森本さんの抗議に対して


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記載者:西部明郎 on July 30, 19100 at 14:49:10:

元の記事:建設省営繕部職員からの抗議 /記載者:森本 文忠 on July 26, 19100 at 13:19:20:

 ご指摘の件、ご尤もです。行政の建築関係に就職する人は設計能力が今一つで、ガッツがなく、設計にコンプレックスをもっていると言いきるのは、関係者全員に関わることなので間違っていると思います。西岡氏は訂正するか、謝罪するか何らかのアクションを起こすべきだと思います。

 反面、私は受注者という弱い立場にありながら、基本設計と称して未完成な平面図を提示する発注側の姿勢に抗議している西岡氏の生き様には敬意を表します。これは設計者選定方式以前の問題ですが、建築設計の専門家を抱える発注者側が民間の建築家に設計を委託するという構図には、非常に不明瞭かつ不愉快なものがあります。受注者側に比べて発注者側のレベルが高い場合は、下請を使うような接し方をされても我慢できますが、逆の場合は設計をお願いする形にならなければおかしいのです。それが設計者としての力量に関係なく発注者と受注者という力関係だけで下請扱いをされれば一寸の虫にも五分の魂がありますから、噛み付きたくもなるわけです。

 官公庁営繕という存在の意味は、西欧文明の導入に必死であった明治、大正時代とは既に全く違っています。官公庁営繕が技術力保全のために自らの手で設計監理のフルコースを実験的に行うことまでも否定する気はありませんが、民間の設計事務所に外注する際に、ポンチ絵を渡して基本設計料を差し引くという姑息な方式をとることや、外注したのは実施設計だけでデザインの主導権は発注者側にあるというような態度は一切止めて頂きたいものです。こういう言い方をすると、官公庁全体を誹謗したことになるのでしょうか。全ての官公庁営繕に共通して先に述べたような傾向があることは衆知の事実です。うちは違うというお役所があれば、私の認識不足ですからお詫びします。

 森本文忠氏は西岡氏の発言の表層部分に憤りを感じていらっしゃるようですが、このような発言を生むに至った、これまでの官庁営繕の実態と存在意義について、より高い次元から考察して頂きたいと心から願っています。発注者側に立つ人は、仕事を貰う立場の人間には如何様な無理を言っても構わないという気持ちになるようです。相手も同じ人間で、たまたま発注者と受注者という反対の立場にあるだけだということ、その立場は何時か逆になることもあるのだということ、官公庁は発注者には違いないが、結局は受注者を含む国民、市民の税金を使って彼等のために仕事をする公僕であることを忘れないで頂きたいと思います。


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