・みちが庭となる住宅地01
人と人

敷地と敷地

家と家

まちとまち

様々な「境界」をほぐしつつ

つないでいく住宅地


「まちにわ」

一般的に、
住戸と住戸の敷地の境界線は、
住戸の大きさで決まっていきます。

自分の家の庭は、自分の家の庭として完結し、
空間づくりにおいて重要な、
採光、通風、視線の抜け方などは
自分の敷地内で解決させます。

そして、敷地と道路の境界線は
私有地と道との境界線で分けられます。

このことは、当たり前のことかもしれません。

しかし、
その当たり前によってつくられた町並みが
必ずしも、私たちにとって
豊かな住環境を与えてくれるとは限りません。

私たちは今回、
建築やまちづくりにおいて存在する
たくさんの当たり前の中から
「境界」の当たり前を疑うことで
よりよい環境をつくれないかと考えました。

東京都内の住宅地に8
戸同時に
つくるからこそ生まれる空間をもった、
戸建集合住宅です。

通常ならば各住戸は、A図のように
区画され、道と敷地はB図のように
分けられます。

今回の計画では、住戸同士の区画は、
C図のように隣家との庭を向かい合わせに
共有部分を持って配置します。

窓の位置や大きさを調整することで
プライバシーを守りつつ、
隣家の庭まで、自分の庭のように捉え
拡がりを感じながら生活ができます。

半分が自分の庭で、半分が隣家の庭のような
快住コモンをつくることで、実際の敷地の大きさ
よりも広い範囲を有効に使えるようになります。

道と私有地の関係はD図のように
単純な境界だけで分けずに、
道も庭と捉え、境界線上に家具や、果樹のように
住人の行為を誘発するデザインをします。


具体的には、

1、インテリアのような素材(ウッドデッキ)を街区
 全体に使い、室内とまちを良好につなぎます。

2、抜けのある区画構成にしつつ、
 境界線上には、ベンチや果樹を配置します。

3、塀はつくらずに、住戸間の視線をコントロール
 する、お互いさまの関係をつくる。


以上より、
実際の区画のイメージはE図のようになります。

各住戸内に、庭のような道のようなスペースが
存在し、それらがつながっていきます。

これらのスペースは、住宅とまちとの中間的な
領域をつくりだし、
住環境を豊かにすると同時に、
まちの表情も豊かにしてくれるのです。

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