----- 第7章 「目に見えない世界」の入口 Portals into the Unmanifested ----- 第1節 インナーボディのさらに奥にはいろう Going deeply into the body 身体のエネルギーは感じられるようになったが、それほどパワフルな感覚を感じることができないときは、瞑想してみること。自分の内側の「在る」という感覚だけに意識を集中させて、その感覚と一つになる。 この次元は、万物が分裂して、個別化する前の世界。この次元を「目に見えない世界」「万物の源」「大いなる存在」と言い換えることもできる。 ----- 第2節 気がわき出る源はなにか? The source of chi 気はインナーボディのエネルギーで、その源泉が「目に見えない世界」。 インナーボディの奥へ入っていくと、「目に見える世界」が「目に見えない世界」の中に融合していると同時に、「目に見えない世界」が、気というエネルギーになって世界を作っている場所に到達できる。 「目に見えない世界」を一度でも経験すると、経験する前とはまったく別人になる。 外界で何が起こっても「目に見えない世界」を感じていれば、ゆるぎない心の平安、沈黙が得られる。「神」と「この世」をつなぐパイプ役になれる。これが「さとりをひらくこと」。 ----- 第3節 夢を見ない、深い眠り Dreamless sleep 意識を保ったまま、自分の意思で「目に見えない世界」に入らない限り、本当の意味で自由にはなれない。 ----- 第4節 「目に見えない世界」の入口 Other portals 1、インナーボディのエネルギーを感じること 2、強烈に「いまに在る」こと 3、思考を止めること 4、すべてをあるがままに受け入れること 「愛」は入口の一つではなく、入口を通じてこの世界に運ばれてくるもの。 ----- 第5節 沈黙も入口のひとつ Silence 目に見えない世界は沈黙という形でこの世界に存在している。会話の最中でも、言葉と言葉のあいだの「すきま」に気づくようにすると、自分の内面の奥行きが広がる。外界の沈黙を意識すると、内面も静まる。 ----- 第6節 空間にはどんな意味があるのか? Space どう見ても個体にしか見えない物質も、100%近くが「空っぽ」。万物の本質は「空(くう)」。「目に見えない世界」は沈黙として存在するだけでなく、物質界の内にも外にも「空間」として広がっている。 自分を取り囲む「空間」に意識を向けるようにする。「無」の存在を感じる。「無」に意識を向けると、意識のシフトが起こる。「空間」か「沈黙」を意識すると、思考活動をすることができなくなるから。 ----- 第7節 時間と空間のほんとうの意味 The true nature of space and time 空間以外に何も存在しなかったら、空間を認識することはできない。沈黙以外に何もなかったら沈黙を認識することはできない。 この世界がつくられた究極の目的は、この世界の中ではなくこの世界を超越したところにある。「目に見える世界」を通して、「大いなる存在」が自分自身を知ることができる。 「まぼろしがなければ、さとりも生まれず」 ----- 第8節 死の前に「死ぬ」こと Conscious death たとえ一生涯、さとりをひらくチャンスをすべて棒にふってしまっても、肉体の死後、最後のとびらが開く。生きている間に「目に見えない世界」に入ったことがない人は、それを見逃してしまう。 ----- 第8章 さとりに目覚めた人間関係をきずこう Enlightened relationships ----- 第1節 どんな状況にいても、「さとり」は「いま」ひらける Enter the NOW from wherever you are 「真のさとり」は、万物を存在させている、時間もかたちもない「多いなる存在」と、自分がひとつであると知ること。 さとりは未来にひらけるものではなく、「いま」ひらくのか、でなければまったくひらかないか、ふたつに一つ。 ----- 第2節 「愛と憎しみ」が表裏一体の人間関係 Love/hate relationships 「大いなる存在」に意識的につながっていないと、どんな人間関係も最後には機能不全になってしまう。 ほとんどの恋愛関係は、数ヶ月から数年の間、愛と憎しみの両極を振り子のようにいったりきたりして、快楽と同じくらいの痛みを経験する。このパターンの中毒になることも珍しくない。こういった「ドラマ」によって、人は生きる実感を味わっている。 ----- 第3節 完全になろうとして、「中毒症」になってしまうわたしたち Addiction and the search for wholeness 恋愛関係に中毒してしまうのは、さとりをひらいていない人間には不可欠な感情である「怖れ」「餓え」「欠如」「不完全」を、恋愛関係が取り除いてくれるように思えるから。 思考を「本当の自分」だと思っているときには、肩書き、所有物、ルックス、成功や失敗、信念体系など、究極的には本当の自分と何の関係もない外の世界のもので「本当の自分」を定義づけている。その定義づけの対象が人間関係に変わるだけ。 恋愛関係も、他の中毒症状と同じく、麻薬がきいてハイになっている間はいいが、やがて痛みの感情が再び浮上してくる。自分のパートナーを痛みの原因だとみなし、相手を攻撃する。人間関係が痛みを作り出しているのではなく、自分の中にもともとあった痛みを引き出しているだけなのに。 どんな中毒症状も、自分の痛みを直視することを無意識に恐れているために、痛みを克服できずにいることが根本原因。 「いまに在る」ことで生まれるパワーは恐れの根源である過去の痛みを溶かしてしまうことができる。 ----- 第4節 「中毒的な人間関係」を「目覚めた人間関係」に変える方法 From addictive to enlightened relationships 機能不全の恋愛関係を変化させる一番の触媒は、パートナーに対して何の決めつけもせず、相手のどんなところも変えようとせずに、ありのまま受け入れること。これが人間関係からエゴ的意識を取りのぞく方法。 そのためには、意識を「いま」に集中させて、思考やペインボディを「本当の自分」と錯覚しないくらい、強力に「いまに在る」ことが必要。 真のコミュニケーションとは「魂の交流」であり、すべてがひとつだと認識した上での人との触れ合い。これが「愛」。 ----- 第5節 人間関係はさとりをひらくチャンスにできる Relationships as spiritual practice すべての悪い状況はさとりをひらくチャンスでもある。機能不全の人間関係をさとりをひらくチャンスにすることができる。 人間関係の中に不調和があるという事実に気づき、その気づきをしっかりと意識すると、不調和はかわらざるを得ない。気づきが「平和でないもの」を愛でつつんで「平和」に変容させる。 人間関係は私たちを幸福にするためではなく、私たちを目覚めさせるためにある。 ----- 第6節 女性のほうがさとりをひらきやすい? Why women are closer to enlightenment 一般的に、女性のほうが自分の身体を感じ、その中に住まうことを得意としているため、男性よりも生まれつき「大いなる存在」に近く、さとりをひらく可能性は高い。 ----- 第7節 女性の「集合的ペインボディ」を溶かそう Dissolving the collective female pain-body 女性はみな、個人的なペインボディ以外に、女性特有の集合的ペインボディを共有している。長い歴史の中で女性が被った痛みが蓄積されていったもの。 月経時に感情的になったり肉体的な痛みを経験したりするのは、その時期に集合的なペインボディと共鳴してしまうから。 ----- 第8節 「わたし自身」と関係をきずくこと Give up the relationship with yourself 自分自身と関係をきずく必要はない。ただ、シンプルに「自分自身のままでいる」こと。 自分自身と関係をむすぶ、というのは、自分を主体と客体の2つに分裂させている。思考がつくるこの二元性がむだな問題を生み出している。 |