相続人間で、遺産分割の協議がまとまらないとき・できないとき

遺言がなく、相続人間で遺産分割をするとき、どうしてもまとまらない場合があります。

このようなときは、家庭裁判所で分割してもらうということになります。

この手続は、調停と審判の2つがありますが、調停の場合は、相続人全員を相手に、相手方の住所地の家庭裁判所へ、審判の場合は、相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所へ申立をします。

調停は裁判官1人と2人以上の調停委員がこれにあたり、相続人の話合いが円滑に行われるように、また、客観的に妥当な結論が出るように指導していきます。

話合いがまとまると、その結果が調停調書に記載され調停が成立します。この調停調書は確定判決と同一の効力があり、調停にしたがわない場合、強制執行することができます。

話合いがまとまらない場合は、調停不調として調停は終了します。しかし、あらためて審判の申立をしなくても、調停の申立のときに審判の申立があったものとして審判手続に移ることができます。

審判は、裁判の一種ですが、家事事件の性質から非公開でおこなわれ、裁判官が職権で証拠調べをしたり、だれが相続人であるか、相続財産はなにかを確定して、相続分に応じて妥当な分割方法を定めます。

裁判官は、必要があると認めるときは、相続財産について競売、その他換価を命ずることがあり、また分割を見合わせた方がよいと思われる場合には、分割禁止の審判をすることもあります。

審判に不服であれば、審判書を受け取ってから2週間以内に高等裁判所に即時抗告することができます。

申立費用は、収入印紙(被相続人1名につき)900円、郵便切手約1.800円、事件の進行によって財産の鑑定が必要な場合は、鑑定費用。鑑定費用がいくらかかるのかを調査して、準備しておく必要があります。

相続人の中に行方不明者がいる場合 fuzaisha.htm