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死の前日


最近はブログでもいろいろな文章を書いています。「心の癒しと意識の目覚めのために」もご覧下さい。

10月初旬、父が亡くなりました。

昨年暮れから入院していて、少しずつ弱っていく姿を見ていく中で、ある程度の覚悟はしていたのですが、思っていたより少し早いお別れになってしまいました。

父がわたしに与えてくれたものはたくさんありすぎて、ここでみなさんにお伝え出来るほど自分の中でまだ消化されていないので、それはまたこの先、わたしの中で準備が出来てから少しずつ書いていこうと思っています。今回は実際に起こった印象的な出来事について書いてみます。


話は全然違いますが、最近、DVDになって安い値段で再発売されている昔の古いライブビデオがいろいろあります。昔は、ライブビデオは値段も高く、よほど好きなアーティストのものでなければ買ってまで見ようとは思いませんでしたが、ずいぶん安くなって、しかもDVDで手軽なので、昔よく聴いていたアーティストのものをときどき買っては観ています。「この人たちはこんなふうに演奏していたのか〜」と、もう解散して10年以上もたっているバンドの演奏を初めて観て感動したりしていました。

そんな中で90年代に活躍したあるバンドのライブDVDが気に入って何度も観ていました。そのライブを観ていると、わたしの失われた青春時代を見ているような気分になって、涙があふれて来ることがときどきあったのです。

10月上旬のある朝、その日は午前中は仕事がなくて、遅い時間に起き出してのんびり朝ご飯を食べていたのですが、急にそのDVDが観たくなったのです。普段はそんなことをするのはほとんど夜なので、「何で朝からこんなの観たくなるのかな〜」と思いつつ、見始めると、なんだかわからないけど涙が止まらないのです。曲が進むにつれて、もう号泣するような感じになって来ました。自分でも何が起こっているか分からなかったけれど、なんだか悲しく、切ない感覚が次から次へと襲ってきて、ひたすら泣き続けていました。30分以上、たぶん1時間近くそんな状態が続いていました。やっとおさまったときには、何かが終わったような気分になっていました。その日は一日中、なんとなくぼーっとした気分で過ごした記憶があります。

翌日、早朝、弟からの電話で父の死を知りました。

何かがわたしに伝わってきていたのでしょうか。


内面のスピリチュアルな部分とのつながりが深まっていくと、さまざまなシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)が起こってきます。少々のことが起こっても驚かなくなったわたしですが、この出来事にはちょっとびっくりさせられました。そして、父の死のあとにも不思議な偶然の一致がいくつも起こっているのですが、それらについても、もう少し自分の中で消化できてから書きたいと思っています。

【まほろば通信】vol.115掲載2006/11/17)


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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2007/05/16