愚行連鎖 電気しっかり!!

VZJ95との生活:7/ULTRA POWER EARTH

前々から気になっていた、アーシングシステムである。
巷で大流行の兆しなので、内容については詳しく触れない。
“アーシング”で検索をかければ詳しく扱ったサイトがごろごろ出てくるはずである。

さて、このアーシングシステム、大分前から話題になってはいたが、電子点火システムやULTRA POWER PLUG CODEでおなじみの永井電子機器のサイトを覗くと、アーシングシステムも製品化したとあった。
アース線くらい、自分で作れよなとも言われそうだし、実際、簡単に作れそうではあるのだが…

8スケとか15スケのケーブルに端子を圧着するための工具はえらく高い。
更にバッテリーマイナスターミナルへの集合処理はどうあがいても市販品には敵わないだろう。
実際、この永井のULTRA POWER EARTHの写真を見たとき…
「これだよ、こういうターミナルが欲しかったんだよ!」
と心の中で叫んでしまった。
永井電子のサイトには…

クルマが元気になるアースチューニング
ウルトラパワーアースは、車のアースを強化し効率を上げることで車本体の性能「ポテンシャルパワー」を引き出すキットです。
電源側の強化に比べ、アース側のチューンアップの効果はあまり知られていませんが、ウルトラパワーアースはバッテリーと各電装機器類、エンジンブロックなどに直接アースケーブルを接続することで、電装機器の性能を最大限に引き出します。
また、従来の細かいアースケーブルに全ての大電流が流れ込み「ボトルネック症状」を改善し、同時に、発生するノイズをバッテリーマイナスに迅速に流すことで効率よく消去、ECUやオーディオのノイズを大幅に低減します。

ULTRA POWER EARTH
●電装機器類の効率アップ
●燃費の向上、排気ガスの清浄化
●低、中速域のトルクアップ
●始動性の向上とアイドリングの安定
●スムーズなレスポンス
●ライト類の照度アップ、バッテリー電圧の安定
●オーディオなどAV機器へのノイズの大幅な低減

定価 ¥17,800〜



取付易さと確実な導電性を追求した銅合金製"ターミナルブロック"を開発。表面には、ケーブル端子と共に金メッキ処理を施して通電性を大幅にアップさせました。
ケーブル(導体)は、軟銅複合撚線をメッシュ線で覆い、大電流容量と強度を確保。
ケーブル外皮には、耐熱性、柔軟性、経年変化に優れたシリコーンゴムを採用、軟銅複合撚線との組み合わせによりフレキシブルな動きを実現、容易な取り回しと自然な装着を可能にしました。
車種ごとに専用モデルを設定し、確実な取り付けを可能にしました。また、新型ターミナルブロックの開発により、純正アースの取り外しや移設の必要がなくなりました。
*純正アースを取外さないので車検時にも一切問題はありません。

とある。

早速、メールを出してみると、数日後に豪華なカタログを同封した郵便が届いた。
残念ながら、VZJ95にはまだ対応していないとのこと。
但し、同封された手紙には「本社まで出向けば特注製作も可能」である、とあった。
(ULTRA POWER PLUG CODEも対応のない車種の特注が可能だそうだ)

すぐに電話しちゃうモンね。

アッポ、アポっ!
(相変わらず、カルイおやぢだ…)

アポ取り、休暇取って溝の口まで…

永井電子機器
永井電子機器の本社は川を越えた川崎市。

ウチからは、本来なら1時間以内で到達できるはずだが…
ああ、都内を走るのは嫌だ。楽しくも何ともない。
環状七号線をずるずると這いずるように走って、2時間近く掛かってやっと到着。
社屋はR246から一寸入った閑静な住宅街の中にある。


採寸
挨拶もそこそこ、早速採寸に取りかかってくれる。

採寸用のケーブルを使って慎重に寸法を採る。



計測
装着前の計測
マイナス端子とアーシングポイント間の電位差を測る。



はい、出来上がり!(…って、実際にはかなり時間が掛かる)

写真は作業をしてくれた技術部メカニックの長野さん。
氏はローバー・ミニを駆るエンスーでもある。
やっぱり作業は、車好きにやって貰うのが一番!

