新・闘わないプログラマ No.241

クモの巣


「クモの巣」とは言いましても、いわゆるそのひとつの「World Wide Web」のお話、という「何を今更」感の漂うような話題ではありません。
これは公私を問わずですが、コンピュータやらネットワーク関連機器をいろいろと導入して行くと、その間での配線で、ケーブル類が入り乱れて訳が分からなくなったりすることはありがちです。もうそれこそ「クモの巣」としか表現できないような状態に陥ったりして、しかもなぜか本物のクモの巣まで張られていたりすることもあって、悲惨な状況を呈していることも間々あるわけです。

さて、家では、コンピュータ関連の機器は、機械室(兼物置兼書庫兼作業部屋兼書斎、四畳くらいの狭い部屋)に、スチールラック(横120cm、高さ180cm、奥行き45cm)を置いて、基本的にはそこに置いています。配線替えやらなんやらの作業はしょっちゅうあったりするので、ラックの裏側にも人が入れるように、ラックを壁から離して置いています…なもんで狭い機械室がますます狭くなってしまっています。
そんなことはどうでもいいのですが、このラックの裏、もう自分でも訳が分かりません。
電源ラインでも、メインスイッチで一括して電源が切れるライン(通常の機器が使う)と、切れないライン(常時起動している機器が使う)が入り乱れて存在するし、LANケーブルやらUSBケーブルやらなんやらかんやら、PC2台で、なんでこんなにケーブルがあるんだ、と思ってしまいます。
今見たら、期待に違わず本物のクモの巣もありましたし ←しかし、クモってどこからわいて出てくるんでしょうか。家の中に虫が入ってくるのが嫌で、玄関のドアは開けっ放しにしたこと無いし、窓の網戸も同様だし…そのおかげで、クモ以外の虫はゴキブリをはじめ、家の中でまず見たことが無いのですが…なぜかクモとクモの巣だけは時々見かけます。不思議だ。
それはそれとして、とにかくもうさまざまなケーブルがあちこちへ飛び交っていて、違うケーブルを抜いちゃう間違いやら繋いじゃう間違いが後を絶ちません。いきなりサーバ機の電源を抜いてしまったことも二度ばかり…そのたびにfsckが走ってなにやら怪しげなことに。ここはもう、サーバ機のディスクのフォーマットはext2を止めて、ext3とかにした方がいいのでしょうか ←そういう問題では無いような気もする。

家の場合には、配線を行うのは自分ひとりしかいないし、機器の数だって高が知れていますが、これが仕事でやるようなシステムの場合には、もっと大変なことになっているものも多いです。
もちろん、こういうコンピュータ、ネットワーク機器の設置やら配線の類は、それ専門の業者に頼んでやるのが普通です。これらの業者は、さすがにプロ、と思わせるような配線を行います(大部分の業者は…でも中には、以下略)。
ところが、工事後に要件が変更になってネットワーク構成を変えないといけない、とか、別要件で新たに1本だけLANケーブルの配線をしないといけないのだけれど、予算が無くて自分で引かないといけない、とか、諸々の理由で、私のような人間が床を這いずり回ってケーブルを引くこともたまに(ちょくちょく?)あったりします。
そうするとですね、我々のような素人の引いたケーブルは一目瞭然、と言うか、とにかく引き方が下手なんですよね。あちこち弛んでいるは、変なところで突っ張っているは、ちょっと引っ張ったら抜けてしまうは、うまくラックに収納されないで蓋が閉まらなくなってしまうは、素人なんだから大目に見てください、と言いたいところなのですが、あとで専門業者から嫌味を言われたりもするわけです ←変なケーブルが張ってあるために自分たちの工事がやりづらくなるわけですから、文句を言いたくなるのもわかります。はい、ごめんなさい。
とにかく、こういう素人の手がたくさん入った部分は、ちょっと何が手を触れただけでどこがどうおかしくなるか分かったものではないわけでして、出来れば手を出したくない、というのが偽らざる心境です。でも現実には、そうも言っていられないことも多いわけで…出来れば触りたくないスパゲッティプログラムの修正をしなければいけないことがよくあるのと同じですね。

さて、先日あるシステムでネットワーク障害が発生が発生しました。と言っても、全く通信が出来ないわけではない、という厄介なものでした。障害個所を追い詰めている間に現象が出なくなってしまったり、諦めて原因究明を明日にまわそうか、と思うとまた障害が出たり、というのを繰り返していまして、2日かけて、やっとのことで、あるハブのあるポートと、別のハブのあるポートの間の通信が断続的に障害を起こしていることを突き止めました。
そうなると考えられる有力な原因として、ハブの(当該ポートの)故障、ハブとケーブルのコネクタの接触不良、というあたりが考えられます。ハブの交換、ケーブルのコネクタの交換などをやってみたのですが、復旧せず。
ケーブル自体は、ある建物の2階から6階に引いてるため、簡単に別のケーブルに交換出来なかった(さすがにこの工事は業者に頼まないと無理)のですが、こうなるとケーブル自体の問題ではないか、という結論に達しました。
床下を通っているこのケーブルを辿ってみると、業者が配線した(2階から6階までの)ケーブルに、素人工事でケーブルを継ぎ足して現在の位置に引いていることが判明。で、その素人工事で引いたケーブル、途中で直径10cmくらいでコイル状にぐるぐると巻いてある部分を発見。しかも、先日入れた機器(全く別システム)の巨大なACアダプタがそのコイル状のケーブルの上にドカっと乗っていて…。そのACアダプタをケーブルの上から取り除いたら、ネットワーク障害は嘘のように解消したわけですが…。
誰だよ、こんなところにACアダプタを置いた奴は。それより、LANケーブルが長すぎたからと言って、よりによってこんなにぎちぎちにケーブルを巻いておくことは無いだろーが。これじゃコイルと変わらん。

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