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鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成

鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成

監督 曽利文彦
脚本 曽利文彦/宮本武史
原作 荒川弘『鋼の錬金術師』
出演 山田涼介/本田翼/ディーン・フジオカ/蓮佛美沙子/本郷奏多/黒島結菜/渡邊圭祐/水石亜飛夢/山田裕貴/舘ひろし(特別出演)/藤木直人/山本耕史/栗山千明//仲間由紀恵/新田真剣佑/内野聖陽
音楽 北里玲二/高橋哲也/前田泰弘
製作 2022


「この完結編二部作、コンセプトは前作にも増して原作愛を注ぎ込み、あの最終回までを描き切ること。物語を踏襲し、名シーンの数々を忠実に再現することに腐心した。」という。

カミさんはかなり満足したようである。
但し、原作に触れていない彼女はストーリーや世界観設定についてはよく分からないまま終わってしまったそうだ。
そうだろうなぁ。
良いの、マッケンがとにかく格好良かったから。だそうな。そう言う映画の見方もある。長尺作品ではあるが、そもそも三部作程度で単行本コミックス27巻に及ぶ原作を網羅することはどだい無理な話。
詰めて詰めて端折りまくった映像で原作を知らない観客が置いてけぼりになるのは当然な話。

第1作の感想で…
「原作ファンから大ブーイングが起こったそうである。
いや、私も原作を夢中で読んだファンの一人なのだが。

カミさんはイケメン映画なら何でも良い…多分。

結論から言うと…

エンターテイメントとしては充分に成立している。
娯楽映画として“フツーに面白い”んじゃないか?

映画としては悪くなかった、つーか良かったよ。

取り敢えず制作側の「原作に対する敬意」は充分に感じることが出来る。
何とか当てて続編作りたい気持ちも満々だ。

昭和30年代、映画産業華やかりし頃。かつて邦画で隆盛を極めた無国籍アクション作品。
あれのノリで観れば、何ら違和感は…多分ない。」

と、書いている。

前作「復讐者スカー」ではこう感想を述べた。
「とにかく、原作はストーリーや設定構成が非常に優れた作品。原作がちゃんとしていれば、相当な間抜けが作らない限り、映画はそこそこの物になる。
本作はその好例だろう。
否定的な感想は、多分原作から持っていたイメージとキャスティングとの乖離がその大きな原因ではないだろうか。

何故か背景合成など、かなりショボイ。前作よりも…等不満は少々残るが、冒険活劇としてはなかなか良く出来ているよ、これ。」

本作の制作陣には“原作愛”があるのだと見て取れる。
何度も書くが制作側の「原作に対する敬意」があれば、緻密な原作であっても救いようのない駄作にはならない、逆にしっかりとした原作あればこそ、そこそこの作品になるはずだ。
キャスティングの違和感、カタカナ名前を金髪カツラ日本人が演じる、そう言った無国籍アクション映画が駄目でなければ、キット楽しめる。
140分という邦画としては長めの作品。
しかし、その多くの時間はラスボス戦に費やされる。それではまぁ、掘り下げは無理だよなぁ。やたら派手な映画になったけれど。

この“完結編2.3”はやたら合成の荒さが目立った。要するに安っぽい画面なのだ。
特に明るい野外のシーンなどは目を覆いたいほどの酷さ。
パンフによると第1作目はロケとセット中心、完結編2.3は殆どグリーンバックだったとある。
哀しいなぁ、予算付かなかったのかなぁ。
まぁ、頑張ったんだよね。ギリギリ及第点の良く出来ました。



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