GBのアームチェアCinema見ist:ホッタラケの島
ホッタラケの島〜遥と魔法の鏡〜
Oblivion Island HARUKA AND THE MAGIC MIRROR
監 督 佐藤信介
脚 本 安達寛高/佐藤信介
音 楽 上田禎
主題歌 スピッツ「君は太陽」
出 演 綾瀬はるか/沢城みゆき/松元環季/戸田菜穂/大森南朋/家弓家正
製 作 年 2009 日本
フジテレビ開局50周年記念作品
TV局の紐付き故、スポットCMが煩い位に流れるが、作品としては悪くない、と言うよりも上出来の部類では無かろうか。
流石夏休み、平日だというのに子供連れ、それも幼児や小学校低学年が多く、些か騒然とした劇場ではあったが、物語が進むにつれ、幼児達も引き込まれたのか静かになった。
人によって評価はかなり分かれるだろうが、3DCGの動きとキャラクターの個人的好みに左右される作品かも知れない。
2Dアニメーション美術と3DCGの融合も、それに違和感があったらもう駄目かも知れない。
最近見慣れた感もある3DCGだが、2Dとの併用はなかなか上手く行っていると思う。
同じコンピュータを駆使した映像であっても、アメリカ人が作るそれとは少々趣を異にしているのが好印象である。
Pixerのあれ、とはイメージが違うのである。
最初にジブリ作品で背景にCGを使ったモノを観た時には何とも言えない違和感を持ったし、全編バックをCDで処理した“ブレイブ・ストーリー”等は途中でもう辟易したモノだが…
上映時間1時間38分(98分)という適度な長さと、単純明快なストーリーテリングと分かり易く速度感溢れる表現が子供向けとしてはかなりの成功とも言えるだろう。
逆にそのシンプルさを「毒にも薬にもならない」とか「類型的」とか感じてしまった向きにも評価はされないだろう。
そもそも民話やらファンタジーなどと言うモノは類型的なモノなのである。
実在の場所を舞台にし、その場所が存在する入間市がバックアップしているようだが…
柳の下にトトロがいるかどうかは…
作中で「昔々、武蔵野のある村で…」と語られる場所は、埼玉県入間市にある出雲祝神社・不老川などがモデルとなっている。
確かに関東地方のどこにでもありそうな景色が展開されている。
狭山丘陵の北麓に鎮座する出雲祝神社の歴史は古く、平安時代編纂(へんさん)の『延喜式(えんぎしき)』神名帳記載の入間郡「出雲伊波比神社」に比定されているそうである。
物語のモチーフとなっている伝承(民話)の伝わる稲荷の祠も、殆ど作中で描かれるまま出雲祝神社の近くに実在する。
目次へ戻る