新・闘わないプログラマ No.482

開けない


「ええと、例の公開鍵の件ですけど、うちの技術のほうからメール送ってもらったので、すぐにそちらに送ろうと思っていたのですが……」
「何か問題がありました? できれば今日中にいただけれるとありがたいんですが」
「私のほうで一応内容を確認しようと思って開こうとしたんですが、開けないんですよね」
「『開けない』ってどういうことですか? 中身が壊れているとか?」
「メールにはhogehoge.keyというファイルが添付してあって、たぶんこれがそうだと思うんですが……メールを送った本人がもう帰ってしまっていまして、確かめられないんです」
「で、どういう状態ですか? 中身が変だということでしょうか?」
「いえ、ですから開けないんですよ」
「あのー、もしかして……」
「hogehoge.keyというファイルをダブルクリックしても『このファイルを開けません』と出るだけなんですよ」
「いや、そのファイル、単なるテキストファイルだと思いますよ」
「『テキスト……』ですか?」
「だから、中身を見たいならtypeコマンドなりテキストエディタなりを使えばいいと思いますけど。まあ、鍵なんで、内容は意味の無さそうな文字の羅列にしか見えないとは思いますが」
「???」
「Windowsをお使いですよね? だったらメモ帳で開くのが一番手っ取り早いんじゃないか、と」
「あの、ですからhogehoge.keyというファイルをダブルクリックしてもメモ帳が開かないんです」
「……。とにかくそのファイルを送ってください。こちらで確認しますから」

ええと、電話の相手は、某超大手コンピュータメーカーの営業のおねーさんでした。
っつーか、いかに営業とは言え、コンピュータメーカーなのですから、せめてWindowsの基本的な知識くらいは教えておいて欲しいなあ、とか思ったり。

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