端子は全て金メッキ仕様、ケーブルは軟銅複合撚線に編線の組み合わせ。
もちろん被覆は永井お得意のシリコンラバー製。
被覆には誇らしげな“ULTRA POWER EARTH made in japan”の白文字が踊る。


インマニ
アーシングポイントその1
インテーク・マニフォルド
ケーブルは8SQ
基本的に永井のアーシングシステムは既存のボルトをゆるめたり、穴を開けたりせず、空いているサービスホールを利用する方針なのだそうだ。
これはユーザーにとっては嬉しい心遣い。



シリンダヘッド右バンク
こちらはシリンダヘッド右バンク。
タイミングベルトカバー、ハイテンションコード下を渡らせている。

固定はやはり、空いているサービスホールを利用する。
その際使用するボルトも、製品パッケージには全て金メッキ製の物を付属させているとのこと。
こちらも8SQケーブル




集合端子
これが永井自慢の「集合端子」
材質は銅合金でもちろん金メッキ仕様。
コレが欲しいがために溝の口まで私はやって来たのである。

(写真、圧縮しすぎで見辛いのはご容赦を…)
綺麗な写真はこちらでどうぞ。


集合端子とボディアース
既存のボディーアース後方の空きサービスホールを使って固定する。
ケーブルは15SQ

ううむ…格好良い!!

写真では見えづらいが、既存のアースケーブルの何と貧弱なことか…



オルタネータ
オルタネータへの結線。
こちらはオイルレベルゲージステーとの固定ボルトに共締めである。
ケーブルは8SQ

ちなみに純正配線には一切手を付けない。



渡り線
全体の渡りと、インテークマニフォルドとシリンダヘッド左バンクへの結線。
シリンダヘッド左バンクへの渡りは15SQで結線部分で分岐して8SQが右バンクへ渡る。

全体的に、“これ見よがし”な目立つ渡りをしていないので、インパクトは少ないが、「出来る限り最短距離での結線」を行うのでこうなるとのこと。
確かにこの編線ケーブルが上回しで這いずっていれば「どうた!このっ!」っと押し出しは立派だが、本来の機能を考えれば、ケーブルなど短ければ短い程良いのは至極当たり前の道理である。
(見た目、一寸つまんないけどね…)



作業完了後にもう一度電位差計測すると、全てのポイントで数値が半分以下に下がっている。
本日は、採寸と、データ取りが完了したので、V6プラド対応製品が永井電子のカタログに載るのもそう遠くないだろう。
購入検討中のVZJオーナーはもう少し待ってみるのも良いかも知れない。
市販価格は2万円一寸になるのではないかと思う。

さて、装着後の感想であるが…
確かにスロットルが軽くなったような気がする。
低速時の反応が機敏になったようにも思える。
アイドリング回転数も若干低めになった。
(市販車のタコメーターって目盛がいい加減で目安にしかならないけど…)
電気的計測値に見事に結果が出ているのだから、間違いなく効果は出ているのだろう。
ただし、機械的スープアップなどと違って、こういった方法に“圧倒的効果”を期待する方が間違っている。
しかし、数値的な結果の意味が分かる方には、やはりこれはお奨めであろう。
(自作するか、キットを購入するかは別として…)
ただ、本気で綺麗に作ろうとすれば、大型圧着工具などが必要となり、その購入費用を合わせると結局キット購入と大差なくなってしまうことも事実。
(ポンチ圧着や半田付けという工作法もあるが…)

今後、燃費などにどんな結果が出るが、楽しみである。



電位差計測データ

永井電子機器様より、装着時のデータを頂きました。

測定ポイント 純正配線電位差(mV) パワーアース電位差(mV)
ボディアース 1.5 1.1
  5.5 1.6
エンジンブロック右側 11.5 5.1
  (Head)12.0 (Head)2.9
エンジンブロック左側 10.5 4.2
  (Block)12.9 (Block)2.9
インテークマニフォルド 9.8 2.8
  12.6 3.5
オルタネータ 11.9 4.7
エンジンスタート時 241.0 80.0

(Italic)数値]はH.10式ステージア(DATA:オートメカニック2001.9.より)

参考のため、今月号のオートメカニックに掲載されていたパワーアースのインプレッションの10年式のステージアの数値も載せてみた。
ステージアでは驚異的な数値が出ている。
ウチの車(VZJ95)では、ステージアほど凄い数値は出ていないが…
これは、うっかり装着前の計測時にエアコンを切り忘れたためか、それとも、95プラドの純正アースがそこそこ良くできているからなのだろうか?
特に純正ボディアース付近の計測値は非常に低い数値を出している。
オートメカニック誌には、オルタネータやエンジンスタート時のデータは掲載されていなかったが、エンジンスタート時の数値は見事に1/3程度になっている。
▼続く


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