思ツタコト No.35

暴言


何をいまさら、と思われた方も多いと思いますけど、例の東芝事件です。
いや、先日久しぶりに、件の録音を聞いたんですね。当人のページにあったころに一度だけ聞いたことがあったのですが、その後削除されてしまいましたから、聞けなかったわけです。で、久しぶりに聞いてみたのですが(って、そんなに何度も聞くような代物じゃないですけど……)、やっぱり不快感が残りますね、あれ。
ただね、その不快感の源、というのは「あんな暴言を吐くなんて許せない」とか、そういったところから来ているわけじゃないのですよね、少なくとも私の場合。あの会話(?)、いかにもありがちなんですよね。別にメーカーにクレームを付けた、というような場合に限らず、あんなようなやりとりって、経験ありませんか? あの手の「暴言オヤジ」って、世間に沢山いませんか? 私が不快感を持ったのは「そうそう、ああいうオヤジ、いるいる。そういやあのときも……」ってな調子で、自分の経験とオーバーラップして見ちゃうから不快感を感じるのでしょうね。
自分は頭が悪いくせに、年上だとか、経験があるとか、勘違いして、ああいう言い方する奴、職場にもそうだし、仕事相手にもそうだし、外に出ても、い〜っぱいいますよねえ。
あの録音を聞いて「あんな暴言を吐くなんて許せない」から「東芝の製品はもう買わない」っていうような事を言っていた人をよく見掛けましたけど、そんなことしていたら、どこの製品も買えなくなっちゃうような気もします。ああいうのは、どこの社会に行っても、ある一定割合はいるでしょうから。

それはそれとして、騒ぎになった後の東芝の対応、やっちゃいけないこと、やっちゃいけないこと、こいつらわざとやっているんじゃないか、と思わせるほどまずい対応をしてましたよねえ。
あの東芝の対応、件の「暴言オヤジ」のやり口と一緒なんですよね。そんなことしたって逆効果だよー、というような対応ばかり選んでやっているような気もしてくるくらい。
今回のことについて、どちらがどれだけ正しいか、というのは当事者じゃないので判断を下すことはできませんけど、AKKY氏が次々と有効な手を打ってきたのに対して、東芝のあの対応はねえ「こいつら本当に馬鹿?」と思わせるものがありましたから。
今回のことは東芝にとっては「禍」だったかも知れませんけど、有効な手を打てば、それを転じて「福となす」ことだって出来たのにねえ、などと思っちゃうわけですね。とにかく、さっさと謝っちゃえば、そんな大事にならずにすんだと思うんですよね。頭を下げたって減るもんじゃ無し、変なプライドが邪魔しているだけですからね。逆に、頭を下げないことで、かなり減っちゃったような気もしないでも無い。

ううむ、なんかありきたりの話になっちゃったなあ。とにかくあの録音を聞いて、私が思ったのは、「暴言が許せない」とかそういうことじゃ無かったりするわけです。暴言が「芸」の域にまで達していれば、それはそれで面白がったかも知れませんけど、あの程度じゃあ「芸」の域まで達していませんですね。いかにもありがちなやりとりで。
というわけで、次はもっと「芸」を見せて下さい、東芝さん。


件の録音を聞きたいという方、私もどこから拾ったのか忘れてしまいました、ごめんなさい。「悪徳商法?マニアックス」にこの事件関連のリンク集がありますので、そこから探せば見つかると思いますので、興味のある方はそちらで探して下さい。

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