新・闘わないプログラマ No.110

最後はやっぱりこの話


今年最後の更新です。「1900年代最後の更新」とも言えますが、何か恥ずかしいですよね、こういう大げさな言い方。「1900年代最後の○○」とかいう言い方が流行っていますけど、あと「1000年に一度の○○」なんてのも、100年以上も前からこんなことやっているのならともかく、まだこんな駄文を書き始めてから2年ちょっとしか経ってないのに「1900年代最後の更新」などという大それた言い方はちょっとねえ……。
まあ、そんなことはどうでもいいのですけど、やっぱりここは、巷で流行の「2000年問題」:-)を取り上げるしかないのかなー、などと思っています。いや、別に全然違う話をしてもいいのですけど、まあ流行り物ということで。

しかしまあ、マスコミをはじめとする、あのはしゃぎ様はなんとなならんものでしょうか。大した問題が無かったら、結局誰かをいけにえにするんでしょうね。どーでもいい問題を針小棒大に取り上げて。なんか、一番のトラブルを出したところは、ここぞとばかりに叩かれたりするんじゃないかなー、などと心配になります。そんなことになったら、自殺者でも出かねないですし、そしたら、それがまたニュースのネタになったりしてね、「2000年問題の最初の犠牲者」とかなんとか言って。まあ、そんなことが杞憂に終わることを願っています。
でも、あのはしゃぎ方って、台風が来る前にわくわくした子供の頃、その台風が大きければ大きいほど、被害が大きければ大きいほど、というあの感じに似ているような気がします。要するに、自分はタマの飛んでこない安全なところで、他人の不幸を期待している、あのいやらしさに通じるんじゃないかなー、などと思うわけです。でもさ、マスコミの皆さん(って、こんなところ読んでないと思いますけど)、元旦にテレビの電波が止まったり、新聞の印刷が出来なくなったり、なんてことの無いようにせいぜい注意してくださいね。

そう言えば、以前にここで「99年9月9日問題」を取り上げて、下らない問題だ、と茶化したことがあります。それに関連して、反論のメールを2人ほどの方からいただいたことがあります。要するに、これはこれで重大な問題だ、との趣旨でしたけど、そうでしょうか? 私は、少なくとも2000年問題とはレベルの違う、もっと低レベルのしょうもない問題だと思うんですけど。
2000年問題は、「年」を何桁で表現すべきか(つまり、扱うデータにどれだけの資源を割り当てるべきか)、という設計レベルの根源的な問題が根本にあるのに対して、「99年9月9日問題」なるものは、単にプログラマのバグ(もしくは設計ミス)に起因するわけで。
そりゃまあ、その日がバグが出やすい日であるから注意が必要である、というのは確かですけど、それを言ったら、毎年の年末・年始や、年度末・年度始めだってかなりバグが出やすい危険日なんじゃないでしょうかね。要するに、そこだけ(マスコミまで巻き込んで)騒いだってしょうがない、ってことです。

なんか、こんなことばかり書いていると、「じゃあお前は、2000年問題で絶対に何も起こらない、と思っているのか」などと言われそうですけど、そんなん、なってみなきゃわからねーよ、というのが本心です。
世の中、「絶対に安全です」などと言うのは政治的発言でしかないわけで、技術的な可能性を言ったら、どんなことだって起こる確率はあるわけですから、「絶対に○○だ」などと言うことは、技術者の立場からは言えないのは当然のことです。世間では、「よくこんなプログラム、トラブルも無く動いているよなー」なんてプログラムがうじゃうじゃ存在していますし。
でもまあ、そんなに大ごとが起きる確率はかなり低いだろう、とこの業界のほとんどの人は思っていますし、私ももちろんそう思います。でも、これは単なるカンです、根拠はありません。でもまあ、例えば飛行機に乗るときに、この飛行機は多分落ちないだろう、と思う程度には、大ごとは起きないだろう、と思っています。それにまあ「大ごと」とは何か、と言う定義にもよりますけど。ある人にとっては、タイマー予約しておいた元旦の「芸能人なんちゃら大会」(←いまでもそういう類の番組を正月にやっているのかは知らない、だってテレビ見ないんだもん)の録画が失敗するのが「大ごと」かも知れませんし :-)

なんか、取り止めの無い話に終始してしまったような気がします ←いつものこと?
ちなみに私は、今度の年末年始は、そんなに忙しいと言うほどでもありません。でも、帰省はしないで、待機はしていますけど、職場に出るのは2日くらいかなー、という程度です。私の仕事の担当が、現在はネットワーク関係が主で、あまり日付が重要になるようなところをやっていないせいもあって、最悪動かなかったら時計を戻せばいいや、という感じなもので。
しかし、急にあるシステムで使っているCiscoのスイッチングハブのソフトウェアを2000年対策版に入れかえる、なんて話もあって、なんで今ごろ、などと思ってしまいました。そんなん、問題があるんだったら日付を戻せばいいじゃん、とか思っちゃうし、そういう対処をすることになっていたのですけど、何やらお役所の方がそれじゃ納得しないらしい。でもさー、スイッチングハブなんて、日付に依存するような処理なんて何もやってないんだけどなー。Ciscoをはじめ、その手のネットワーク機器を作っているメーカはウハウハ(←死語)らしいですねー。
というわけで、年末年始がお仕事の皆さん、ご苦労様です。私は家でごろごろしている予定ですけど、石は投げないで下さい。

[前へ] [次へ]

[Home] [戻る]


mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp