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Breath Therapy Report


ブレスワーク5回目

前回のセラピー後、中野さんに『自分の子どもの頃をイメージしてお話する事』を勧めて頂いた直後から、私のあたまの中やこころの中に、断続的に、しかしはっきりと『ちいさいこ』のメッセージが浮かぶようになりました。それは言葉だったり声だったり・・・自分の中の「おおきくなれないよぅ・・・」と泣いていた子どもの部分からの質問でした。自分の小さい時の姿が想像できなかったのところ、同居人さんがイラストを描いてくれました。実はこれ、「あたまでっかち、小さなからだの2才児」を図解した物なのですが・・・
やがて、その子どもな自分のイメージが見えてくるようになりました。奇妙な自問自答?あたまの中で、こころの中で、こどものわたしと実年齢の私の対話のスタートでした。

あるお昼の事。前日の食材が多く余っていたので傷まないうちに頂きましょう、と御飯として食べていたのです。「どうしてそんなにいっぱいたべるの?」と、質問が始まりました。
食べないと、お腹が空くからだよ。それに長い間おいておくと食べ物さんが傷んじゃうからね、と答えると 「もう、ぽんぽんさんいっぱいなのにー・・・」と、ぱんぱんに膨れたお腹を抱えてしょぼーん、とうなだれているイメージが見えました。あわてて食事を終了したのは言う間でもありません。
ある時は「だっこ!だっこ!だっこおぉぉ!!」と手をのばしてきました。胸にだっこして背中をとんとんしてあげると、にーっと笑っていました。他の人から見たら虚空を抱えて何やってるんだろ、って感じ?
またある時は「おはなしきいてくれないんだもん」ってほっぺをぷーっとしてみたり、家にあるぬいぐるみの1つが気に入ったらしく、「もっとあそびたいー」と言ってぬいぐるみの手を両手で持って「あくしゅ、あくしゅ」していました。その間私はぬいぐるみを一緒に(?)抱えて手放せない状態。

一番強烈だったのは、ふと以前のセラピーで見た「黒い星」の事を思い出した時でした。「きえるのいやだー!!!!!!!!」と、やかんをひっくり返したかのように泣き叫んだのです。気が付けば、こちらも泣いていました。「消えるの嫌だぁ、やだよぅぅ・・・」って。
その他に気がついた事は、味覚がお子さま味を好む(コーヒーや辛いもの、お酒がダメ)ようになり、相変わらず夜には夜泣き、だだこねぐずって・・・今回もなかなかこころが忙しい2週間でした・・・。

「消えるかなぁ・・・?消えないと思うけどなぁ・・・??」
5回目のカウンセリング&ブレスワークです。そんなこんなで対話に混乱していた私の話を聞いて、中野さんは首を傾げてらっしゃいました。
はじめのうちは自分の内側からの声に、対応が分からず混乱する事があるそうです。子どもの部分が気が済むまでうーんと望んでいる事をしてあげる・・・だっこしたり、よしよししたり、遊ばせてあげるのが良いそうです。他のものに興味が移るまで。中野さんとお話をしている時、『ちいさいこ』は「ふぅー」とため息をついていました。「よかった。消えないってさ」。

ずっと『ちいさいこ』と対話していた、そこそこ大人な年令の私、なのですが、また別に混乱している事がありました。 少し前に契約職員だった仕事を辞め、家にいる事に違和感を覚えはじめたのです。でも、からだは相変わらず動かず、やってみたい事も何一つ見出せない。何かしたい。でも、何も出来ない。と言うかやる気がおこらないのが困り者でした。食事とか、家事とか最低限の生活はこなしているものの、仕事を辞めたら始めよう!と思っていた事が全て色褪せて遠くに行ってしまった感じ。
「今は休むべき時だと自分に言い聞かせているのですが・・・」と言うと「そういうタイミングになってきているのかも知れませんね、きっとそうだと思います」と中野さん。
休むべき時。特別に殺人的なスケジュールをこなしてきた訳ではないけれど、ひょっとすると「お休み」を取るのは人生で初めてかも知れないのでした。何でもかんでも身に付けたかった。失う事が恐かったのです。私が一番先に手放すべき事は「焦る事」なのかも・・・今でも手にしかと握っていてすぐに取り出してしまうんですがね。

