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身体に還る〜その2


最近はブログでもいろいろな文章を書いています。「心の癒しと意識の目覚めのために」もご覧下さい。

このところ、また身体に意識が向いています。それはすなわち内面に意識が向いているということ。

さて、アロマテラピーやオイルマッサージに興味を持つようになったのは、今から10年程前、はじめて「ワークショップ」と呼ばれるものに参加したときからです。一般的には「ワークショップ」とは「体験学習」のことで、知識を学ぶだけでなく、自ら体験しながら、主にグループ形式でいろんなことを学んでいくグループのことをいうようです。

私が当時頻繁に参加していたワークショップは、自分や世界に対する気づきを深めていくための実習をグループで行っていくようなものでした。ブレスワークやさまざまな瞑想法などのいくつかの実習の中に、オイルマッサージの実習がありました。

当時はまだアロマテラピーは今のようなブームが始まる少し前で、私自身も「どこかで聞いたことがあるなぁ。なんか、いい香りのするオイルでマッサージをするらしいぞ。」という程度の認識しかありませんでした。〜ブレスワークについては書きたいことが山ほどあるのですが、これはまた次の機会にします。

そこで習ったオイルマッサージというのは、アロマテラピーのセッションを受けたことがある方はわかりやすいと思いますが、エッセンシャルオイルは使わずに、マッサージ用のベースオイルだけでマッサージするものです。

なんでこのワークショップの中でマッサージを習わないといけないの?もっと昔の私だったらそう思ったかもしれませんね。でも、そのときすでに、前号で書いたように、私は「自分に身体がある」ということに気がついて、とてもおどろいた体験を持っていました。世界を認識するということと、身体を感じるというということが深く関連しているということを、うすうす感じていたのだと思います。

さて、はじめてのオイルマッサージ体験はというと、、、実はあんまりよく覚えていないのです(^_^;)。もしかしたら眠ってしまったのかもしれませんね。しっかり覚えていることといえば、次にいつこの体験ができるのだろう、と思ったということです。すっかりはまってしまったのでした。

私は触れられたり触れたりするのがひどく苦手な人でした。やさしく触れられるということは、あなたはあなたのまま存在していていいんだよ、ということを伝える一番直接的なメッセージです。そういう体験が、私には不足していたのかもしれません。

それから少しして、はじめてプロの方のマッサージを受けたときのことは今でもはっきりと覚えています。60分と90分の二つのコースがあって、最初は60分コースでお願いしていたのですが、あまりの気持ちよさに途中で90分に変更してもらいました。

終わった後、私はそれまでに感じたことのない空間の中にいました。ときたま瞑想中に非常に深く入っていけたときに感じるような、思考が完全に止まった静寂。

普段、この状態を感じたくて一生懸命に瞑想し、思考と思考のほんのわずかのすき間を感じとろうと、思考に注意を向けることばかりにエネルギーをついやしていたのに、同じことが、身体を感じることでこんなに簡単に起こるなんて、、、。

このような体験から、瞑想をやっている方には、ぜひアロマテラピーのセッションを体験して欲しいと思うのです。瞑想に興味のある方の多くは、頭の中で起こることにばかり意識を集中することで、神の住処であるこの「身体」の存在を忘れている方が多いのです。

ただ、気持ちいい、で終わることもあると思います。それでもかまいません。身体はそして無意識はその感覚をずっと覚えています。これまでの経験では、瞑想をしたり、普段から内面に意識を向けている人ほど、マッサージ中に深い体験をしたり、身体がピクピク動く、などの反応が出たりします。普段、そういう体験に慣れていない方ですと、ちょっとびっくりする方もいますが、その体験そのものを楽しんでほしいと思います。

【まほろば通信】vol.17掲載1999/07/08)


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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2001/06/10