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エックハルト・トール「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」勉強会レジメ第3章


第3章 「いまに在る」生き方がさとりのカギ
    Moving deeply into the NOW

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第1節 思考の中に、「本当の自分」はいない
    Don't seek your self in the mind

思考についての問題は思考のレベルでは解決できないので、さとりをひらくためにこれ以上思考のメカニズムを学ぶ必要はない。

(感情を含めた)思考を本当の自分だとみなすことが無意識状態のそもそもの出発点であることさえ認識できれば、無意識状態から抜け出し、今に在ることができる。

今に在るときには思考をあるがままにほうっておくことができる。

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第2節 「時間」は幻である、ということを理解しよう
    End the delusion of time

思考と時間とは一心同体で離れることはできない。
頭から時間の概念をとりはらうと、思考活動はぴたりとやむ。

思考と一つになることは時間のわなにはまること。
そうすると、「記憶」「期待」「不安」だけを糧に人生を送るようになる。

今だけが本当にかけがえのないもの。
なぜならそれが唯一のものだから。
今だけが思考の世界をこえ「大いなる存在」につながれる唯一の時。

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第3節 「いま」以外には、何も存在しない
    Nothing exists outside the NOW

すべてのことは今起こっている。

過去だと思っているものは頭に保管されたかつての今の記憶。
未来は思考がつくりだした想像上の今。

このことを把握した瞬間、思考から「在ること」へ、時間の世界から「今」へと意識の変化が起こる。

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第4節 魂のレベルに到達するコツ
    The key to the spiritual dimension

命が危険にさらされると、自動的に「時間の世界」から「今に在る」状態に意識がシフトすることがある。命を危険にさらすような活動にのめり込む人がいるのはこのため。でも、そんなことをしなくても今ここで「今にある」ことができる。

「今にある」と問題も苦しみも、「本当の自分でないもの」はすべて消えてしまう。

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第5節 「いまのパワー」とつながろう

時間の世界を超えるとものの見方がかわる。でも、瞬間的にシフトしただけではさとりをひらくことはできない。永続的に意識をシフトさせることが必要。

そのために、今この瞬間を否定するというこれまでの習慣を脱ぎ捨て、必要以上に過去と未来を見ないことを習慣にする。

今にいるのが困難なときは今から抜け出したがる思考を観察することから始める。

ただ、自分の思考を見張り、感情を感じ、リアクションを観察するだけで十分。すると、自分の内面にあるパワフルな何か、思考の奥にあってじっと動かない存在を感じ始める。

「今に在る」ことがどういうことなのか経験的につかめれば、時間を必要とするとき以外は時間の世界から自由に抜け出せるようになる。

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第6節 「時間の概念」を手放そう
    Letting go of psychogical time

時計時間 〜実用的な目的で時間を活用すること
心理的時間〜過去と未来をアイデンティティに使ってしまうこと

時計時間を心理的時間にすりかえてしまうことのないように注意すること。

時間は幻であるというのは哲学的な議論ではなく、素朴な事実。
「今この瞬間」だけが私たちに与えられたすべてであって、私たちの人生が「今この瞬間」でなかったときなどなかった。

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第7節 「心理的時間」がなぜ有害なのか
    The insanity of psychological time

心理的な時間が集合的に表れると心の病になる。

思考と一つになって今にいることができなくなると、人生から、活気、新鮮さ、驚きのフィーリングが失われる。心は不満だらけの今から逃れるために未来に夢中になってしまう。

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第8節 ネガティブ性と苦しみの原因は「時間の概念」
    Negativity and suffering have their roots in time

過去を溶かしてしまえるほど今に在ることができないと本質的な変化は起こらない。私たちが未来とみなしているものは現在の意識状態を反映したものだから。

ネガティブ性のまったくない意識でいることが出来る。それはいつかその状態になれるのではなく、今その状態にいる。さとりはそのうちにひらけるものではない。

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第9節 さまざまな出来事の根底にある「人生」を見いだそう
    Finding the life underneath your life situation

私たちが「人生」と読んでいるものは、厳密にいうと「人生の状況」。
人生の状況ではなくて、人生そのものに意識を向けてみる。★注1

人生の状況は問題だらけかもしれないが、いまこの瞬間に何か問題があるだろうか。

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第10節 問題はすべて、思考が作り出す妄想
     All problems are illusions of the mind

問題とは思考が作り出す妄想。実際に存在するのは今とりくまれるべき人生の状況か、とりくまれるまではあるがままに受け入れるしかない人生の状況。状況を問題に変える必要はない。

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第11節 新たな意識レベルへの大きな飛躍
     A quantum leap in the evolution of consciouseness

今ここで私たちがしていることは大規模な集合意識の変容の一環。

「何かをすること」と「何かが起こること」は同じプロセス。しかし、人類が必ず意識の変革をやりとげるという保証はどこにもない。私たち一人一人が重要な役割をになっている。

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第12節 「いまに在る」喜び
     The joy of being

行動の結果にこだわらず、行動そのものに意識を集中させることによって、今この瞬間を尊重することができる。すると、不幸と苦悩はすべて消え去り、人生は喜びと安らぎとともに流れ始める。

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★注1
人生=life、人生の状況=life situation
日本語では「人生」という言葉の中に「人生の状況」という意味も含まれているので、少しわかりにくい。
また「life」という言葉は「人生」だけでなく「生命(いのち)そのもの」という意味もあるので、
「人生の状況ではなく人生そのものに目を向ける」
という文章は
「人生の状況はではなく生命そのものに目を向ける」
と読み換えてみると理解しやすいかも。

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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2012/04/29