新・闘わないプログラマ No.36

問答


その1「出張サービス」
「パソコンがうまく動かないんだけど」
「『動かない』って、どういうこと?」
「だから、パソコンを使おうとしたんだけど、動かないんだってば」
「それじゃ、全然分からないよ。画面に何も出ていないの?」
「なんかエラーが出ちゃって動かないんだよ」
「『なんかエラー』って、具体的になんて出たの?」
「もう、消しちゃったから分からないよ。とにかく、駄目だってエラーが出たんだよ」
「(だめだ、こりゃ) そもそも、何をしようとしたの?」
「だから、パソコンを使おうとしたの!」
「だ・か・ら、パソコンで、な・に・を、しようとしたの?」
「そんなことより、なんとかしてくれよ」
「それは、もしかして『来てくれ』ということか?」

その2「何もやっていない」
「○○というソフトで××っていうエラーが出るんだよね」
「そのエラー、何だろう? 意味がよく分からないな。で、何をやったの?」
「何もしていないってば」
「そういう意味じゃなくて、どんなことをやったのか聞いているの!」
「だから、変なことは何もやっていないって」
「それはいいから、どんな操作をしたか教えてくれってば」
「だから、何もやっていないの」
「はいはいはい、『何もやっていない』のね。で、何やったの?」
「だからぁ・・・」
「はいはいはい。ボクちゃんいい子だから、なにをしたのか、おじさんにぜ〜んぶおはなししてくれないかなぁ。おこらないから、しょうじきに言ってごらん」

その3「アプリケーションの使い方」
「△△っていうソフト、ダウンロードしたんだけど、使い方が全然分からないんだ。教えて」
「△△ねぇ・・・使ったことないなぁ。そもそもそれ何に使うソフト?」
「なんかよく分からなかったけど、雑誌で、すごく便利なソフトだ、と言っていたからダウンロードしたんだけど」
「(あのなぁ、何に使うか知らんで落としてきたんか?) じゃ、分からん」
「えー。おまえコンピュータに詳しいんだろ? なんで、そのくらいのこと分からないんだよ」
「あのね、そんな個別のアプリケーションの使い方、全部知っているわけないじゃない」
「じゃ、明日まで調べておいて」
「おいおいおいおい、なんでそんなことまでしなければいけないんだよ」

その4「おとなのインターネット」
「インターネットが見れないんだけど」
「は?」
「この間までちゃんと見れていたのに、急に見れなくなったんだよ」
「は?」
「『は?』じゃなくて、なんとかしてくれよ」
「なんとかしてあげたいのはやまやまだけど、これだけじゃ、なんとも・・・。もうちょっと詳しい状況を教えてくれよ」
「だからね、インターネットを見ようとするじゃない、でもね『接続できません』って」
「・・・」
「おい、聞いているのか?」
「電話、かけに行っている?」
「うん、ちゃんと『接続しました』って」
「あれ、さっき『接続できません』って、出るって言ってなかったっけ?」
「いや、だから『お気に入り』から、ある所を選ぶと、接続出来ないんだよ」
「それって、そこのサーバーが死んでいる、とか、そういうことだけじゃないかな。そこ、どこ? こちらで調べてみてもいいけど」
「いや、それはちょっと・・・」
「あー、わかった。それ、えっちなサイトなんだろ」
「は?」
「『は?』じゃなくて」

その5「闘えないプログラマ」
「このプログラム、どうしてもうまく動いてくれないんですよ」
「それで?」
「自分としては、絶対に間違っているところは無いんですけど」
「だったら、動くはずだねぇ」
「でしょ? だから、これってコンパイラにバグがあるんじゃないか、と」
「(そんなこと言うやつに限って、自分のプログラムにバグがあるんだよな) じゃあ、試しにccじゃなくて、gccでコンパイルして見たら?」
「やってみたんですけど、やっぱり駄目なんです」
「じゃあ、やっぱり君のプログラムにバグがあるんだよ」
「そんなはず無いんですけどねぇ・・・動きがおかしいのは、たった数行の関数ですし」
「どれ、見せてみろよ。あー、この『if (s == "hogehoge")』って絶対、真にならんぞ」
「え、何でですか。sが"hogehoge"のときに真になるじゃないですか」
「お前なぁ、何年Cでプログラミングしているんじゃ。もいっかい、勉強し直せ!」

その6「備えなければ憂いあり」
「このフロッピー、いつのまにか『読めません』って出てくるようになったんだけど・・・」
「壊れたんじゃないかな」
「この中に、ものすごく大切なものを入れていたんだけど、なんとかなんない?」
「どうしても、というのなら努力はしてみるけど、難しいんじゃないかな」
「えー、だってそれ作るのに、すごい時間がかかったんだよ。なんとかしてよ!」
「あのね、そんな大切なものだったら、バックアップが取ってなかったの?」
「取っていたよ、そのフロッピーの中に」
「・・・」

このお話は、事実をもとに構成したフィクションです ←だから、心当たりのある人、怒らないでね(^^)/

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