新・闘わないプログラマ No.337

ローマ字入力


先日、とある文書を作成して、内容をチェックして、んでもって某所に配るために数十枚ほどコピーして、もう一度見直したところ、文書のタイトルが、

○○○○に関する還俗について

は? いったいなんだ? なんで「還俗」なんだ? 誰がいったい還俗するんだ?
よくよく考えてみたら「○○○○に関する原則について」と書こうとしたような記憶がある…ううむ、打ち間違いかあ。もう何十枚もコピーしちゃったぞ、どうしよう…。しかしなんで「原則」が「還俗」になっちゃうんだ?

ここで「Leptonの役に立たない歴史講座」
「還俗」は「げんぞく」と読み、「出家」(しゅっけ)の反対の行為です。出家(「家出」ではない…いや、似たようなものかも知れないけど)とは、俗世間を捨て仏門に入ることです。ですから還俗とは、仏門に入っていた者が俗人に還ることを言います。
その昔は、後継者争いを防ぐため、天皇や将軍などの子供たちのうち後継者と目された一人以外は出家させる、ということをやったりしました。誰が跡継ぎかはっきりとわかるようにしたわけですね。とは言え、その後継者が死んでしまった場合とか、別の人を立てなければいけませんので、仏門にいる子供を還俗させて新たな後継者にする、というようなことがしばしばありました。
「Leptonの役に立たない歴史講座」終わり。

って、いったい何の話だ。とにかくですね、「原則」と打とうとして「還俗」としてしまった、という失敗談なのですが、よくよく考えて見るとなんでこんな打ち間違いをするんでしょう。これが「カナ入力」で

  [ケ][゛][ン][ソ][ク]

と打とうとして間違って濁点を余計に入れてしまい

  [ケ][゛][ン][ソ][゛][ク]

としてしまったのならまだ理解できないわけでも無いのですが、私はカナ入力ができません。キーボード上のカナ文字の位置はまったく覚えていません。ですので、すべてローマ字入力です。その場合、

  [G][E][N][N][S][O][K][U]

と打つはずが、

  [G][E][N][N][Z][O][K][U]

と打ってしまった、ということです。要するに「S」キーを叩くところを間違って「Z」キーを叩いてしまった、と。たしかに「S」と「Z」のキーは隣り合っていますから間違って打ってしまった、という推理も成り立ちそうですが…しかし、通常「S」キーは左手の薬指で、「Z」キーは左手の小指をちょっと下げて打ちます。明らかに指の動きが違いますから、自分自身としては間違って隣のキーを押しちゃった、とはどうにも思えないのですよね。
そう思って、記憶をたどってみると、「た」(ta)と入力しようとして「だ」(da)と入れちゃったり、「ぱ」(pa)と入力しようとして「ば」(ba)と入力しちゃったり、なんてことがよくあります。ローマ字入力なのにも関わらず、頭の中の思考がもう、濁点・半濁点から離れなれなくなっているんでしょうかねえ。結構不思議です。

ところで、日本語入力で「カナ入力」の人と「ローマ字入力」の人の割合ってどんなものなんでしょう。私のまわりで知っている範囲内ではカナ入力をする人は2人しか知りません。私の周囲の狭い範囲ではカナ入力の利用者の割合は数パーセント以下ということになります。
ローマ字入力愛用者が大勢を占めているとすれば、キーボードのかな文字の表記、「無くてもいいじゃん」もしくは「ごちゃごちゃするから無いほうがいいよ」という要望も多くなっているのでしょうか、かなの表記の無いキーボードがあちらこちらから出てきているようですね。
私がいま使っているノートPCの後継機種Panasonic CF-R3にもローマ字すっきりキーボードなんてのがオプションで選べるようですし(でも、なんでそれだけで「+3,150円」なんだ?)、これまた私が使っているPFU Happy Hacking Keyboard Lite2も「日本語配列 <かな無刻印モデル> 新発売」だそうですし。
私も、今から買うならならそっちのほうがいいなあ…お金さえあれば。

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