新・闘わないプログラマ No.117

63,000


Windows2000が6万3千個のバグと一緒に無事(?)出荷されたわけですけど、もうすでに、この週末あたりにインストールしてみた方も結構いらっしゃるんでしょうね。私は、と言えば、別にそう焦ることも無いし、とりあえずは様子を見ているところです。そのうち、ノートパソコンのOSはWindows98からWindows2000にしたいな、とは思っていますけど。あ、その前にメモリを増設しなくちゃ。
でも、マイクロソフト(日本法人)の社長は、Windows2000は一般向けじゃなくて、企業向けがメインだ、なんて突然言い出したようですけど、どうしちゃったんでしょう?? もともとはWindows98の後継、という位置付けで「NT」の文字を外したんですよね。その後、どんどんトーンダウンして、結局はNT4.0あたりと同じ位置付けですか……あ、マイクロソフトのサポートに苦情が殺到するのを見越して、先手を打ったのかな?
「Windows98をWindows2000にアップグレードしたら動かなくなったんですけど」
「Windows2000は企業向けの製品ですので、個人の方はWindows98をお薦めしております」
とかなんとか。

さて、その「6万3千個のバグ」ですけど、世間(←私がwebで見た範囲の狭い「世間」ですが)では、「こんなにバグがあって出荷するとはいい根性している」とか「お金を出して買うユーザのことを馬鹿にしている」とか、まあ非難囂々だったりするのですけど、あまりそういう論調ばかり見ていると、天邪鬼な私としては、反対なことを考えてしまったりします。
ところで「6万3千個のバグ」ってのは、多いんでしょうか。Windows2000のソースの行数ってのは、どこかで公表されていたような気がするのですけど、確か数千万行だったと記憶しています。仮にこれが6千万行とすると、千行に1個のバグがある、という計算になりますか…。
まあ、これだけ見れば、まあそんなもんかなあ、と言うくらいで、取りたてて驚くには値しない程度かなあ、とか。
もちろん、バグはソースの行数に比例して増えて行くような性質のものでも無いし、いろいろな要件が絡み合っているわけですから、単純にソースの行数とバグの数を比較しても、あまり意味は無いのですけど、まあ目安ということで。
私自身、数千万行のソースのシステムなどというような代物に関わったことが無い……というか、そもそもそんな巨大なシステムってまず無いですよね……ので実感は沸かないのですけど、でもまあ、そんな巨大なシステムなら、そのくらいのバグがあっても不思議はないのではないか、などと思ってしまいます。

そもそも「6万3千個のバグ」があるソフトであろうが、自分が使う上でさほど支障が無ければ、別に大騒ぎするほどのことでもありませんよね。仮にバグが1個しか無いOSがあったとして、そのOSで自分がやりたいことをやると、その1個のバグのせいで必ずOSが死んでしまう、というのなら、そのOSは自分にとっては「使えないOS」という烙印を押さざるを得ないわけで。
「6万3千」という数字だけが一人歩きして、「6万3千」→「むちゃくちゃ多い」→「ひどい」というのは何か違うのではないかな、と思うわけです。だいたい、その数字、Windows2000のバグの数だ、ということだけで、どの部分まで含んでいるのかはっきりしません。私も調べてみたのですけど、そのあたりのことが書かれている文書は見つかりませんでした。
私が思うに、たぶんWindows2000 Serverは含まれているんだろうなあ、Active Directoryとか、あのあたりの機能は全くの新機能だから、かなりのバグが含まれているんじゃないかなあ、そういうのもカウントしていたら、かなりの数になるのは当たり前だろうなあ、などと。
あと、Windows2000のパッケージには、さまざまな機器用(一般的じゃないものも含めて)のデバイスドライバとかが沢山付いてくると思うのですけど、そのバグはカウントしているんだろうか、などと、そんなことも思ってしまいます。こんなの、自分が使わない機器のデバイスドライバにバグがあったって、そんなの関係無いわけで。
要するに、いくらバグがあったって、自分に関係が無いところだったら、別にどうと言うことは無いわけです。まあ、Active Directoryのような初物の機能を使う場合にはかなり注意しないといけないとは思いますし、そもそもいきなり大規模なネットワークにActive Directoryのような新機能を使うような無謀な真似は、普通はやらないものです ←でも、そういう無謀な人がいるからこそ、バグが発覚するという面もあるわけで、大変感謝しております > 無謀な人 :-)

でも、実際のところどうなんでしょうかね、Windows2000。
私自身、プレリリース版もインストールしなかったので実感としては湧かないのですけど、いろいろな人の情報を集約すると、Windows2000 ProfessionalをデスクトップOSとして、一般的な機器構成で、一般的なアプリケーションを動作させる範囲内においては、いまのところ致命的は問題は無さそうだ、という感触なのですが。あ、ゲームもよく分からないですけど、これはまあ、私は使わないので無関係ということで、とりあえず除外。
それにひきかえ、Windows 2000 Serverの方は、新しい概念の新機能がかなりあるようなので、こっちの方が恐いような気がします。安定性が第一のサーバOSですから、新機能は、かなり様子を見て、評判を聞いてからじゃないと、ちょっと使いたくないところです。
などと思っていたら、早速、あるシステムのOSをWindows2000 Server/Professionalで行きたい、というユーザ側の要望があったとか、そんな話を、Windows2000の発売日の先週の金曜日の帰り際に聞いたような気もするのですけど、考えたくないので空耳ということにしておきましょう。

[前へ] [次へ]

[Home] [戻る]


mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp