ビーロボ カブタック裏話


その1.企画書の出来るまで(工事中)
その2.ビーロボ達の初期名
その3.スターピースの秘密
(工事中)
その4.キャプテントンボーグの謎


ビーロボ達の初期名
カブタック達の名前は、最初から放映された通りの名前、という訳ではありませんでした。
企画書、あるいはシナリオの初期稿では別な名前が書かれていたりしました。
それぞれの決定前の名前を列挙してみましょう。

(正式名称)………(決定前の名前)

カブタック……………カブトンT1

クワジーロ……………クワジーロT2

トビマスカイ…………飛行メカ(企画書時点で名前はなかった!)

ガニラン………………カニンダT4

スパイドン……………クモンダT5

ダンゴロン……………(変わらず)

ゲロタン………………ケロリンゴ

コブランダー…………コブランダT8

シャークラー…………(変わらず?)

テントリーナ…………テントリーヌT10

デンデンローラー……ホイールバッタ、バッタッタ

ジャクシー……………ジャクジー

ドデカブタック………(変わらず)

トンデモジョーズ……ドデシャークラー

カブタックドーム……カブトハウス

最初から出ていた6体のビーロボについては、末尾に必ず「T(数字)」がついています。
この数字で何号機か、わかるようになっていたのです。
ちなみにこの「T」には、「試作機」という意味と「寅彦」作という意味を込めていました。
シャークラーの欄に「?」がついてるのは、私の手元に資料が残ってないから。
登場話を書かなかったからなんですけどね(ビデオにかかってた時期でした)。
キャプテントンボーグについては別項で詳述したいと思います。

キャプテントンボーグの謎
カブタックは当初から、「戦闘以外の」対決をメインとする事は決まっていました。
ところが私が参加した時点では、その対決を裁く「審判役」は想定されていませんでした。
私が企画書を書くことになって、最初にひっかかったのがこの点でした。
そこで企画書の「登場人物」の欄に、こっそり一人の審判役を書いておきました。
それは……

「変なおじさん」

本当に企画書にこう書いて、提出したのです。

いつも近所の公園でブラブラしてる初老の男性。
何という名前なのか、どんな仕事をしてるか、誰も知らない。
けれど対決が始まると、いきなり審判姿になって登場し、対決を裁く……
そんな設定でした。

みなさんも子供の頃を、ちょっと思い出してみて下さい。
何をしてるかわからないけれど、子供達の生活圏周辺をウロウロしている……
子供達からは「○○おじさん」とか「××小僧」とか呼ばれている……
そんな人がいませんでしたか?
私の小学生時代には「ツバひっかけ小僧」というのがいました。
この「変なおじさん」というのも、実はそんな存在として設定しておいたのです。
こういうキャラを設ける事について、企画会議では特に反対はなかったと記憶してます。

何回目かの企画会議のため、東映本社に赴いた時。
東映の日笠プロデューサーが一枚のデザイン画を見せつつ、私にこう言ったのです。

「例の変なおじさんですけど……ロボットになりました」
「へっ?」

ここでついに、「審判ロボ」が誕生してしまったのです。
この時点で玩具化する予定があったのかなかったのか、一ライターである私には知る由もありません が、「玩具を出しても、売れないのでは?」という感じではあったようです。
着ぐるみにしても、他の番組で使っていたのを改造したものでしたし。

名前に関しても、二転三転しました。
最初は「ジャッジ公平」というのを考えていましたが、他の番組ですでに使われていた、との情報が あり、ならばと「ジャッジKH」となりました。
その後、「ミスタートンボーグ」を経て、「キャプテントンボーグ」となったのです。

さて、多くの方から訊かれた、トンボーグの正体ですが……
みなさんは、周りにいた「○○おじさん」の正体を知る事ができたでしょうか?
私は「ツバひっかけ小僧」の正体を知ることなく、小学校を卒業しました。
世の中にはそういう具合に「知らずに終わる」ことがたくさんあると思います。
「キャプテントンボーグ」もその一つであっていいと、私は思っています。


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