新・闘わないプログラマ No.23

重い・軽い


「重い」とか「軽い」とかいう言葉があります。(「何を言っているんだ、こいつは」とお思いかも知れませんが、もちろん、コンピュータの世界の話です)
たとえば、「重いソフト」とか「軽いソフト」とか言う言い方をします。重いソフトとは 、もちろんマニュアルがいっぱい付いてきて、重くて、店から買ってくるのも難渋するようなソフトのこと・・・・なわけありません。そういえばその昔、Borland Cか何かのパッケージを秋葉原で買って、家に持ってかえるのに苦労したような記憶が・・・。余談ですけど、当時のパッケージソフトは(紙の)マニュアルがいっぱい付いてきましたよね。最近は、オンラインマニュアルと称して、CD-ROMにほとんど入ってしまっています。まぁどっちがいいかは場合によりけりですけど、10万円以上もして、紙のマニュアルはぺらぺらの「インストールガイド」1冊のみ、なんてのはなんか損したような気分にさせらます。もちろん、我々はソフト(の使用許諾権)を買っているわけで、マニュアルを買っているわけではないですねどね。そりゃ分かってはいるんですけど、でも、ウン10万円もするソフトで、パッケージが貧弱だとなんかね・・・・って単なる貧乏根性ですけど(^^;)
何か、話が盛大に横道にそれてしまいました。この際だから、もっと横道にそれてメタな話?になりますが、コラムのような文章を書く時って、みんなどういう書き方しているんでしょう?? 私の場合、大雑把なテーマだけ決めて、とにかく書き始めます。どういう風に話を展開して、どういう風に結ぶか(落とすか)なんて、書き始めた時には全然決まっていません。だから、今回のこのコラムにしたって、まだ、どういう終わり方になるか、作者である私にもさっぱり分かりません(^^;) だいたい、こんな話を書こうとは、これを書き始めた10数分前には予想も出来なかったんですから。

すみません、軌道修正します。
ソフトが「重い」とか「軽い」と言った場合、そのソフトを動作させる上で、どれだけコンピュータ資源を消費するか、ということを言います。「コンピュータ資源」にはいろいろありますが、ソフトの重い/軽いに直接効いてくるのは、CPU時間とメモリ量です。まぁ、そんな面倒な事を言わんでも、使っていて、遅くてイライラするようなソフトが「重いソフト」で、軽快に動作するソフトが「軽いソフト」なわけですね。
そういえば最近は、重いソフトが多いですねぇ・・・どこのやつとは言わないけど。そういえば、Windows95なんてOSがありますよね、皆さん知っているかどうか分からないけど(^^;) あれって発売されたとき、確か、CPUはi486SX以上、メモリーは8MB以上(日本語版の話、英語版だと、i386、4MBだったかな)で動作すると言っていたような気がするのですが、私の錯覚でしょうか。最近物忘れが激しくて、何せもう2年半も前のことだからよく覚えていないのですけど。
今じゃ、MMX Pentium 200MHz、64MBあたりが最低線なんですか? もちろん、OS自体はもっと貧弱な環境でも動作するんでしょうけど、アプリケーションがねぇ・・・Office 97のような超重量級のアプリケーションを動かそうとするといくらCPU速度とメモリーがあっても足らないというか、特にMS Wordなんか、たかがワープロごときで何故にあんなに重いんでしょうね。
今の市販アプリケーションって、いらん機能と仕組みが多すぎますよね。単にカタログスペックを競っているだけというか、機能一覧で○の数を競っているだけのような気もします。まぁ、営業政策上は仕方ない部分もあることは理解できますけど。

またまた余談ですけど、ワープロソフトと言えば、日の丸ソフトの雄、というか最後の砦、ジャストシステムの一太郎、これも最近のバージョンはかなり重量級のようですね。このところ使ったことがないので詳しくは知らないのですが。
もともと一太郎ってDOSアプリケーションだったんですよね。もう、知っている人も少ない、有史以前の話のような気もしますが(^^;) で、その当時のversion 3というのがあって、これは機能と速度のバランスがとれていていいソフトだったんです。このころに一気にシェアを伸ばしたのが、今に繋がっているわけです。
ところが、この一太郎も、version 4でジャストウインドウなるへんてこなもの(MS Windowsの向こうを張ったらしい)を搭載してから、おかしくなってしまいました。だいたい、ジャスとウインドウなんてものが流行ると思っていた物の考え方自体が理解に苦しむのですけどね。(これ、後知恵と言われればそのとおりかも知れませんけど、でも当時から疑問に思っていた人は多いと思う)
それでも、腐っても鯛で、その後も結構売れていたようですが、さすがに最近は危なくなってきましたよね。一太郎だけにしがみついていてはジャストシステムも危ない、ともうかなり前から言われ続けてきたのですが、ここに来て一気に表面化したようです。

で、こういう重量級ソフトが増えてくると、その反動で、軽快に動作するソフトが注目を集めるようになります。
先日、会社で使っているパソコンに、いまさら何を、と言われそうで恐いのですが、Lynxを入れてみました。(ちょっと、時間が空いていたもので) Lynxを知らない人のために、少しだけ解説しておきますけど、これ、テキストベースのブラウザです。もともとUNIX上で作られたソフトで、何しろテキストしか表示しませんから、非常に軽快な動作をします。
私はこれのWin32版(Windows95/NT用)を試しに使ってみたのですが、これいいですね。こんなに軽快に動作するとは思ってもみませんでした。もう、Netscape Navigatorなんかアホらしくて使う気になれなくなってしまいました(と言いつつ、Lynxではちゃんと見れないページも多いんで、Netscape Navigatorも併用してますけど)。
あと、いいところと言えば、うっとうしい画像やら、チカチカする文字やら、を見ないですむところですね。私は「ねっとさーひん」はほとんど職場でやっているのですが、いきなりとんでもない画像(別に、おねーちゃんの裸だけとは限りません)とか、恥ずかしい言葉がばかでかい文字で出てきて、焦ってしまうことが多かったんですよね。Lynxなら、勤務時間中でも気兼ねなく「ねっとさーひん」を楽しむことができますです(^^;)

軽いOSと言えば、最近ではLinuxやFreeBSDのようなフリーのUNIXが注目を集めています(あれはUNIXじゃないんじゃないの、という突っ込みはとりあえず置いておきます)。ほんの数年前まではUNIXって重いOSだったような気がするんですけどねぇ・・・・あっという間にWindowsに逆転されてしまいました。
特にサーバー用途で考えると、GUIなんて全然必要無いんですよね。あるだけ無駄(あ、「X serverは?」という突っ込みは却下します(^^;))。あんなもんで資源の無駄遣いをするくらいなら、本来のサーバーの仕事の方をがんばって欲しいものです。
というわけで、最近私は、職場にいっぱい転がっている486マシンにフリーUNIXを入れて仕事に使おうと画策しております(でも、味方が少ないんだよなぁ・・・)

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