新・闘わないプログラマ No.206

話すこと


ネットワーク関連のあるテーマについて、社内・社外の人に講義するという仕事が入っていまして、昔はよくそういう仕事をしていたりしたのですけど、ここ数年はそういうのをしたことが無かったので、まっさらの状態から準備をしているところです。まさか5年以上も前に使った資料をいまさら使うわけにも行かないですし。
一般的に、講演とか講義とか、そういうのの準備にかかる時間は、実際に話す時間の10倍の時間が目安だ、とよく言われているのですが、私の経験からしても確かにその位の時間は必要だと思います。しかも最低限。単なる1〜2時間程度の講演で、質問も最後に10分程度受け付けて、という形態なら、10倍程度の時間で準備することも可能でしょうけど、受講者にちゃんと理解してもらって帰ってもらう、という講義…しかも今回の場合、機器を使った実習まで含んでいる…となると、とてもとても10倍程度の時間では足りません。
ある程度のカリキュラムを作成したとしても、そもそも、受講生の興味とレベルはまちまちであろうことが事前に予測できているので、それによって軌道修正しながら話をしないといけないし、質問の内容も広範囲にわたりそうなので、その質問に答えるためには、いろいろな資料も用意しておかないといけないですし。
他にも、機器(具体的には、ハブとかルータとかPCとか、その他もろもろ)を使った実習ともなれば、それのトラブルにも備えておかないといけなかったりするし、それらの機器の事前の設定まであったりするもんだから、2日間の講義のためには最低2ヶ月くらいは欲しいなあ、と思ったりもするわけです。
などと、ぐちゃぐちゃ言っているのは、「あ、○○についての講義を2日間でやってもらうから。お前、○○については詳しいだろ? 準備は1日くらいでできるよな?」などと軽く言われてしまったのが理由だったりするわけでして…ぶつぶつぶつぶつ。

こうやって講師などというのをやること自体は別に嫌いではない、と言うか、講義の準備を通して理論的な話を体系的に習得できたりするというおまけが付いてきて、それはそれで結構有益だったりします。
「理論と実践」という面から言えば、本で勉強して、例えば資格試験に通っただけで実際の仕事が出来るわけでは無い、というのと、実際に仕事で使っている技術だからといって、その全貌を体系的に理解しているわけでもない、ということは言えるわけです。まあ実際に仕事の現場を見ていると、理論がおざなり、実践のみ、というのが多いわけで、でもそればっかりだと応用がきかないわけです。
なんか、やたら抽象的な話になっちゃいましたけど、要するに、理論と実践の両方のバランスが大切なんだろうね、という至極当たり前の話をだらだらとしただけだったりするかも…。で、理論的な話も調べておかないと講義など出来ないわけで、講師をやるとそういうのも否応なしに習得で来ちゃったりして、一粒で二度おいしい、ということが言いたかったわけです。
そもそも、私自身「ある概念を理解できた」というのは「その概念を、知らない人に分かりやすく説明することができるか」というので判断しています。というか、逆に、自分でその概念を理解しようとする過程で、「これ、どうやったら他人にうまく説明できるだろうか」「こういうふうに説明すれば他人は分かってくれるかな?」などと考えています。

何か抽象的な話ばかりしてしまって「つまらん」とお思いの方も多いのではないかと思います(←私の駄文がつまらんのはいつものことか?)が、とにかくそういうわけで、いまネットワーク関連のある講義の講師をやるための準備中です。でもって、時間が無いので、仕方なく、家で資料を探したり作ったりしています。
最近は「インターネットで情報検索」(笑)などといって、いろいろと探し回らなくても結構情報を集めることができますので、家でもそれなりに仕事が出来ちゃったりします。まあ、英語の文献が多いので、英語の苦手な私にとっては、読むのが結構つらいですが…かと言って、翻訳ソフトで和訳しても、結果は冗談を書いているようにしか見えないから使い物にならないですし。
それから、受講生に渡すテキストやらなんやらは、いわゆる「プレゼンテーションソフト」を使って作っています。これがいいのか悪いのかは分かりませんけど、とりあえずどこにでもある、ということでMicrosoft Officeに付いてくるPower Pointを使っています。あまり凝ったことはやりませんが、その範囲内ではとりあえずそれなりに使えるソフトなのではないか、と。昔(6〜7年くらい前だったか?)に使ったときには、遅くて使いづらかったような記憶があるのですけど、そのときはCPUがCPUだったですから。確かIntel i486。
そういえば、ここ数年、Power Pointで作られた資料、ってよく目にするし、貰うこともあるのですけど、ちゃんとデザインしている人って結構少ないですね。
印刷がメインの場合なのに、背景を暗い色にしちゃうとか、やたら毒々しい色を使うとか、色を使いすぎてド派手な雰囲気になっちゃっているものとか、フォントの使い方で貧相に見えるとか。まあ「デザインより内容で勝負」という考え方ももちろんあるわけですが、でもデザインが貧相なやつは、内容も貧相に見えちゃったりするのですけど、気のせいでしょうか?
色使いについては、原色をべたっと塗っちゃうと、画面ではそこそこ見られても、それを印刷すると悲惨な結果になってしまうわけで、画面で見たときに「やけに薄いなあ、こんなんでは色が付いているかどうか分からんぞ」という程度の方がいい結果になりますね。
あと、フォントについては、イタリック体を多用すると安っぽく見える(←そう思うのは私だけ?)とか、英数字はプロポーショナルフォントを使って欲しいなあ(これも等幅フォントだと安っぽく見える、いやもちろんプログラムのソースとか、等幅フォントでなければいけないところもありますが)とか、明朝体とゴシック体の使い分けとか。

というわけで、日曜日の今日もPower Pointと格闘中の私だったりします。今日もいい天気だったのに、家で資料作りだったもんなあ。しくしくしくしく。

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