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「自分を愛する」ということ〜2


最近はブログでもいろいろな文章を書いています。「心の癒しと意識の目覚めのために」もご覧下さい。

前回のメールマガジンに書いた「『自分を愛する』ということ」という文章には最近になく多くの反響があって、ちょっと意外な感じがしたと同時に、生きることに苦しんでいる方が本当に求めているものが何なのかがまた少しはっきりと見えてきたような気がしました。今回は、いただいた反響の内容をもとに、もう少し「自分を愛する」ということについて深めてみます。

自分の内側深くにある感覚を意識的に感じ始めると、多くの方にとって最初に感じるのは心地よい感覚というよりは、いらいらするような落ち着きのない感覚であったり、言葉に表しにくいようなぼんやりとした不安のような感覚であったりすることが多いようです。場合によっては感じようとしても、何の感覚も感じられないこともあります。そうなると、感じることが大切だと頭ではわかっていても、そこから先に進めなくなったりします。こんなことをやって何になるんだろう、という考えが浮んできたりすることもあるかもしれません。

ここで大切なことは、まず焦らない、ということです。あなたは長い間、人生をうまくやっていくためには、自分が感じるように感じてはいけないのだ、と思い込んで生きてきたのかもしれません。そうだとすると、自分の感覚に気づき、その奥にあるもっと大切なものにつながっていくためには、ある程度の時間とエネルギーが必要です。

まず、どんないやな感覚が浮んできたとしても、何かが間違っているわけではない、ということを覚えておいて下さい。その感覚は、あなたが人生の初期の頃から、心の奥にずっと閉じ込めてきた感覚なのです。今、その感覚が心に浮んできたということは、あなたの人生にとって、とても大切な一歩が始まったということを意味しています。自分を癒していく大切なプロセスが始まったのです。

その嫌な感覚、否定的な気分を、あなたの心の奥で長い間泣いていた、大切な子供のように考えてみて下さい。あるいは、あなたの心の奥にあまりにも長い間閉じ込められていたので、機嫌を損ねてしまった神様だと思ってみて下さい。どんなイメージでもいいですから、その嫌な感覚、否定的な気分を、あなたにとってかけがえのない、大切なものに置き換えてみて下さい。

それらは、今この瞬間、「あなた」の中にあるものですから、とても大切なあなたの一部であることは間違いないのです。その大切なあなたの一部をあなた自身が否定していては、生きるのが苦しくなってもしかたありません。

それらの嫌な感覚、否定的な気分を、あなたの意識的なやさしさ、思いやりで包み込んでいることを想像してみて下さい。柔らかい毛布でくるんだり、あなたの胸に抱き締めてみるのもいいでしょう。心の中で何かがゆるんで、ほっとする感覚が広がって来るかもしれません。そしたら、その感覚をよく味わってみましょう。

それが嫌な気持ちであれ、心地よい気分であれ、今、この瞬間に起こっていることを頭で判断せずにそのまま感じとることはとても大切なことです。それが「自分を愛する」ということなのです。

ただ、場合によっては、それでも何も感じられない、ということもあります。そんなときは、自分が今この瞬間、どんな気分でいるのか、ということをときどき自分に聞いてみて下さい。「今とても嫌な気持ちだ」「今とても腹がたっている」「今なんだか嬉しい」。1日に数回でもいいですし、その内容は否定的なものばかりであってもかまいません。今この瞬間の自分の気持ちに気づくことができたら、それだけで人生の質は変わり始めます。自分の中の大切なものとのつながりが回復していきます。

焦らないで。うまくいかなくても自分を責めないで。あなたはあなたのままで大丈夫です。

【まほろば通信】vol.122掲載2008/02/20)


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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2008/02/28