新・闘わないプログラマ No.342

無線LANはコワい


「ねえ、ここん家の無線LANのESSIDって、この“HOGEHOGE”ってやつ?」
「どうだったかなあ……確かそんなやつだとは思ったけど」
「それ1個しか見えてないんだけど」
「だったらそれなんじゃないかなあ、たぶん。きっとそうだよ。そうそう、確かそんなの設定した記憶がある」
「じゃあ、これね。これで繋いでいい?」
「いいよ」
「WEPキーは何に設定……あれ? WEPキーを設定しなくても繋がっちゃった。もしかして暗号化してない?」
「いや、してるはずだよ」
「んじゃなんで繋がっちゃったんだ?」

と、ここで何かおかしいことに気付くべきでした。しかし……

「以前おまえに『暗号化しろ!』ってしつこく言われたからちゃんと設定したよ」
「設定間違っちゃってるんじゃないの? アクセスポイントのIPアドレスはいくつ? 設定を確認してみる」
「IPアドレスなんて覚えてないよ。ああ、そうだアクセスポイントにシールで貼ってあったっけ」
「ええと、『http://192.168.……』と入れて……あれ? 繋がらない。無線経由ではアクセスポイントの設定をできないようにしてあるのかな?」

と、ここでも気付くべきでした。しかし……

「まあ、いいや。面倒くさい。以前、ここに来て設定したときの内容が残ってるのかも知れない、OSのレジストリかなんかに」
「後で調べておくよ」

そんなこと言わずにすぐに調べなさい。そうすればあんなことには……

「この間のデジカメの写真、コピーし忘れたから欲しいんだけど?」
「ああ、いいよ。うちのPCから勝手に持っていてくれる?」
「どこに入ってる?」
「共有しているフォルダに入ってる」
「んじゃ勝手にコピーするよ。ええと、コンピュータの名前は…これかな? これ1台しかないからこれでいいよな。フォルダの共有名は……なんかいっぱいあるじゃん。ああ、この『写真』ってやつだろう、たぶん」

だから、そういういい加減なことはしないでちゃんと確認してから……

「ああ、あったあった。このJPEGファイルだろう。ちょっと確認のため写真を表示してみると…。げ、何これ?」
「どうした? なんだよ、この××な写真は?」
「いや、おまえんとこのPCの中なんだけど、これ」
「え? いやその、そんなはずは。そういうのはPCには入れておかないで全部CD-Rで焼いて…いやいや、こんな写真見たこと無いぞ。いま、どのPCに繋いでる?」
「コンピュータ名が『FUGAFUGA』っていうやつなんだけど」
「へ? オレんじゃないぞ、それ。オレのは『PIYOPIYO』って名前なんだけど」
「んじゃ、これはいったい誰のどこにあるPCなんだ?」
「……」
「もしかして、もしかしてだ。他人の家の無線LANに繋いでる?」

電車に乗りながらとか、街中でWindows XPの「利用できるワイヤレスネットワークの表示」を見ると、大概いくつかのESSIDが表示されるほど今は無線LANが普及しているようで、まあここに表示されたからといって、きちんと暗号化やらMACアドレスによる制限を行っていれば繋がっちゃうことは無いわけですが、実際にそういう設定をしているアクセスポイントってどのくらいあるのでしょうね。
それはそれとして、勝手に他人の家の無線LANに繋がっちゃって、さらにその上、他人の家のPCの中をのぞいちゃったりしてしまったわけですが、これってパスワードによる保護を行ってない向こうが悪いんであって、私が不正アクセス禁止法違反じゃないですよね、ね、ね。


2004.7.26 補足
すぐ↑に書いた「不正アクセス」の話ですが、「ユーザ認証や暗号化などによるアクセス制限をしてないんだから法に触れないでしょ」という意見をいくつか頂きました。そのはずなんですけどね、一応。でも警察あたりが強引な解釈をしてこないとも限らないですし……まあ、↑は単なる「オチ」ということで ←「オチてねーじゃねーか」という突っ込みは禁止。

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