私たちトレイルブレイザーズ・テンピース・ブラスは、去る6月9日から11日、アメリカはケンタッキー州ダンヴィルで開かれた<The Great American Brass Band Festival>にゲストとして招かれ、のべ4万5千人以上(主催者いわく)のお客さんの前で4回のステージを披露してきました。その模様を、写真とともに「絵日記」風にレポートしたいと思います。
その前に、このフェスティバルについて少しお話ししましょう。これは1990年に、ダンヴィルの町とセンターカレッジ(Centre College)の総意で発案され、地域の企業や行政機関などのスポンサー協力を得て始まりました。以来、6月第2週の金曜?日曜の3日間は町の人口が2倍になるという、ケンタッキーで最も有名で大規模な催しになったのだそうです。出演団体は、地元の市民ブラスバンドやケンタッキー州内のセミ・プロ・バンド、アーミーバンドから、アメリカ国内の著名なバンドまで、実に様々です。ニュー・オーリンズのジャズ・バンドや、南北戦争の頃の楽器(オーヴァーショルダー・ホーンなど)を当時の服装で演奏する、いわゆるコスプレ・バンドなどは、かなり人気が高いようです。過去のメイン・ゲストには、カナディアン・ブラスやエンパイア・ブラス、リズム&ブラスなどが招かれています。
プログラム・メニューは、毎年だいたい定番になっていて、初日は、バンド史についてのカンファレンスとTシャツなどの記念グッズの販売開始(これが人々には結構重要らしい。町のスーパーとかでもTシャツは売り出されていて、本当に町をあげてのお祭なんだなぁ、と感じた)、町の飛行場で行われる気球レース、その飛行場や町のあちこちでフリースタイルで繰り広げられるバンド演奏などで幕が開けられます。
2日目は、大通りでのパレードから始まり、センターカレッジのメインステージと、町の大通りの辻などにあるいくつもの屋外ステージで、それぞれのユニフォームに身を包んだバンドたちが演奏を披露します。もちろん、町中にいくつもの屋台が出るのはいうまでもありません。メインステージ前は、もう、超大型野外ピクニック・パーティー状態で、夜遅くまでアルコール抜き(!)で盛り上がっていくのです。
3日目は日曜日なので、朝、メインステージでは牧師さんが立って礼拝をします。それから演奏が始まりますが、お客さんのほうも、前日のお祭り騒ぎより少し落ち着いて「音楽を聴いて楽しもう」という雰囲気の中(それでもピクニック・スタイルですが)、リクライニング・チェアーにのんびり足を延ばした老夫婦から、犬を連れた若者たちまで、思い思いのリラックスしたスタイルで、メインステージで演奏されていくプログラムを明るく楽しんで、日の落ちないうちにフェスティバルは終わります。
今回は2000年記念ということで、初めて海外からゲストを招いたのだそうです。イギリスからはテューバ・ソロイストのフィリップ・サイクス氏とFestival Brass(14人編成のブリティッシュ・ブラスバンド)、ドイツからはMusikverein Herforst 1933(50人くらいのウィンド・バンド)、デンマークからはTivoli Ensemble(9人のブラスと1人の打楽器によるテンピース・ブラス)、そして日本の私たち、というラインアップでした。
ケンタッキー及びアメリカ国内からの全出演団体は以下の通りです。
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