GBのアームチェアCinema見ist:耳をすませば

耳をすませば

耳をすませば

監  督 近藤喜文
音  楽 野見祐二
主  演 本名陽子
助  演 室井滋
製 作 年 1995
シナリオ 宮崎駿
原  作 柊あおい(集英社刊)


製作
スタジオジブリ/配給:東宝
主題歌
Take Me Home,Coutry Road/Olivia Newton-John
カントリー・ロード/本名陽子

950828 MON.
朝一で映画を見に行く。
映画館でプログラムと資料を買ったら入場料込みで4,000.もの出費になってしまった。
相変わらず全編通して“ジブリ・クオリティ”の上質で丁寧な仕事をしている。
しかし、お話そのものはまさに少女漫画まんま。父親役の立花隆がぎこちなく下手糞で、台詞の度に話の流れが中断してしまう。名物の飛びシーンは美しいが、話の流れからは取って付けたようで違和感あり。
冒頭、スポンサーである(?)コンビニが実名で描かれていたり、京玉(!)線沿線の景色が正に実写さながらだったり、主人公の住居の雑然とした散らかり方が異常に克明なリアリズムだったり、背景設定が妙に現実的ではあるが、西洋骨董屋や飛びシーンとの対比を見せるためであろうか?
風景は現実感溢れる雑然とした町を含めて極めて美しく、子供達も生き生きと描かれている。しかし、中三のガキのプロポーズは見ている方が恥ずかしい。
お話自体はさほど期待していなかったが可もなく不可もなく、どうと言う事もない。余りに日常過ぎて何だか肩すかしを食った様な気分。キャッチフレーズの「好きなひとが、できました。」を聞いた時に、何とはなしに予測は出来たのだが…
ジブリの描く「夏の日差しの元の風景」は、今回も又美しく、いつでも懐かしい気分を蘇らせる。
期待していた併映のジブリ実験劇場の短編は映像使い回しが多いがまぁまぁ。ジブリファンに対するサービスとしては上出来の部類。

観客について。オバさん達は、イイ加減「漫画→子供→幼児」のステロタイプな発想を捨てて欲しい。「平成狸合戦」ならまだしも、当作や「おもひでぽろぽろ」等、この手の私小説的な物語を、やっとオムツが外れたかどうかと言う程度の子供達が飽きずに見ている訳がない。主人公は思春期真っ盛りの少年少女。主人公設定からも宣伝キャッチからも当然対象観客の年齢層も中学生以上だと言う事は容易に判断できる筈である。
はっきり言ってそう言った子連れは他の「入場料を払った」客にとって権利の妨害者以外の何物でもない。


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