思ツタコト No.29

電磁波はコワイ


「よく、電磁波を浴びると癌になるとか、脳腫瘍になるとか、女の子しか産まれなくなるとか、聞くけど、電磁波ってそんな恐いものなの? だったらなんで法律で規制しないの?」
「そりゃあまあ、程度問題だけど……女の子しか産まれなくなる、ってのはデマらしいけど」
「でも、やっぱり恐いものなんだろ?」
「いや、だから程度問題だって。猫の毛を乾かそうとして電子レンジに入れたら、そりゃあ問題だけど……」
「えっ? 電子レンジって電磁波が出ているの?」
「そうだよ、知らなかった? 電磁波で暖めているんだから、あれは」
「そ、そんな危険なもの、よく平気で売っているね」
「いや、危険ったって……電磁波が飛び交っているのは中だけだから。まあ、外にも多少は漏れるだろうけど、一応危険のないレベル、ってことにはなっているはず」
「でも、暖めた物の中に電磁波が残っていたらどうするんだ。やっぱり危険じゃないか」
「電磁波は残っていないって。電磁波の性質から言って、物の中に残留するようなものじゃないから、その点は絶対に大丈夫。吸収されて無くなってしまった、と思ってくれれば間違いない」
「ふうーん、なんかよく分からないけど。でも、コンピュータのディスプレイの前で仕事をしている男性の子供って、みんな女の子らしいけど」
「それも、きちんと統計を取ったらデマだそうだよ。そりゃまあ、ディスプレイから電磁波は出ているのは確かだけど」
「え? じゃあ、ディスプレイはやっぱり危険なんじゃない。そりゃ、メーカーの怠慢だよ。なんで、完全に電磁波を遮断するディスプレイを作らないんだよ」
「そんなん、無理だって(笑)」
「何でだよー。俺だったら、多少高くてもそういうメーカーのディスプレイを買っちゃうけどな」
「いや、その、値段が高いか安いか、というような問題じゃなくて……電磁波が全くでないディスプレイって何も映らないんだけど」
「へ? どうして?」
「あれー、知らなかった? 光も電磁波なんだけど。光が全くでないディスプレイってなんか意味ある?」
「え゛、そうなの?」
「だからね、電磁波が恐い、電磁波が恐い、って騒いでいるだけじゃ何も意味無いわけ。そりゃ、どんな電磁波だって、ものすごく強いやつを浴びたら危険だよ、そんなの当たり前のことで。あとね、電磁波には『波長』ってのがあって、これによって性質が全然違うわけ。ある波長の電磁波は可視光線、つまり目で見える光なわけだけど、これを危険だって思っている人はいないでしょ」
「ふ〜ん」
「電磁波は、波長の長い方から、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・γ線なんて呼ばれているけど、それぞれ性質は全然違うわけ。太陽が暖かく感じるのは、太陽から出た赤外線を肌が吸収して、それで暖かく感じているんだよね。これは別に危険じゃない」
「つまり、電磁波には、悪玉電磁波と善玉電磁波があるんだ」
「うーん、コレステロールじゃないんだからさあ(笑) 言わんとしていることは分かるけど……誤解を生みそうな表現だなあ」
「でも、そういうことなんでしょ?」
「だから、そういう表現をすると、『悪玉電磁波を善玉に変える神秘の原石、タキオンパワーが秘められたこの石をディスプレイの前に置くだけで、危険な電磁波を健康にいい善玉電磁波に!! 今なら、恋の願いがかなうタキオンペンダントとセットで29,800円!』なんて怪しげな商売をイメージしてしまう」
「そりゃまた、具体的なことを……」


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