新・闘わないプログラマ No.236

壊れた


いや、おかしいとは思っていたんですよ。何週間か前から、自宅サーバで作ったtar.gzのファイルを別のPCにftpで転送して、そこで展開しようとすると、たまに「CRCエラー」とかなんとか言って展開できないことがありました。再度実行するとうまく行くので、「まあいいか」とあまり気にせずに使っていたのですが…そのCRCエラーが発生する頻度が増えていき、しまいにはどうやっても必ずエラーが出るようになりました。
最初はネットワーク関係の障害か、と思ったのですが、いろいろ調べてみるうちに、自宅サーバに付いている2台のディスクのうち1台、OSの入っている方のディスクのファイルだけがCRCエラーを起こすことに気づきました。
このディスク、ノートPCから取り出した2.5インチのディスクを、「2.5インチのディスクなら、消費電力も小さくて発熱も少ないし、音も静かだし、常時動かしておくのにはいいかも」ということで使っていたのですが…さすがに、普通の2.5インチのディスクを1年以上にもわたって常時起動してたのですから、壊れても仕方ないかも知れませんね。
そういえば、最近流行ってきた「ブレードサーバ」なんかの場合でも、2.5インチのディスクを搭載する場合が多いようですが、あれはあれでノートPCなんかに搭載されている2.5インチHDDより信頼性を向上させたドライブを使っているそうですね。それに比べて、うちのサーバはノートのやつをそのまま使っていたわけで。
さて、そうこうしているうちに、先週の中ごろからOSの方も不審な動きをするようになり、何かコマンドを実行すると「libなんちゃらがどうしたこうした」(←よく覚えていない ←「なんかエラーがでて動かないんだよー、なんとかしてくれよー」という質問に文句言う資格無し)というようなエラーが出るようになり、週末まで復旧させる時間が取れない、それまでは持ちこたえてくれ、と2、3日はサーバのリブートでしのいでいたのですが、金曜日の朝、完全に死んでしまいました。

電源を切ってしばらく冷やしておけば復活するかも知れない、と淡い期待を抱いて金曜の朝、仕事に向かった私なのですが、仕事から帰ってきて電源を入れてみると、OS(Linux)すら起動しない。
こりゃあもう、完全に死んでしまったかなあ、このディスク。まいったなあ、全部再インストールして、自分で作った設定ファイルとかスクリプトとかプログラムとかはどこかにバックアップ取ってたっけなあ。それより、このディスク、1日でいいから復活しないものか。あ、そうだ、古より「壊れた電気製品は叩いて直せ」と言い伝えられているよな。よし、やってみよう。
というわけで、軽く殴ったり、振り回したり、床に叩きつけたり(←これはわざとやったわけでは無くて、間違って落とした)、そんなことをしてから再度、サーバ機に取り付けると…おお、OSが立ち上がったぞ。
OSが無事立ち上がったとは言え、このままこのディスクを使いつづけるのは怖すぎ、ということで、応急処置として、手元にあった2.5インチ20GBのハードディスクを使うことにしました。本当はこのディスク、別の用途のために取っておいていたのですが、背に腹は変えられず…。

さて、ここで問題になるのは、いま使っているサーバ機(IBM PC350、6587-JP7)というPC、BIOSの制限でハードディスクは8GBまでしか使えない、というのがあります。そのため、このサーバ機を捨ててPlayStation 2をサーバに使おうとし(て失敗し)たり、とかいうことは以前書いたとおりです。
ただ、この制限はOntrack Disk Managerという製品などで突破できる、しかもハードディスクがIBM製なら、この製品の同社製ディスク専用版をIBMのサイトから無料でダウンロードして使える、という話を以前聞いて、試してみたことがありました。そのときにはどうやっても2GBのパーティションを4つしか作れなくて挫折したのですが、せっかくの機会なので再度挑戦してみることにしました。
で、結果としてはうまく行きました。Disk Managerでパーティションを切るときに、インストールするOSを選ぶのですが、以前やったときには、Linuxをインストールするんだから、ということで「Other OS」というところを選んだのが敗因でした。これを選択すると最大で2GB×4パーティションしか作れないようです。そこじゃなくて、「Windows 98, Windows 2000」のあたりを選んで、とりあえずFAT32でパーティションを作れば、20GB丸々パーティションを切ることが出来ました。でもって、後でLinuxのfdiskで、FAT32からEXT2やLinux swapにパーティションのタイプを変えてmkfsやmkswapすれば、これも特に問題ありませんでした。
あとは、この20GBのディスクを、サーバ機に接続して、Hard Disk Upgrade Mini How-Toを参考に、半分壊れそうになってる旧ディスクから新ディスクにファイルのコピー等を行い、自宅サーバは2日ぶりに完全復旧となりました。

さて私自身、今までにハードディスクは20台以上買っていると思うのですが、そのうち10台くらいは壊れている(他は現役のやつを除けば、容量が小さすぎて実用に耐えないやつばかり)のですが、完全に壊れてしまってデータを救い出すことが出来なかった、ということが一度も無いのは、単に運がいいだけなのかも知れません。
しかし、いいかげん懲りましたので、今度サーバを立てるときにはディスクアレイにしないとだめかなあ、と思いはじめています。と言いつつ、入れ替えたディスクも信頼性では劣る2.5インチディスクだったりするのは、やっぱり懲りてない証拠でしょうか。

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