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改造に当たって

PC-FXGAは PC-9821Ra266での動作を保証していません。
PC-FXGA使用の結果により本体やデータが破損しても当研究所では一切の責任はとりません。自己責任でお願いします。

はじめに

 前項で PC-98を高音質 CDプレーヤへの改造を行ったので、ここではさらに発展させて PC-FXGAを使用して PC-98を PC-FX専用機にしてみたいと思います。

更なる進化 PC-FXをプラス (危険度 ある意味大 (^ ^;;))

ロルフィーさん 13歳 (^ ^;;

 その昔、故 NECホームエレクトロニクス (NEC HE) が発売した 32ビットコンシューマーゲーム機として、PC-FXというものがありました。ソフトは CD-ROMで提供され、強力なアニメーション機能、3D描画機能が売りでした。また、ゲーム制作キットを利用して PC-FX対応ゲームをユーザーで作ることができる点でも当時の他のマシンとは一線を画するものでした。
製品の仕様としては悪くなかったのですが、本体価格が 49,800円とあまりに高かったために普及しませんでした。販売のテコ入れにマスコットキャラクターとして只野和子氏がキャラクターデザインを、声を大野まりなさんが担当した美少女系キャラクター「ロルフィー」の採用、アニメーション機能を活かしアニメ系、美少女系と変な方向に走った結果 (NECのいつものパターン)、一部のマニアにはそれなりに支持されたものの一般の方々にはドン引きされてしまい、終焉したという悲しいマシンです。(ぉ

 まあ、これがどういった物なのかはここでは省略します。詳しいサイトがいくつかあるようなので、ネット上を適当に検索して各自お調べください。m(_ _)m

 さて、これを PC-98の DOSで動かしてしまおうという物が、ゲームアクセラレータボード「PC-FXGA」です。いまだに、マスコットキャラクター共々ごく一部では、人気のあるボードであります。ヤフオクでは、2000円以下で入手出来ます。通常、映像出力にコンポジットビデオ端子を備えたテレビが必要ですが、工夫次第では PCモニタでゲーム画面を表示させたり、本来対応しない Win9x上で動かしたりと色々できるようです。

 i486SX以上でハードディスク、CD-ROM を内蔵した PC-98なら動作可能です。98MATE Aシリーズのファイルスロットモデルは除外されていますが、CDの音声出力を PC内部で接続できないという理由だけですので実際は動作します。今回使用する PentiumIIの PC-9821Ra266は、当時想定されていないので保証外となりますがもちろん動きます。(^-^)

 ちなみに、他にも 98MULTI CanBe専用の「PC-FXボード (FX-98IF)」、PC/AT互換機 ISAバス対応の「PC-FXGA」もありました。両者の入手はかなり難しいと思います。

PC-FXGAのセット内容

 PC-FXGAのセットには以下の物が含まれます。ケーブル、CDソフトは欠けてもかまいませんが、PC-FXと PC-98の動作は独立しているためゲーム中キーボードは使えません。ドライバと併せてコントローラが欠けるとどうしようもないので入手の際はご注意を。

  • PC-FXGAボード (汎用拡張バス (Cバス) 用)
  • PC-FX用コントローラ
  • 専用 ACアダプタ
  • 映像、音声ケーブル
  • 取扱説明書
  • 保証書
  • PC-FXGAボードドライバ (DOS用)
  • おまけゲームソフト (CD-ROM)
  • ゲーム制作キット (CD-ROM、後期ロットのみ)

 取り付けの手順は以下の通りです。詳細は、添付のマニュアルを読んで下さい。

 なお、CD-ROMのドライバは、すでにインストールされている物とします。(^ ^;;

  • PC-FXGAを Cバスの空いたスロットに取りつける
  • PC-FXGAに ACアダプタを繋ぐ
  • PC-FXGAのビデオ出力とテレビのビデオ入力をビデオケーブルで繋ぐ
  • PC-FXGAのオーディオ出力と PC本体のライン入力をオーディオケーブルで繋ぐ
  • DOSを起動し 添付の FDから起動用ソフトを HDDにインストールする
  • 再起動後、フォーマット済み FDを FDDにセットする (データセーブ用)
  • コマンドプロンプトで、「PCFX」とタイプすると PC-FXが起動する
  • PC-FXを終了する時は「ESC」キー

DOS世代の人々には簡単ですね。(^-^)b わからない方はゲストブックやメールでどうぞ。

よりゲーム機ライクなマシンへ (危険度 小)

 ソニー (SONY) の Play Station以降、コンシューマー機ではゲームのセーブデータ等の保存にはリムーバブルなメモリーカードを使うのが主流となりました。そこで、PC-98をよりゲーム機に近づけるため、PC-9821Ra266でも PC-FXのセーブデータをメモリーカードに保存できるようにします。HDDに保存できるように設定もできますが、ゲーム毎にメモリーカードを差し替える方が何かと便利です。

 これにより FDメディアをドライブに入れっぱなしにしたまま、うっかり再起動をかけてしまいシステムの入っていない FDから起動しようとして、ビープ音が鳴り響いて (鳴らない場合もあり) ビックリすることも防止できます。(^ ^;;

