RSS(RDF Site Summay)ないしmetaタグといった仕組みに倣い、イベント情報を自動集成するためのメタデータを考えてみた(メタデータの集成を、OAIではメタデータ・ハーベスティングと言う...)。element名は仮である(EMXも仮称だし)。ダブリンコアや様々なスタンダードと同じエレメント名もあるが、気にしないでおこう(似ているのは良いことだ)。あくまで情報交換のためのサマリーだから、詳しい情報ではない。必須項目は7つとした。このメタデータは、当該機関の公式サイト内の固定ページ(固定URL)に置くようにする(RSS/RDFはrss/rdfファイル、metaタグはHTMLファイルのhead要素内に記述する)。「情報源」はイベント専用の情報ページのURLを示す。
当該機関は、情報集成サイトに、イベント情報メタデータを公開している旨知らせ、情報集成サイトは自動巡回で情報をチェックすることになる。例えば市町村のサイトに情報を掲載しておけば、都道府県レベルのサイトで自動集成し、利用者は催し物のチェックが便利になる。もちろん、集成の単位は自由だし、テーマ別に県横断的に集成するサイトがあってもよい。そうした柔軟な活用が、この種の分散的なメタデータの仕組み、セマンティック・ウェブの特徴でもある。
この色(強調)は必須情報 | 備考 | ||
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時制 temporal | 開始日 | start | YYYY-MM-DD形式 |
終了日 | end | YYYY-MM-DD形式(一日だけの時は省略) | |
休館日 | off | YYYY-MM-DD形式で列挙 | |
開館時間 | hours | 自由文?(週末など閉館が早いこともある) | |
内容 content | 主タイトル | title | 自由文(できれば20字以内) |
副題 | subtitle | 自由文(無ければ省略) | |
行事種別 | type | 用語統制(英語でもいいだろう) | |
趣旨説明 | description | 自由文(250字以内) | |
情報源 | link | 公式サイトにおける、当該イベント情報ページのURL | |
主催者 | organizer | 施設名と同じ時は省略可。 | |
場所 location | 会場名 | site | 施設名称、遺跡名等 |
住所 | address | 自由文(都道府県名から) | |
交通 | transportation | 自由文(駅名など) | |
経緯度 | coordinates | xx.xxxxxx,yyy.yyyyyy(緯度,経度、世界座標系) | |
入場料 | fee | (有料なら金額、または「無料」ないし「入館料のみ」 資料集有料の場合は金額を明記すべき) |
「主催者」は「情報内容に主たる責任を持つ人や組織」なので、ダブリンコアを活かしてdc:creatorでもいいかもしれない(但し情報をアップしているのが、主催者サイトでない場合もある)。イベントの種別はdc:subjectでもいいかもしれない(subjectでは用語統制が推奨されるから都合がよい)。なお、関連イベント(関連シンポ等)の紹介も必要かもしれない。
経緯度はGeoURLのICBMに準拠。西半球と南半球はマイナス値になり、分秒以下は十進法に換算した値になる。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns:emx="http://http://ao.jpn.org/xml/emx/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns="http://purl.org/rss/1.0/" > <channel rdf:about="http://archaeology.jp/2003conv.rss"> <title>2003年度滋賀大会</title> <link>http://archaeology.jp/</link> <description>日本考古学協会公式サイト</description> <items> <rdf:Seq> <rdf:li rdf:resource="http://archaeology.jp/conv/2003conv.htm" /> </rdf:Seq> </items> </channel> <item rdf:about="http://archaeology.jp/conv/2003conv.htm"> <title>日本考古学協会2003年度滋賀大会</title> <link>http://archaeology.jp/conv/2003conv.htm</link> <emx:type>convention</emx:type> <emx:organizer>日本考古学協会</emx:organizer> <emx:start>2003-10-25</emx:start> <emx:end>2003-10-26</emx:end> <emx:site>滋賀県立大学</emx:site> <emx:address>滋賀県彦根市八坂町2500</emx:address> <emx:transportation>JR彦根駅ないしJR南彦根駅</emx:transportation> <emx:fee>無料</emx:fee> </item> </rdf:RDF>
当然ながら、講演会やシンポジウム等の詳細は、研究集会情報xmlのようなもの、特に「発表情報」は有効だろうと思うが、複雑なメタデータの普及は難しそうだ。
イベント情報といえば、スケジュールやカレンダーのメタデータ化に関連して、以前から色々と提案がある。
VEVENTでは、開始日はDTSTART、終了日はDTENDであるが、これをXML化して用いる提案もある。また、組織名や人名等はFOAFを適用する案がある。SKiは撤回されたようだ。
最後に紹介したRDF Site Summary 1.0 Modules: Eventは、私のアイデアに近い(ev)。locationのままだと、さすがに地名のレベルである(詳しく記述するためには、さらに別の語彙を適用すればよいのだが)。typeは採用してもよいかもしれない→採用した[03.10.23]。
RFC 2445が1998年である事を考えると、未だにイベントメタデータのスタンダードが成立していないようなのは不思議である。RDFの仕組みに忠実であろうとすると、結構複雑な事になるのが難点なのかもしれない。GeoURLなどは、スタンダードとは程遠いけれど、あっけない程シンプルなものだ。
● RSSの基本については「RSS--サイト情報の要約と公開(kanzaki.com)」ないし「RSS についてのメモ(Jahreszeit.com/LAB)」等を参照。
● Metadata Harvestingについては「Open Archives Initiative Metadata Harvesting Project」、ないし「The Open Archives Initiative Protocol for Metadata Harvesting」を参照。
● RDFのGEOについては「RDFIG Geo vocab workspace」参照。ちょっと複雑。