私と武者小路実篤


 このホームページを始めるにあたって、私の武者小路実篤に対するスタンスを明確にしておこうと思う。そうでないと読者の方々も戸惑われることがあるかと思うからである。

 私が実篤を知って40年近くになる。中学の頃の熱情は去り、大学の頃のようにこねくり回そうとする邪心も失せ、ようやく素直に相対せるようになった。偶然記念館の近くに引越したのを機に展示替えのたびごとに記念館に通い、実篤や白樺派の文章を読み返し始めた。久しぶりに読む彼らの文章は懐かしく、また新しい側面を発見することもでき、知的好奇心をかきたてられるものだった。
 読み返す中で感じたことは、やっぱり私は彼らが好きであり、またその影響を色濃く受けているということだった。もとより実篤らのすべてを肯定するつもりはない。だが彼らについて知っていくことは、どこかで自分を理解することにつながっているような気がするのだ。だから実篤や白樺派について、改めて自分自身に引きつけながら親しく見ていきたいと思っている。彼らの作品の何が良いのか、どこに心ひかれるのか、そういったことをゆっくりと考えていければと思っている。

 私は研究家ではないので、趣味として、一愛好家としていろいろ読んだり調べたり、そして書いたりしていこうと思う。このホームページも実篤の私設ファンクラブのようなもので、そこから「武者組」という名前を付けた。こういったものでもインターネットを通じてなら、少数の必要とする人々に見てもらえる可能性が出てきた。ありがたい時代だと思う。せっかくだからその時代の恩恵を享受させていただこうというのが、ホームページを立ち上げたきっかけである。
 いろいろと不十分なところや未熟なところもあると思う。しかし今の自分にできることを形にしていくことは、それ以上に意味のあることだと考え、拙い文章ではあるが公にしようと考えた次第である。読者諸氏のご意見をいただきながらより良いものにしていきたいと思うので、ぜひご意見ご感想を筆者までお聞かせ願いたい。

(2015年8月14日:更新)


ホームページへ戻る「勉強勉強勉強」へ戻る

(c) konishi satoshi