新・闘わないプログラマ No.116

やったことの無いこと


今週は待望(いろいろな意味で)のWindows2000が発売されますよね。恒例の深夜発売もあるようですけど、どうなんでしょう、そんなに盛りあがるんでしょうか。
とは言うものの、私もWindows2000には密かに期待している、というのは前にも書きました。仕事でも家でも、Windowsは95/98系よりNTの方が沢山扱っていて慣れているし、安定性もNTの方が格段に勝っているので、出来ればNTで全部統一したい、というのが私の本音です。
でもノートパソコンだけは、NT 4.0あたりを入れて使うには、いろいろと制限がありすぎ、まあ使って使えないこともないことも事実ですが、あまり使い勝手がよくないなあ、というのが実情でした。
Windows2000は、NT系のOSでありながらノートパソコンでも、Windows98と同等の使い勝手が期待できる(と言われている……まあ、現実はどうか不明ですが)はずなので、ノートパソコンのOSとして「使える」ようならば、早めに置き換えたい、などと思っています。
まあ、だからといって、今週末にすぐに買いに走るほど急いでいるわけでも無いので、いろいろ評判を聞いてから、ぼちぼちやって行きたいと考えています。NT系だから、Windows98よりは安定性は高いだろう、とは思いますけど、実際には評判を聞いてみないとなんとも言えないし。それに、なんと言ってもOSを入れかえるのは大変ですから。

ところで、Windows2000って、NT(3.51/4.0)以外にも、Windows95/98に対して上書きインストールができるようですね。私はこの、OSの「上書きインストール」ってやつ、壊れてもどうでもいいや、というやつに試しでやったのを除けば、いまだかつてやったことが無いんですよね。いや、正確に言えばNT3.5→3.51ってのはありますけど、これはまあマイナーバージョンアップというか、「なぜ、これはサービスパックとは呼ばないの?」というようなやつでしたから、とりあえず除外。
で、なぜOSの上書きインストールをやったことが無いか、と言うと、「恐い」というのがいちばんでしょうか。やってもみないで「恐い」というのは、ちょっと何なんですけど、まあ、恐いものは恐い、ということで。
手元に、Windows2000 RC2のCD-ROMがあるのですけど、この説明書「Windows2000 Professional 日本語プレリリース版(RC2)の使い方」に、こんなことが書いてあります。

Windows95/98からのアップグレードは失敗する場合があることを念頭においておくべきである。

まあ、普通こういうことが書かれていたら、
「どういう場合に失敗するのか」とか、
「失敗を避けるためにはどうしたらいいのか」とか
「失敗に備えてどういう前準備をしたらいいのか」とか
「失敗した場合にどういう対処法があるのか」とか
そんなことが書かれているのが、普通だと思うのです。ところが……どこを探してもそれが無い。もちろん、これは正式版じゃなくて、あくまでもプレリリース版ですから、そこまで要求するのは酷である、とも言えますけど、それならそういう風に書くのが親切というものです。
でも、まさか製品版のマニュアルでも、同じようなことが書かれていたりしませんよね。
まあ、Windows95/98とWindows2000は、GUIがよく似ていたり、APIがそっくりだったりするけど、そもそも全く異なる系列のOSですから、Windows95/98→Windows2000は「上書きインストール」などというOSのバージョンアップの概念からはかなり外れてしまう……そもそもMicrosoftでは「アップグレード」と呼んでいるくらい……わけで、 簡単に行かないだろう、ということは予測できるのですけど、「失敗する場合がある」だけでは、あまりに不親切ではないか、などと思うわけです。

上書きインストールのメリットは何か、というと、以前の環境を残したままOSのバージョンアップが出来る、ということが挙げられます。OSを新規にインストールすると、今まで設定した内容が消えるし、インストールしていたアプリケーションも再インストールが必要だし、まあ面倒なことこの上無いわけです。
ただまあ、これもよし悪しで、以前、WindowsNT 3.51→4.0の、上書きインストールによるバージョンアップを試し(遊び)で行ったことがあるのですが、スタートメニューの登録が、NT3.51のプログラムマネージャ(うーむ、懐かしい名前だ)のグループの内容がそのまま移行されてきていて、NT4.0の標準とはかけ離れた状態になってしまったりしたり、あと、Windowsディレクトリの名前が「C:\WINNT35」のままだったり(これは「上書きインストール」なんだから仕方がないですけど)、なんかいまいちかな、などと思いました。
世の中には酷いプログラムもあって、WindowsディレクトリのパスをAPIを使って取得せずに、Windows95/98だったら「C:\WINDOWS」、NTだったら「C:\WINNT」、と決め打ちしているようなやつもあって、そういうタコなプログラムでは「C:\WINNT35」はちょっと……。

まあ、OSのバージョンアップは、結果的に過去のゴミを一層する機会にもなりますし、私は、OSは必ず新規インストールにして、あとは地道に元の環境に戻して行く、というようなことをやっています。
この「元の環境に戻す」ですが、MacOSはこれがやりやすいですね。私は、Macintoshは最近はほとんど使ってない(←早い機械が無い ←お金が無いから買えない)のですけど、Macの場合、このあたりの管理が楽なのがいいですよね。
MacOSの場合、OSの新規インストールをしても、アプリケーションの再インストールはほとんどの場合、必要無いですから。Windowsの場合、随所でレジストリとファイルの二重管理になっていて、こっちをこうしたばあい、そっちもそうしないと動かない、などということがよくあって、たとえば、アプリケーションをインストールしたディレクトリの名前やらドライブを勝手に変更すると、そのアプリケーションが動かなくなるのが普通ですけど、MacOSの場合は、そのあたりがうまく行くような仕組みになっています。
そう言う意味では、MacOSはよく考えられているなあ、と思うのですけど、いかんせん、カーネルが古すぎ。

ところで、Linuxも、RedHat系やDebian系は、上書きインストールによるバージョンアップが出来る、ということになっています。
特にDebianは、パッケージ管理が優れていて、バージョンアップが簡単だ、と言われています。ただ、私自身、Debianはdselectでめげてしまって(笑)、ほとんど使ったことが無いので、このあたりのところは実感としてはわかないのですが。
RedHatの方は、いま仕事で5.2を使って運用しているサーバがあるのですけど、カーネルのバージョンを上げたくて(2.0.x→2.2.x)、RedHat 6.1にしようか、と計画しています。これもまあ、出来るということになっているのですけど、実際問題としてどうなんでしょうねえ。
あちこち設定をいじくり倒しているし、そのまますんなり行くとはとても思えないのですけど。平日はずっと使っているサーバなので、週末で作業しようと思っているのですけど、特殊な構成のPCなので代替機は無いし、失敗したら土日は徹夜かなあ。

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