最近きれる人たちが増えているようです。子どもたちはもちろんのこと、大人たちも。この数日のニュースを見ていると、そんなきれた人たちが関わっている事件の報道ばかりで、少し憂鬱な気持ちになっていました。
キレルというのは、すなわち「切れている」「つながっていない」ということです。何につながっていないのか。それは、周囲の人びとや世界であると同時に、自分自身であり、本来の自分自身、自分の本性とでもいうべきものです。
きれている人たちは、自分の感情が認められない、自分の感情と切り離されている、というところが共通しています。
すぐに大声をあげたりする人は自分の感情がわかっているのではないか?と考える人もいるかもしれませんが、一見とても感情的に見える人、感情をまき散らしている人は、そうすることで自分の感情と直面することを避けています。感情の過剰な表現は感情に直面しないための一つの方法なのです。
一方、その感情を外に表現することすらできないと、そのエネルギーは内側に向かって、自分を外界とまったく遮断してしまうか、もっと激しくなると自分や他者を傷つけ破壊する行為として暴発してしまいます。
つまり、引きこもってしまうオタクたちと、激しい感情表現を繰り返したり、過剰に外に向かって神経症的な拡大を続けていく人たちとは、つながっていない=切れている、という点では同じものがあるのです。自分の中にゆったりと落ち着いていることができずに、いつも何かを求め続けている。でも本当に求めているものが自分でもわからないので、どれだけ得たとしても、本当に満たされることがありません。
社会全体が目に見えるものだけに価値を認めてきたことの反動が、今こうした形で現れて来ているような気がします。
まずは自分自身の内面に取り残されたきたもの、存在しなかったことにされてきた感情、価値を認められることのなかったエネルギーに意識を向けてみましょう。あなたがあなた自身とのつながりを取り戻していくのです。
世界のバランスを取り戻す第一歩はあなたの心の中にあります。(【まほろば通信】vol.111掲載2006/01/21)
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