GBのアームチェアCinema見ist:パール・ハーバー

パール・ハーバー

パール・ハーバー:Pearl Harbor

監  督 マイケル・ベイ
音  楽 ハンス・ジマー
主  演 ベン・アフレック
助  演 ジョジュ・ハートネット/ケイト・ベッキンセール
製 作 年 2001/米


公開前の予告編や評判を聞いていて、これだけは絶対に見るまいと思っていたが…
DVD投げ売りしてたから、つい買ってしまった。
まぁ、観ないで批判は出来んしな…

「飛行機ブ〜ン。以上。」

というたった一行の、感想をどこかで読んだが、まさにこの映画を一撃の下、極めて的確に表している。
この観点から見れば、この作品は思ったよりずっと面白い!アメリカ凄いねー!
まさしく、これはスターウォーズのアナザー・ストーリーだから。
だとしたら、面白くないわけはない。

スターウォーズなんだから、リアリティーなんて事も言ってはいけない。
細かいことにいちいちつっこんでるときりがない。

考証がどうの以前に、零戦の実機が飛び回る姿を見ることが出来るだけで、マニアは納得しなくてはならない。
多少なりともきちんとした映画を見たければ“トラ トラ トラ!”辺りをご覧になれば宜しい。
(しかしながらアレに出てくるのは“太陽の帝国”と同じで、似ても似つかない模造零戦。到底マニアの鑑賞には耐えないな)

ジャップの分際で、ジャップの立場で、“重箱の隅を楊枝でほじくる”ような批判をしてはイケナイのだ。
これは、亜細亜人(特に日本人)なんか、大嫌いで犬以下だと思っている無知、無教養、無神経なアメリカ人がアメリカ人のために作った国威高揚映画以外の何物でもないのだから。
(少なくともこの映画を作った方は知識階層のアメリカ人と言えん人物、もしくは極端な国粋、または黄色人種差別論者なんだろーな。)

この作品には、日本国内では賛否両論、じゃなくって否否極論の感があるが、これはあくまでも単純にアメリカ国威高揚、志願兵募集用映画なのだから、歴史考証の間違いとか軍事考証のデタラメさ、史実に対する意図的歪曲…等という些末なことに目を留めてはイケナイのである。
そもそも、アメリカ人が自国民に対する教育用として作ったプロパガンダ映画を日本に持ってきて公開することが間違いなのだ。
対象が違うのだから、内容に文句を付けるのは筋違いという物。

しかしながら、儲けに目が眩んだ業者によって公開されてしまった以上、巷に溢れる大量の批評、これだけの関心を集めた作品、その市井の評論家達の批評は読むべきであり、読む価値は充分にあるのだ。

大多数の批評は「国辱的クズ映画」と言う方向に傾いているようだが、それでも、「感動した」とか「アメリカ全然悪くないじゃん!これでは原爆落とされて当然!」等との感想も目にした。
うーん…可愛いねぇ〜素直だね〜。
(TVのCFに出てきたインタビューに答える観客…あれはやらせだよねぇ?お願い、やらせだと言って…)

確かに、アメリカ人の立場に立ってみれば、この映画には感激するかも知れない。
事実、私も後半に登場するドウリットルのあまりの格好良さに、つい騙されてしまったのだから。

そりゃ、ありゃぁ血沸き肉躍るわ。
何せ、原住民で野蛮な極悪インディアンの村を征伐して見せしめのため全滅させる凛々しい騎兵隊といっしょだしな。

作者は(日本の配給会社に対しては…)「これは恋愛映画」と言っていたらしい。
あー…何か、そう言えば、ケバイ尻軽女が優柔不断な男二人を手玉に取るみたいなエピソードがあったような…覚えてないが…


return目次へ戻る