否認権(72条)旧
(新破産法 hennpa.htm)破産者が破産宣告前にした破産債権者を害することになる行為の効力を破産財団との関係において否定する権利
破産管財人に認められた権利
故意否認(1号)
破産者が破産宣告前、破産債権者を害することを知ってした行為(詐害行為)で、相手方(受益者)が、行為の当時、その詐害性(破産債権者を害すること)を知っていた場合
破産宣告前のすべての時期
受益者は無限定
受益者の詐害性の悪意につき、受益者が証明責任を負う(受益者が否認権を否定する場合、受益者側で善意の証明を要する)。
本旨弁済も故意否認の対象となる場合がある(判例)
危機否認(2号、3号、4号)
支払停止(破産申立)後
義務ある偏頗行為(詐害行為)(2号、3号)
破産者の主観的要件は不要
受益者は破産債権者
危機時期につき受益者が悪意の場合
2号では、管財人が受益者の悪意につき証明責任を負う(ただし、3号では逆)
受益者は破産債権者であるが、それが親族・同居者の場合(3号)、危機時期についての悪意の証明責任が転嫁されている(受益者が親族等の場合で、否認権を否定する場合、受益者側で善意の証明を要する)。
支払停止(破産申立)後、またはその前30日以内
義務なき偏頗行為(詐害行為)(4号)
(特約がないのに担保を提供する、本旨弁済に代えて代物弁済をする、期限前に弁済するなど)
破産者の主観的要件は不要
受益者は破産債権者
詐害性または危機時期につき受益者が悪意の場合(証明責任は受益者)
無償否認(5号)
破産者が支払停止もしくは破産申立後、または
その前6ヶ月以内にした無償行為またはこれと同視すべき有償行為。他の主観的要件を必要とせず、単に無償行為であるというだけで破産管財人はこれを否認することができる。