 今回は、FUJIFILM製デジタルカメラ FinePix500に標準で付属していた 2MBのスマートメディアが余っていたので、これをリサイクルすることにしました。スマートメディアに限らず、SDカード、メモリースティックでもカードアダプタが合っていれば問題ないと思います。

 ここでは、MS-DOSのシステム設定を変更します。変更を誤るとシステムの起動ができなくなる場合がありますので注意してください。

● 用意するもの

  • Cバス対応 PCカードアダプタ
  • スマートメディア
  • スマートメディアアダプタ (PCMCIAタイプ)

● Cバス対応 PCカードアダプタ

 NEC純正品以外にも、I-O DATA、RATOC等の製品が過去に販売されていました。便利なのものは内蔵タイプです。今回は、純正の Cバスボード直挿しタイプの 「PC-9801-102」 を使いました。この場合、PCカードを使用する際にその都度本体の裏にまわる必要があります。前面から使用したい場合は、第二 FDDスロット専用の「PC-9821RA-E01」という激レアな製品がありますのでそちらをどうぞ。

 注意点としては Win9x以降では OSに標準でドライバがありますが、DOSで使用する場合には OSにドライバは付属していません。必ず製品添付のドライバが必要になります。

 また、PCIバス用や SCSI接続などの物は PC-98の DOSでは使用できないものがあるので対応機種にご注意ください。

● スマートメディア

 今回は、たまたま、スメートメディアを利用しましたが、SDメモリーカードや、メモリースティック、コンパクトフラッシュでもかまいません。ただし、注意すべきは容量でフロッピィディスクの代わりですので、2MB程度で十分ですが 1GBなど容量の大きなものは認識できない可能性があります。

● スマートメディアアダプタ (PCカードタイプ)

 今回は、スマートメディアを利用したので ADTECの AD-SMADPを使いました。これはスマートメディアをフラッシュ ATA PCカードとして利用できるアダプタです。対応 OSは、Win9x以降ですが DOSでも保証外ながら使えます。

 なお、SDメモリーカードやメモリースティック、コンパクトフラッシュの場合は、それぞれのメディアに対応する PCMCIA準拠の PCカードアダプタを用意すれば OKです。また、フラッシュ ATA PCカードの場合はこの手のアダプタは不要です。

● PCカードドライバのインストール

 各製品の PCカードアダプタの取扱説明書 (純正の場合は、PCカードサポートソフトウェアマニュアル) 、にしたがって、「CONFIG.SYS」をいじってドライバをインストールします。

 以下は NEC PC-9801-102の例です。PC-98デスクトップモデル用純正カードアダプタは共通だと思います。環境によって異なりますが、とりあえず「EMM386.EXE」の行に「/E=DC00-DFFF」を追加し、そのあとに以下の6行を追加すれば認識しました。

 なお、ドライバのパス (A:\PCCARD) は、環境に応じて適当に読み変えてください。

DEVICE=EMM386.EXE /UMB /E=DC00-DFFF
DEVICE=A:\PCCARD\SSDRV.SYS
DEVICE=A:\PCCARD\CS.EXE
DEVICE=A:\PCCARD\CSALLOC.EXE A:\PCCARD\CSALLOC.INI
DEVICE=A:\PCCARD\HDCARD.SYS
DEVICE=A:\PCCARD\MCDRV.SYS
DEVICE=A:\PCCARD\CARDID.EXE A:\PCCARD\CARDID.INI

● スマートメディアのフォーマット

 続いて、スマートメディアをフォーマットします。すでに Windowsまたは、デジカメでフォーマットしたものならばこの操作は不要です。

 購入直後のものは、フォーマットが必要ですが「FORMAT.EXE」は使用できません。NEC純正 PCカードアダプタの場合、「HDCARDF.EXE」か「PFDISK.EXE」を使用します。

● PC-FXの設定変更

 最後に、PC-FXのバックアップ先の設定を、フロッピィディスクからスマートメディアに変更します。PC-FXGAの取扱説明書「ハードディスクにセーブするには」を参考にしてください。

 具体的には PC-FXインストール時に作成される 「BUCKUP.INI」の内容を変更します。「PCFXBACK.RAM」と「PCFXCARD.RAM」のパスをスマートメディアに合わせます。スマートメディアが「Cドライブ」の場合は、以下のようにします。

C:\PCFXBACK.RAM
C:\PCFXCARD.RAM

 変更後、PC-FXを再起動するとメッセージが出て、以降スマートメディア上にバックアップファイルが作られるようになります。

 以上で設定は終了です。あとは PC-FXを心置きなくお楽しみください。(ぉ

● 余談

 当方では、CD-ROMドライブ化した本体を使用していますので、キーボードを使用せずテンキーボードを使用しています。この場合は、マクロを設定するソフトを使って適当なキーに「PCFX [リターン])」コマンドを割り当てます。
 ゲームを終了する場合は、PC-98遣いだと DOS終了時に「STOP」キー (または、「CTRL」+「C」) を押す癖があったりして気が引けますが(^ ^;;、SSD化しているので「ESC」でDOSに戻る必要も無く電源OFFで OKです。





プレミアム バンダイ


PC-98, PC-9821, 98MATEは NEC社の商標または登録商標です。

PentiumIIは intel社の商標または登録商標です。

Windows, MS-DOSは Microsoft社の商標または登録商標です。

この他、製品名、型番等は、一般に各メーカーの商標または登録商標です。