新・闘わないプログラマ No.130

なぜ私に訊く?


前回の内容については、「私が想像もしないような解釈をする人も出てくるだろうなあ」と思いながら、解説も無しに、あえてああいうことを書きました。案の定、そういう方からのメールも頂きました。
あのお話については、解説は一切致しません。あれを読んで、どんな解釈なり感想なりを持って頂いても、それはそれで構わないと思っています。というか、そういうつもりで書きました。
もちろん私も思うところはあるわけですが、それを説明したところで、分かってもらえない人には、どうやっても分かってもらえそうにない、たぶんいくら話しても平行線なんだろうなあ…ということで。

それはそれとして、最近また、私宛ての(知らない人からの)質問メールが増えています。
前から言ってますけど、そういう質問メールを出して頂いても、返事は書かないことが多いです。基本的には、私はメールを頂いたら返事を書いています(出し忘れもあるかも知れません、すみません)けど、内容によってはやはり…。もちろん、私がここで書いた内容に関連するような質問などと場合はもちろん返事を書いています。
これも以前書きましたが、いい質問というのは、その質問を答える方にとっても有益なんですね…というか、逆に言えば、回答者にとって有益な質問が「いい質問」と言ったほうがいいのかも知れません。
そう言う意味で、いきなりメールを送ってくる人の大半が「いい質問」はして来ないですね。そもそも「何故、それを私に訊く?」と思えるような質問がほとんどです。
「何故、それを私に訊く?」と書いて思い当たったのですけど、結局、私が返事を出している質問メールというのは、その質問を私にすることが妥当、自然なものだけなんですね。私がここで触れた内容に関する質問であるとか、私に訊かないと分からない質問(←こんなん、実際にはありませんけどね)であるとか、はたまた、「あなたは○○は××だと言ってましたけど、△△はどうなんですか? 矛盾しませんか?」というのとか。

「友達が、『○○は絶対××だ』と断言していたのですけど、これはどういう意味でしょうか?」
→んなの、その友達に真意を訊けばいいじゃん?

「△△というシェアウェアの登録がうまく出来ません。どうやったらいいでしょうか?」
→その作者に訊くのがスジでは?

「新人プログラマです。仕事で今週中に仕様書を書かなければいけないのですが、どう書いていいのかさっぱり分かりません。仕様書を書くときの書式や注意点について教えてください」
→だからあ、「仕様書を書け」って指示をした人とか、職場の先輩とかに訊けってば。

平日の夜中2時頃のタイムスタンプのメールで、プログラムのソースを添付してあって…
「今日も徹夜で仕事してますが、このプログラムのバグがどうしても取れません。朝までにデバッグしてもらえませんか?」
→コメントする気にもなれない。だいたい、私がこのメールを読んだのは朝だし。

なんでこんな質問メールを私に送ってくるのでしょうか? 質問してくる人の意図というか、思考回路というか、そういうものが全く理解できないのですが…。
私は別に、質問者と、知り合いでもないし、利益を共有するような間柄でもないし、その質問の分野の第一人者でもないし、そもそも答えなければいけないような義務もない。
いったい何故? 何故、私を選んだの? その質問をするなら、もっと他に適任者がいるんじゃないの?

よく「質問する方は困って、どうしようもなくなって質問しているんだから、質問者の立場に立って、相手のことを思いやって、ちゃんと答えてあげましょう」などと、いかにももっともらしいことを言う人がいるのですけど、んじゃあ、質問された方の立場は、思いやってくれないの?
逆に「私の時給を仮に○○円として、その質問に答えると○時間掛かるから、○○円の費用がかかることになる。それをタダで…」というような趣旨のことをおっしゃられている方も何人か知っております。私はそこまでは言いませんけど、少なくとも、質問に答えることによって、私の方に何らかのメリットがあるような質問じゃないと、答える気にはならないです。
そもそも、ここにこうやって駄文を書いているのだって、実際のところ、自分にとって有益なところがある、と思っているからこそ、こういうことをやっているわけで、単なる無料奉仕では無いんですよね…まあ、その「有益」というのは、別に直接的に金銭が絡むようなものではありませんけど。

ところで…このあいだ質問メールを送ってきた人、メールの最後に
「ちなみに私は、去年大学を卒業したばかりの新人プログラマの女性です」
と書いてあったけど、ねえねえ、これはどういう意味? 質問と何か関係があるのでしょうか???

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