ブレスワークが始まりました。最近では家でうつ伏せ寝をしていても前回のブレスワークの時のように肩や腕が自然に動き出すようになっていました。ブレスワークの最中で、からだが痺れる事は格段に減り、今回は 肩と背中がちょっと痛くなったくらい。ブロックが取れてきている=抑圧されている部分が減って来ているのでしょうか・・・マットの上を遊んでいるようにころころころと転がっていました。これはいつも寝る前に『ちいさいこ』が喜んでしている動きと一緒だな、と後で気が付きました。
「いやだいやだって言ってみましょう。他に言いたい事があれば言ってみて下さい」
と、中野さんの声掛けがありました。「全身で今の気持ちを表現してみて」と言われて、マットの上で足をばたばた、手をばんばんして「やだやだやだやだやだやだ」・・・普段のお喋りの倍速、早口言葉のようにやだやだやだやだやだやだ、ばたばたばたばたばたばんばんばんばんばん。きっと今までの人生で最速でごねていました。(笑)その一方で「いつもより余計にごねておりますね〜」「深く早い呼吸しながら、忙しいな〜」とか冷静に見つめている自分、今ブレスワークを受けている自分でもなく、『ちいさいこ』でもない自分の意識があったのです。気持ちが良い訳でも悪い訳でもないけれど、何だか奇妙な感覚でした。

やがて音楽が緩やかなものに変わりました。ごねるのは終わり、の気分になったのでまた深い呼吸を始めました。何となく毛布を胸にかき集めていました。すると「これを持ってみて下さい」と、中野さんがクッション(まくら)を貸して下さいました。ふわふわのクッションを抱いていると・・・イメージが見えて来ました。私は『ちいさいこ』の手を繋いで一緒に歩いていました。お散歩している様。『ちいさいこ』はニコニコしていました。
「だっこ、だっこ!」
はいはい、だっこねー・・・と抱きかかえると、『ちいさいこ』の足や手は傷だらけ、怪我を一杯していたのでした。どう見ても痛い傷。でも『ちいさいこ』は痛みを感じないのか気付いてないのか、嬉しそうに笑ってる・・・今まで気づかなかったのが悲しくて痛くて、私は涙が一杯込み上げて来ました。

「こころのおくに閉じ込められて来た気持ちをよーく感じてあげてください。寂しかったねぇ。もっと遊びたかったねぇ・・・」
中野さんの声かけにワタシは声を挙げて泣きました。クッションを毛布の中に入れ(『ちいさいこ』が寒いといけないからね)クッションの下の方(『ちいさいこ』の足)を撫でながら、痛かったね、痛かったね、気付かないでごめんね・・・
おいおい泣いている私を見て『ちいさいこ』は「いっぱい、ねんねしたらなおるよ。(私)がねんねしたらなおるの。ねんねしよー。ねんね、ねんね・・・よしよし、よしよし・・・」とニコニコして私のあたまやほっぺを撫でるのです。どっちが大人でどっちが子どもなのかよく分からなくなってしまいました・・・(笑)

セラピーが終わりに近付き、私は『ちいさいこ』を、『ちいさいこ』は私をお互いによしよし、よしよし・・・と撫でていました(実際は私がクッションを撫でているだけですが)。そうしていると、ほんの少しだけ『ちいさいこ』の傷が薄くなって行きました。そこで私は『ちいさいこ』に聞いてみました。お薬を付けたら治るかな?って。『ちいさいこ』は返して来ました。「(私)はびょういんいく?」って。うっ・・・と答えに詰まってしまった私を見て、『ちいさいこ』はまた言って笑いました。
「いっぱいねんね、しようね」。

セラピーが終わって、私はクッションを抱きかかえたまま、『ちいさいこ』は一杯怪我をしていた、でも泣かないで笑っている、大人の私が寝たら治ると言ってました、と中野さんに伝えました。
「痛いよーって泣けば良いのに」もしも、『ちいさいこ』が「痛い」事に気が付いたら、今までとはちょっと違う意味で苦しい思いをするかも知れません、でも始めだけです、大丈夫ですよ、との事でした。
「その子は、今喋ってもらえる事が嬉しいんでしょうか、それとも気をつかって痛いって言わないのかも知れませんね」ワタシは内なる子ども、という存在があるとは本などで知っていたのですが、自分にそれがいるとは思っていなかった、全く気付かなかったんです、と答えました。「あらら〜(^^;)」と中野さん。毛布やクッションをお片付けする時に、中野さんがクッションをぽんぽんと撫でて立て掛けて下さったのが何となく嬉しかったのでした。
「大分肩やからだの力が抜けて来ていますね。もっとからだの力が抜けて来たら、自然に眠くなるんじゃないかな・・・そんな気がしました」とも言われました。

寝るのは好きじゃない、起きていられるなら起きていろいろな事をしたい性質の私だったのですが、『ちいさいこ』の傷を治したいので、出来る限り寝ようと思ったのでした。寝る事を少し肯定的に思えた事が嬉しかった。やっぱり今は休むべき時、いっぱいねんね、しないといけない様です。


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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2005/01/01