさんの怒りのブドウ
- Baignade d'un ane au claire de lune:月夜のロバの水浴び
- Dors Adele:アデーレの子守歌
- Workshop:ワークショップ
- Anohini Kaeritai:あの日にかえりたい(日本盤のみ)
Recorded in 2003
Chiristian Gentete
Xavier Lugue'
Olivier Moret
Etienne Roumanet
Yves Torchinsky
Jean-Philippe Viret
(もちろん、全員コントラバス…)
1981年に結成された、画期的なコントラバスのアンサンブル「オルケストラ・ド・コントラバス(通称:オケコン)」。
本作は全曲、メンバーによるオリジナル。
原題の“Musiques de l'homme”はヒューマン・ミュージックである。
「コントラバスの既成概念を覆す衝撃作」という煽りもあながち大袈裟ではない。
なにせ、他の国内版のタイトルに“あぶないコントラバス”なんてのもある位である。
主にクラシックを背景にしたフランス人のコントラバス奏者6人のグループである。
そして、最高傑作の呼び名もたかい本作はなんと6枚目だそうである。
本作はケルトはいるわ、ジプシー(ロマ)はいるわ、原始人はいるわ…と非常にバラエティに富んでいる。
コントラバスだけのアンサンブルは、この「オルケストラ・ド・コントラバス」が前代未聞というわけではないらしいが、結成以来、大幅なメンバー交代もなく定期的な活動を続けるグループは希有にして唯一と言うことになる。
演奏だけで交通事故現場から救急車が立ち去るところまでを再現したり、コントラバスを逆立ちさせたまま踊りながら合奏したり…とキワモノにも見えるが、そのテクニックと歌心は紛れもない本物である。
演奏も超絶技巧を駆使しているはずだが、恐らく普通に聴いていたら全く気づかないだろう。
この楽器を訳知り顔に「表現力に乏しい楽器」などと評する識者も良くいるが…
コントラバスの真の能力って、底なしなのかも知れない。
録音も、また素晴らしい!
日本盤のCDには
良い音でお楽しみください
本作品は電源、ケーブル、レーザーカッティング、プレス行程まで考慮し、細心の注意を払ってマスタリングをいたしました。CD-Rやハードディスク等のコピーでは制作者の意図するサウンドが損なわれるおそれがありますので、是非オリジナルのCDの良い音でお楽しみください。
と注意書きがある。
拍手喝采!ご立派!
買わないでコピーする奴がいるから、金を出して買う奴には、音質に問題があって、再生機器に負担をかける壊れたデータを記録したコピー困難(できちゃうけど)CDモドキを売りつけようとしてる、ドコゾのレコード会社に見せたいねぇ!
ここまで言われたら、音楽好きのプライドにかけてもコピーはできないよな…
日本盤のみのスペシャルトラックとして、ユーミンのカバー曲が入っているのが洒落が効いてていいなぁ。
ユーミンと言えば…
松野 弘明/ユーミン・コンチェルト“四季”
MAZNO meets YUMING
- 春*バイオリン協奏曲
第1楽章:緑の町に舞い降りて,他
第2楽章:ひこうき雲,他
第3楽章:あの日に帰りたい,他
- 夏*バイオリン協奏曲
第1楽章:白日夢,他
第2楽章:水平線にグレナディン,他
第3楽章:カンナ8号線,他
- 秋*バイオリン協奏曲
第1楽章:さざ波,他
第2楽章:ジャコビニ彗星,他
第3楽章:入江の午後3時,他
- 冬*バイオリン協奏曲
第1楽章:恋人がサンタクロース,他
第2楽章:冬便り
第3楽章:恋人がサンタクロース,他
発売日 1992/07/29
松野弘明(Vn.)
イギリス室内管弦楽団
一般的管弦楽合奏編成だが、こんなのもある。
松野弘明は、2歳でヴァイオリンを始め、様々なコンクールに上位入賞。1987年にサイトウ・キネン・オーケストラのヨーロッパ・ツアーに最年少メンバーとして参加。1988年、ニューイングランド音楽院に留学。在学中にもニューイングランド室内管弦楽団でコンサートマスター、ソリストとして活躍…
なんてことはどうでも良くて、休みの日の昼下がりに絞り気味の音量でこれをかけてダラダラするのは結構気持ちがよい。
ユーミンってビバルディだったんだな…
見事にバロックしている。
ベースと来たらチェロ(セロ)も紹介しておかないと…
ムーンライト・セレナーデ/ベルリンフィル12人のチェリストたち
Moonlight Serenade/Die 12 Cellisten der Berliner Philharmoniker
- Caravan:キャラヴァン
- America:アメリカ
- Nobody Knows De Trouble I've Seen:誰も知らない私の悩み
- Clap Yo' Hands:クラップ・ヨー・ハンズ
- Theme from “The Pink Panter”:ピンク・パンサーのテーマ
- Moonlight Serenade:ムーンライト・セレナーデ
- The Flower is a Key(A Rap for Mozart):ザ・フラワー・イズ・ア・キー
- Prelude No.2:プレリュードNo. 2
- Amerika 2002:アメリカ2002
- In Memoriam:イン・メモリアム
- Deep River:ディープ・リヴァー
- Ragtime:ラグタイム
- Spain:スペイン
- Round Midnight:ラウンド・ミッドナイト
- Somewhere:サムホエア(日本盤ボーナス・トラック)
Recorded 2-7 Jan. 2002,Teldex Studio , Berlin
これは新譜棚に並んでいたもの(2002年発売)を衝動ジャケ買いしてしまった一枚である。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者12人で構成されるアンサンブル。
グループ名そのまんま。
“12人”は、1966年のベルリンフィル日本公演旅行中、チェロカルテットがNHKなどで演奏したのがきっかけとなり活動を開始、1972年オーストリア放送協会の依頼により、ザルツブルクでクレンゲルの「讃歌」を演奏した際、「ベルリンフィル12人のチェリストたち」を名乗り、正式に誕生した。
曲目は非常にバラエティに富み、クラシックのみならずジャズやポップスにも及ぶ。
もちろん、クラシックの演奏家がジャズを演ってジャズバンドのようなスウィング感を醸せるわけもないし、する必要もない。
恐らく、本業(?)の管弦楽団での演奏よりもずっとリラックスしているのだろうが、それでも趣味の良い紳士が洒落たカジュアルウェアを着たような、そんな品の良い楽しさが溢れている。
演奏も専門のクラシックでないからと言って手抜きやおふざけではなく非常に真面目に、それでも楽しんでいるであろう事が録音からも解る。
本作はアメリカに縁のある音楽を集めたもので、なかなか興味深い曲目が並んでいる。
ご紹介するまでもないタイトルが並んでいるが、“アメリカ2002”という作品は9月11日のテロをモチーフとしたものだそうだ。
ちなみに、“スペイン”。どこかのCD評で恐らくジャズを聴かない方だろう、『冒頭にロドリーゴのアランフェスを持ってきたところにセンスが光る』等と書いているのを目にしたが、違うって。
原曲チック・コリアの“スペイン”が元々イントロに“アランフェス”を使うことがある(演らないこともある)のだな。
そもそも、ロドリーゴの“アランフェス”はジャズマンのお気に入り曲で、とにかくいろんなミュージシャンが取り上げているのだし。