新・闘わないプログラマ No.30

キーボード


これをご覧の皆さん、いま目の前にキーボードがあることと思います。今回はこの話題です。最近、ちょっとひねくれたサブタイトルを付けるのに凝っていたのですが、今回はいいタイトルが思い浮かびませんでしたので、そのまんまです(^^;)

ところで皆さんは、キーボードのタッチタイピング(キーボードを見ないでタイピングする)は出来ますでしょうか? 職場などで見ていると、結構みんないい加減な指使いをしているようですね。昔は、右手の人差し指一本で、恐ろしい速さでタイピングする人が何人かいましたけど、あれはあれで感心してしまいます。
私は、大学時代に練習しまして、タッチタイピングはほとんど不自由なく出来ます。といってももちろん、パンチャとか、プロと比べると全然スピードも遅いですけど。今、この文章はノートパソコンを使って電車の中で書いていますけど、タッチタイピングでパラパラ打っていたせいか、隣に座っているおじさんがいやな顔をしてこちらをちらちら見ています(^^;)
タッチタイピングは、出来た方がいいのは確かなのですが、実は問題も無いわけではありません。まず、指を怪我したときです。基本に忠実にタッチタイピングを行いますと、当然10本の指全部を使います。このキーはこの指を使う、ということが決まっているんですね。ですから、どれかの指を怪我すると、その指を使うキーを押せなくなってしまうのです。そのときだけ別の指を使えばいいじゃないか、とお思いかも知れませんが、そう簡単にはいかないんですね。というのも、タッチタイピングというのは、キーボードの配列を(頭で)覚えている、というような種類の事柄ではないからです。単語を思い浮かべると、自然に指がそのとおりに動くのです。もう、体で覚えてしまっているのですね。だから、すべての指が使えない状態ですと、恐ろしく効率が悪くなってしまいます。
あと、これはよくあるのですが、キーボードを真正面においてタイピングしないといけない、ということもあります。横からちょっとキーボードをたたく、とか、そういうことが出来ないのです。横から人差し指1本でキーを打とうとしたら、どこにキーがあるのか判らずに、一所懸命探してしまいました(^^;)
というわけで、タッチタイピングが出来たら出来たで、結構苦労もあるということです。でもって、最近、冗談+皮肉で、人差し指でキーを打っている人に向かって、「いいなぁ、指怪我しても問題ないし・・・」とか言っています(^^;)

今、日本で一般的に売られているキーボードは、大きくJIS配列とASCII配列に別れます。この2つは、アルファベットの配列は同じなのですが、記号の配列が異なっています。一番上の数字のキーのところの記号が「!"#$%&'()」と並んでいるのがJIS配列で、「!@#$%^&*()」と並んでいるのがASCII配列です。
現在日本で発売されているパソコンのキーボードはほとんどすべてJIS配列ですが、以前のMacintoshにはASCII配列のキーボードしかありませんでした。私の持っているMacintoshのキーボードもASCII配列です。慣れとは恐ろしいもので、Macintoshのキーボードの前に座ると指使いが自然とASCII配列になりますし、PCのJIS配列のキーボードになると指使いが自然になります(便利)。
キーの配列にはJISやASCIIという大きな分け方以外にも、いろいろと違いがあります。よく言われるのに、ControlキーとEscapeキーの位置というのがあります。このキーの位置に拘っている人は、大部分がUNIXユーザーで占められています。UNIXではControlキーを多様しますし、Escapeキーもviやemacsといったエディタでよく使用しますので、これらのキーが使いづらい位置にあると大変不便なのです。基本的には、Controlキーは「A」キーの左に、Escapeキーは「1」キーの左に無いとやだ、と言って聞きません。私もどちらかといえばその配列が好みなのですが・・・(^^;)

世の中には、キーボードにこだわりを持っている人が少なからずいます。上でお話したようなキー配列の問題もありますし、それ以外にも、キーを打つときの感触や、音・肌触りにもこだわっている人もいたりします。
私は、そういう意味でのこだわりはあまりありません。どんなキーボードでもあまり気にならない方ですね。仕事やプライベートで、それこそ種々雑多なキーボードを使っていますから、あまりこだわっていても仕方ない、と割り切っている方です。この文章など、ノートパソコンで書いていますが、キーピッチは狭い、ストロークは小さい、というどちらかと言うと最低の部類に入るキーボードですが、デスクトップパソコンに付いているキーボードとさほど変わらない速さで打つことが出来たりします。
私がキーボードで不満に思っていることがあるとすれば、それは大きさですね。家で、狭い机の上にいくつもキーボードが並んでいると本当にジャマでしかありません。特にあの右側に付いている10キーは要りません。でも、10キーの無いキーボードって本当に選択肢が限られてしまうんですね。特にMacintosh用で10キーの無いキーボードなんてあったかいな?

職場で1人1台のパソコンが配られてから、もう数年が過ぎました。最近では申請書の類も、紙に書いて提出、というのは本当に少数になっています。余談ですけど、最近では私は手書きで文字を書けなくなってしまいました。漢字を書けない、というのは昔から定評があったのですが、今では100文字以上の文字を書こうとすると、手が痛くなってしまいます。どうやら、力の入れ方を忘れてしまったようで、変に力を入れて書いているせいなのではないかと思うのですが・・・・そういう方いらっしゃいませんか?
話を戻して、職場では誰でも嫌でもキーボードと付き合って行かなければいけない状況になっています。けど、やっぱり「おじさん」には辛いようですねぇ・・・・。右手の人差し指1本で、一所懸命キーを捜しながら打っている姿は、思わず涙を誘います。でも、不思議なのですが、ある中途入社したおじさんで、入社前はアメリカとかヨーロッパとかに20年くらい駐在していた人がいるのですが、この人が全くキーボードをさわれない。なんか気の毒で聞けないのですが、あちらで、タイプライターとか一切使わずに済むようなもんなんでしょうか。もしかして全部、秘書まかせ? そんなにあのおじさん、偉かったのかなぁ(^^;)

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