新・闘わないプログラマ No.156

取扱説明書


週末に、PHS…いやいや、H"の電話機を買い換えたのですけど、マニュアルが凄い。何が凄いって、その厚み。B6サイズで、どのくらいの厚さかと言うと、実測18.3mm(←ノギスで測った ←わざわざノギスを使うようなものか? ←でもマイクロメータを使わなかっただけマシか ←そもそもマイクロメータなんて持っていない ←そういえば、このノギス、買ったはいいけど使ったのは初めてかも知れない ←久しぶりだったので、目盛りの読み方を忘れていた ←大学生の頃以来かなあ、使ったの ←余談はいいかげんにせい)。総ページ数は、と言うと…あれ? ページが連番になっていない。仕方が無いので、全部足して見ると…546ページもあるじゃないですか。
今まで使っていた奴は、と言うと、厚みが10.4mm、総ページ数は322ページ。これでも買った当初は、かなり分厚いと思っていたのに…。確か、4年くらい前に買った最初のやつは、中綴じの製本で数10ページだったはず。
しかし、こんなに分厚くて、皆さんちゃんと読んでいるんでしょうかねえ。前の電話機でも、私自身、つい最近になって便利な機能を発見したこともあって…「最初から知っていれば、あんな面倒な操作をしなくて済んだのになあ」ということもありましたっけ。
今度の奴なんか、そういうことがもっとありそうな気もしてきます。何せ、これだけ分厚いマニュアルなのに、索引がほとん役に立たないほど貧弱、紙ベースのマニュアルなので「正規表現を使って、文字列検索!」なんてことも出来ないし。
とりあえず、買ってすぐに探したのが「マナーモード」への切り替え方。帰りの電車の中で呼び出し音が鳴っちゃったりするのを避けるためには、この機能をどうやって設定したらいいか、というのは非常に重要なことだったりわけでして…。
まあとにかく、これだけマニュアルが厚いと、次に買い換えるまで、便利な機能を発見できないまま終わってしまう可能性もかなりあるのではないか、などと思ったりもするわけですね。

さて、コンピュータの世界ですと、最近は紙ベースのマニュアルはどんどん廃止される方向に進んでいるわけなのですが、まあ、これはこれで利点が多いことは認めます。オンラインマニュアル(←って、何が「オンライン」なのか今となっては意味不明かも知れませんが…他に適当な言葉ってありましたっけ?)なら、分厚い紙のマニュアルを引っ張り出してくる必要も無いし、該当項目がなかなか見つからないときでも、最悪、「全文検索」という荒業も使えるし。
ただまあ、結構なお値段のパッケージソフトを買っても、CD-ROMが1枚と、あとはペラペラの「インストールガイド」だけ、なんていうのは、なんとなく「買った」という充実感というか満足感が無いなあ、と思ったり ←いや、もちろん、パッケージソフトの何にお金を払ったか、ということは当然のこととした上で言っているわけですが。
私が個人的に買ったパッケージソフトの中で、そういう意味での「充実感」が一番あったのは、PC98版のBorland C++のバージョン…あれ、いくつだっけ、忘れた…でした。つい最近まで、使われないまま埃をかぶっていたのですが、先日掃除をしたときに邪魔になって捨てました。さすがにもう使うことはないでしょうから。
とにかく、これは「充実感」…「自己満足」とも言う…がありましたねえ。何せ、秋葉原で買って、家に持って帰るのが本当に苦痛でしたから。いやもう、重いのなんの。パッケージ自体に、数百ページの本が20冊近く入っていたような記憶があります。一時期、これを本棚に並べていたのですが、これぞ、典型的な自己満足。そもそも、ソフト自体は、どれだけ使ったかというと…それは、聞かないで下さい。

最近、PC関係の開発と言うと、私自身は仕事でしかやっていませんけど(←それも、もうトシなので、自分自身でプログラミングすることはほとんど無いですが)、Visual C++あたりを主に使っています。
こいつのマニュアルと言うか、Windowsの開発環境のマニュアルと言うか、MSDNのCD-ROM(と言うのかな、私自身が契約していないので、よく知らない)あたりは、仕事で時々参照しているのですけど、なんか情報がありすぎてよく分からないというか、検索しても欲しい情報がなかなか出てこないのは困ったものです。
紙ベースのマニュアルと違って、なんと言うか、情報の全貌がよく分からない、というのがあるのかも知れませんが、とにかく「あたりをつける」とか「パラパラめくってみる」というのがうまく出来ないような感じとでも言ったらいいでしょうか。
あと、最近は情報が日本語に翻訳されているやつも多くなってきましたけど、英語ばかりだったころは、ああいう文書に限っては英語でも読むのはなんとかなる私(←たぶん)も、検索する時に、いったい何て書いて検索したらいいのか、なんてこともありました。読むことは何とか出来ても、書くことが全然ダメだったりするわけで ←でも、よく考えたら、英語で書くことが苦手、というか、日本語で書くのも苦手か。
でも、最近の日本誤訳…じゃない日本語訳の文書、誤訳満載で、それはそれで、なんと言いますか…。

さてさて、UNIXあたりですと、太古の昔からmanコマンドがありますし、他にもいろいろあったりしますけど、いずれにしても、マニュアル自体がテキストファイルかそれに類するようなファイルになっていることがほとんどですから、そのマニュアルシステム(?)での検索方法が分からなくても、grepコマンドあたりを使って(何ならfindコマンドも併用して)強引に検索をかけちゃって、あたりをつける、なんてことも出来たりするわけで、私なんかはそっちの方が楽だなあ、などと思ったりするわけです。
特に正規表現を使って検索を行いたい場合なんか、そもそも、ある(オンライン)マニュアルシステムの検索機能が、正規表現を受け付けるのか否か、またどういう正規表現が可能なのか、その使い方はどうなのか、などと調べるだけで苦痛だったりするこも多いわけで(そういう場合に限って、もうそのシステムは使わないことがほとんど)、慣れ親しんでいるgrepの正規表現を使うのが一番、ということもよくある話なわけです。

ううむ、毎度の事ながら、いったい何の話をしているんだろう。自分でも分からなくなってきましたけど、まあいつものこと、ということで、見逃してください。
ところで…
問「○○というソフトで、◇◇という操作をしたいのです。どうすれば出来ますか?」
答「マニュアルを見やがれ!」
などというやりとりは、いろいろな巷でよく見かけるのどかな光景(?)だったりするわけですが(←おい)、今度買ったH"の電話機、マニュアルの厚さを見るにつけ、私も似たような質問をしてしまいそうになったりして…。

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